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【ドラフト】『ドミナリアの団結(黒編)大考察』

こんにちは、ぞんびです。

スタンダードの研究も大変盛り上がっていますがドラフトもよろしくね、という感じで、『団結のドミナリア』のカード評価を落ち着いてしていこうと思います。


前提となる序文はこちら
カード個別評価白編はこちら
カード個別評価青編はこちら
カード個別評価赤編はこちら
カード個別評価緑編はこちら
カード個別評価多色+その他編はこちら
特別編・『かーむさんとのバトルランキング』はこちら

雑感

今回の黒は最も『単色アーキタイプ』の制度に振り回されていると思います。黒としてのテーマは『カードが墓地に落ちること』なのですが『何が墓地に落ちると嬉しいか』が青と組んだ場合はインスタント/ソーサリー、白と組んだ場合は自分のクリーチャー、赤と組んだ場合は攻撃的に死亡する必要があり、緑と組んだ場合は落ちた後に活用しなければならないと組む色によって方針が振り回される形になっています。その事実により、他の色のように『これを取っておけば色のアーキタイプが安定する』という1枚が存在しません。そのため総括的に見ると色としての特徴がやや希薄な、ふわふわとしたアーキタイプという印象を受けそうです。
その中でしいて言うとファイレクシアの憤怒鬼が最も重要なコモンでしょう。赤、白それぞれとは方向性が共有でき、青と組むときもコントロール的に動くにはタラスの見張りより使いやすいくらいのカードになってくれます。シグナルにしやすいカードでしょう。
他は除去が光の消滅があるもののアンコモン以上などはちょっと弱いことが気を付ける必要がありますね。全体的にはクリーチャーのほうが優秀なので、攻めて相打ちを繰り返し結果的に除去として扱えるような戦術を意識したほうが良さそうです。長期戦にはかなり強めになっているためですね。とにかく『死』をうまく扱う必要がありそうです。

個別評価

今回も個別評価は以下の5段階で行っています。カードの直接的な強さの上下というよりは、ピックするタイミングや条件が影響している評価となります。特に1パック目での評価が軸です。

・ノータイム:初手級。色を変えてまでも使うべき強力なカード。
・優先   :1~4手目の、『進むべき色を探るタイミング』でその目安となるカード。時には捨てることもありますが、上からどういった優先カードが流れてきたかで立ち位置を考えることになるでしょう。
・次点   :3~6手目程度でデッキの中軸を担わせるために取っていくカード。ただし、最序盤の1~4手目では『色のあっている次点』よりも『色のあっていない優先』を取って積極的に立ち位置をアジャストしたほうがピックがスムーズになると思われます。
・抑え   :5~9手目あたりで保留として取ることが多そうなカード。一周させるほどではないが、今後の流れによっては使わない候補となる事も多いグループ。特定のアーキタイプでのみ強いカードをこの評価にしておき、とりあえず抑えて様子を見ることもしばしばありそう。
・見送り  :原則として積極的には取らないカード。色があっているほかのカードがあればそちらを優先するだろうというカード。最終的にデッキから押しくも抜けるレベルから絶対に使わないだろうカードまで混在しているが、『1週目では取ることがほぼなく、他に取るものが何もない』といった状況で取るだろうという共通点で評価をまとめています。

抑え
精神腐敗(3マナ2枚ハンデス)の亜種シリーズですね。今回は赤黒になったことでそのアーキタイプ特徴である『攻撃性』を強く引き継ぐ結果になりました。
赤黒でデッキを組めたのであれば1枚以上採用してもいいカードかなと思っています。相手のライフを詰める手段が今回の赤は必要になりやすく、終盤での優位を保てるカードだからですね。シンプルにカード1枚で3点+αが強いという発想です。
赤黒以外の黒いデッキは概ねコントロール側に回りますが、そのようなデッキでもただの2枚ハンデスは悪くはないです。今回は終盤から強くなりそうなアーキタイプがそこそこあるからですね。青黒とかでは特に採用の価値があります。
とはいえアーキタイプの完成に貢献するカードではなく、赤黒であってもまずはほかの手段から順にデッキに入れたいので抑えでいいと判断しました。1枚あると微調整にはなりますね。



優先
これもかなり赤黒の攻撃性を現したカードですね。自身は3/2/3威迫と、コモンと同程度かそれ以下のちょっと寂しい性能です。それでも威迫ってだけでそこそこ強いですね。
キッカーがやはり注目です。3マナ以下の蘇生+アタックが1度できるということで大体2~3点ダメージ分が追加される感じですね。そして黒にはこの手段で蘇生してうれしいコモンクリーチャーがとりあえず2枚(ファイレクシアの憤怒鬼、跳ね散らすゴブリン)がいます。1枚分以上のアドバンテージ回復につながりやすいですね。それ以外にもケルドの奇襲隊によって自身にもヘイストを付ける動きなどがあります。めちゃつよですね。赤黒としての完成度が上がれば上がるほど価値が高まる、専門性が高いカードなので優先でとって狙っていいかなーと思いました。


