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#2 求人広告営業 信頼できますか?

少し棘のあるタイトルですが、無視できない部分でもあるので書いていきます。あくまで個人的な見解です。多少表現が荒い部分がございますが、ご了承ください。

前情報として、私は2020年の3月末まで、大手転職サイトの直販営業を行っておりました。2018年度はプレイヤーとして掲載社数、新規開拓社数、入社決定率で全社1位になっています(押し付けがましくすみません。。。💦)

現場でお客様の声を聞く中で、この業界も考えものだなと思う部分があったため、この機会にお伝えしようと思った次第です。全部書くと長くなるので必要なところをかいつまんで記載いたします。

リーマンショックから立ち直った2015年から2019年末までぐらいでしょうか、有効求人倍率と求人広告掲載数は右肩上がりに伸び続け、2018年後半からは観測史上最高を更新し続けていました。バブル期を超える空前の売り手市場です。

特に東京都心においては、営業職の募集ですら倍率2倍を超え、システムエンジニアともなれば4~8倍(ポジション・経験による)で推移しており、まさに人材サービスを生業とする企業にはこの上ない好景気となっておりました。

故に起こった問題が営業の知識不足による採用決定率の低下です。

どういうことかというと、まず有効求人倍率が上がっているので、従来の応募数を担保することが難しくなります。しかし採用予定人数は変わらないので、求人企業の人事担当者は目標達成のために、

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などの施策に奔走する事になります。御察しの方もいらっしゃるかと思いますが、上記は全て応募数を増やすだけの施策であって、ターゲットを採用するための施策と必ずしもイコールにはなりません。

逆に言えば売り手市場においてもターゲットを採用できている企業がいるのも事実です。その方法を本来知っているはずの営業が、「応募数が第一指標だ!応募数増やすために掲載期間伸ばしましょう!掲載カテゴリ増やしましょう!メルマガ送りましょう!」という安直な提案で一時の間受注できてしまったため、それ以外の提案を知らない世代が出来上がりました。結構大変な事です。

サイト問わず、直販及び代理店においてテンプレートのようになっていたその提案は、以下の通りです。

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本来であれば①と②の間に採用計画の背景確認、ターゲットの要件定義、ターゲットが広告にたどり着いて「応募」を押すまでの動線設計が必要です。

例えば①で 「年内に20代男性の法人営業経験者1名を60万以内で採用したい。」 というオーダーがあった場合、本来なら何故年内?何故20代?何故男性?と、そのターゲットが欲しい背景を明確にしていきます。その際、会社の組織状況や運営方針が見えてくるので、上記のような定量の条件に加え、ターゲットの性格(もっと言うと転職理由や動機)のような定性情報も条件に加える必要があります。

理由は、万人に向けた広告ほど刺さらないものはないからです。

「20代男性の法人営業経験者」なんてごまんといますが、その一人一人が異なる能力・性格を持った人間で、転職理由も次の会社に求める事も千差万別です。故にリクルーティングにおいては、どんな人に来て欲しいのかを明確にし、その人が会社に対して求めてることを自社が提示できるかが最重要ポイントになります。本来求人広告にはこれを書かなければ意味がありません。でないと高いお金を払って会社紹介してるだけになってしまいます。

営業は各職種や年代の転職者心理、転職動機、転職先に求めることを、少なくとも担当領域の範囲で知っておく必要があります。でないと企業のオーダーを聞いてから要件定義ができないからです。また、Web広告である以上SEOを意識したコピーの提案が必須になってきます。

ターゲットがどういう性格か、どういう検索をするか、いつ転職サイトを見るか、何があれば応募するかなどを加味し、求人企業の実態と合わせながらコピーを作成します。時にはワード選定もします。

ダイレクトリクルーティングの台頭やindeedの登場により市場のルールも変わってきたため、スカウトメールを送る曜日・時間の設定や、広告と他のチャネルとの連携も重要になってきます。

だらだら書いてしまいましたが、添付のように、要件確認後にサイトのデータベースの話をしだす営業は要注意です。要件をペルソナまで落とし込んで、どのようなメッセージをどのように届けるかの対策を提案をされる方であれば信頼に足る営業だと思います。

もちろんそのように信頼できる営業の方は数多くいらっしゃると思いますが、その存在の希少性が増しているのも事実なので、採用をご検討中の方の参考になれば幸いです。




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