抑え
これも黒のクリーチャー保護&強化シリーズですが、2マナと重い代わりに付与される能力は強力となっています。一般的には相手のクリーチャーと接触時に打たれるカードだと思うので接死はかなり強力です。
黒はクリーチャーをとりあえず出すことがスタート地点になる戦略に携わっており、打つチャンスは多く思います。ファイレクシアの憤怒鬼などですね。コンボといっていい組み合わせでしょう。
他にも、赤黒でトランプルと組み合わせてダメージの貫通や、威迫との組み合わせなどもあります。総じてクリーチャーをメインとした黒いデッキなら使いやすそうですが、黒の戦略の半分くらいはそうならない可能性もあること、代替カードもそこそこあることからピックする順手としては高くする必要がないと判断しました。


抑え
マナに起動がかかりますが1:1交換がほぼ確実にとれる疑似除去のようなカードです。クリーチャーが死亡しながら戦いたい黒向けのカードですね。
コントロールのようなデッキでも、先に出しておける除去なので中盤以降のマナの使い方に自由度が効いて使いやすい1枚です。
受動的すぎるカードなのでデッキに複数枚は欲しくないという部分の評価で抑えです。これが入ることによってブラッシュアップされるアーキタイプもないですしね。


次点
高めのサイズを持つ壁ですね。このアーキタイプはすべて翼套の司祭が取れるかどうかのみで参入するものだと思っています。そのため他の壁はそのあと取るべきなため評価を低くつけようと思っています。
しかしこの壁だけは単体でも十分な性能じゃないかと思いました。2Tに着地するとその後数ターン相手のアタックをちゃんとけん制してくれること、防衛デッキ以外でも場合によっては削りでフィニッシャーになれて単体採用できることが理由です。ピックしやすいということですね。次点のちょっと低めくらいの感触です。


次点
追加コストを要求する除去ですが、1マナである部分が今回使いやすいこと、そして犠牲にしやすいクリーチャーが黒に多いことから評価をやや高めています。
特に黒白で使った場合の強さが高く、そちらに色が決まった後であれば何枚でも取っていいレベルかもしれません。黒緑でもアーボーグの奪還があることを踏まえて採用しやすいですね。
黒の他の除去がやや重いか、範囲がやや狭く、殴るタイプの黒いデッキでやや使いづらさがあります。そのため結果的にどのような黒いデッキでも1枚は入るカードになるんじゃないでしょうか?


ノータイム
過去にスタンダードでよく使われていたロックカードであるブレイズが復活しました。その性能はちょうど逆のようになっていて、ロック目当てではなく相手のライフを削ることが得意な性能になってます。
自分が何か生け贄にさせることで相手に被害を押し付けますが、基本的には生贄にできずライフを失わせてドローする結果になるでしょう。黒という色が得意とする『死』のテーマに完全に合致しており、ただ強いだけでなく色のアーキタイプに合致しており理想のレアといえます。そのためノータイムとしました。白黒だと最強になりますが、関係なく強いですね。


次点
黒の得意なことを3回に分けてやってくれる英雄譚です。
1章は生贄によるハンデスですね。分が悪い1:1交換でありあんまり使いたくないです。跳ね散らすゴブリンで相手のクリーチャーを除去れるときだったり、トークンのような元手が少ないクリーチャーを生贄に捧げるなどをしたいですね。マナがかかったクリーチャーを生贄にして、相手がマナを払わずに手札を捨てるのは効率が悪いからです。
回収は3マナはちょっと重いので他の効果と抱き合わせを意識して使いたいですね。1章から入れば、次のターンマナが起きているので回収したカードを即座に使えるのはいい点です。
3章はブレイズの効果を1度相手に与えますね。パーマネントなら何でも生け贄にできるとはいえトークンは範囲外であるため、とりあえず1枚分のアドバンテージはとれそうです。
トータルで1.5枚分くらいの得を生んでくれるカードですが、章それぞれの効果がやや小さくじんわりとしたカードになってしまうので意外と使いづらいカードであるとしました。いまいちピンと来てないんで次点で保留しています。


次点
強めの追加効果付きの全体除去ですね。3マナまででタフネス3であるクリーチャーは少なく、なかなかの処理範囲が見込めます。単体でも受けることを想定したデッキなら強く使えそうなカードですね。
キッカー効果まで使えるとさらに強力です。自身の2/2が生き残って、相手側の生き残りと相打ちできるようになりえるからですね。事実上の範囲拡大ですし、攻めるきっかけにも十分なります。
強いのですがかなり黒緑、あるいは青黒向けのカードであり初手でとるにはちょっとピックの幅が狭まり良くないと判断しました。


ノータイム
過去のエピソードを描いた英雄譚であり、レイトゲーム向けの強力な3つの効果を携えています。
1章のハンデスは1番地味ですが、ここから後半戦を始めるという効果としては十分ですね。特に相手の手札を見て脅威を抜く+残った脅威に対してはサーチで対応という動きが非常に安定します。特に急ぎがなければ1章から始めたいですね。
2章はライフを伴うサーチです。普段であればただのサーチはデッキに入りづらいですが、このカードのように何かのおまけでついていると非常に強力ですね。また、1章からスタートすればサーチしたターンにマナがあるため即座にカードが使え、サーチ特有の遅さが打ち消されます。
3章は蘇生効果であり、相手からも釣れるのが特徴ですね。1章のハンデス、あるいは2章で除去を持ってくれば相手の最も強いクリーチャーをとりあえず蘇生して有利になれるでしょう。もちろん自分をサーチしてもいいですし。
1章からスタートする流れがコントロールのやりたいことにがっちりハマっており勝利につながるレベルのカードですが、ライフの支払いだけちょっと気になりますね。キッカーでライフ回復できる類のカードを併用してごまかせるとより良いと思います。


優先
黒に定期的に現れる、帰還能力を持った1マナクリーチャーです。条件が非常に緩く、『自身以外が死亡した時』と読み替えていいでしょう。黒いデッキである以上自然に満たしたい条件であるはずですし、アタッカーの追加としてもブロッカーの維持としても使いやすい能力であるためあらゆる黒いデッキに入るといえます。頭数が足りなくなるコントロール系ではちょっと地味ですが、それでもクリーチャーでの相打ち要員はほかにもいますし1回でも帰ってきたらコントロール的には文句がないため入るでしょう。囈語のバリケードとのプチコンボもあります。
タップインであることと、起動はインスタントタイミングでできることは覚えておきましょう。相手ターン中の死亡や生贄からつながりますね。
初手に近い位置で取って他の黒いカードを待って方向性を決めるのを待っていいカードだと思います。もっとアーキタイプがかっちり決まるカードの方が最初はとりたいので、優先の中では低めかな。黒がメインにならないとやや使いづらいので白から入った場合などもちょっと低めかも。


優先
かなりきわどい除去ですね。範囲が広いようで狭い除去です。
大体3マナまでのクリーチャーは除去することができ、その意味では範囲がおおむね広いといえます。ただし、マイナス修正以上にカウンターの設置やコンバットトリックなどに弱く不安定であるともいえます。
1マナであるということが最大のメリットであり、であるがゆえにゲーム中のどこのタイミングでも無理なく構えて打ちやすいカードです。構えすぎると弱くなるということを念頭に入れてダブルアクションでテンポが取れそうなタイミングなどでは優先的に打ってしまうことを意識してもいいかもしれません。
その不安定さゆえに、光の消滅やアーボーグの貢納などより下の順位の可能性ももちろんあります。軽さから赤黒などで採用しやすい部分もありますが、優先と言い切るにはちょっと足りない可能性もあります。


ノータイム
穢すものサイクルの中では本体性能は扱いやすく、能力のほうは見た目はやや地味という感じですね。
とりあえず4/4威迫は攻めに扱いやすく、何はなくとも使いやすいカードですね。黒の優秀な除去で威迫をサポートしやすい点もあり、サイズ感のいい威迫は強いといって差し支えないです。
付与されるプラス修正は効果量は小さいですね。特に自身に使うしかない場面では際立ってしまいそうです。一方で他にクリーチャーがおり、威迫を増やして殴れる場面では一気に相手のライフを削れますね。例によってファイレクシアの憤怒鬼やアーボーグの奪還などにより中盤以降であっても手数を増やしやすく、その点でサイクル中で最も使いやすいといえるでしょう。
ノータイムとしたのはアンコモンレベルでこれに勝てるカードはおそらくなく、黒の色の方向性に合うレアなためですね。黒はアンコモン以下からスタートする場合方向性が決まりづらいものが多く、こういうレアの評価を相対的に上げています。



優先
版図を持つ全体除去です。範囲がやや安定しませんが、いざ版図が揃った際の影響力が非常に大きく、これのために版図を増やすべきカードです。
版図3=マイナス4修正でも十分に影響が大きいです。軽減サイクル以外のほとんどのクリーチャーを処理できる数字ですね。2色のコントロールデッキが2色土地だけ(他の色のカードは無し)という状態で使って簡単に達成できる数字ですね。
版図4以上になれば耐えれるクリーチャーはかなり限られます。その特性上緑系の版図デッキで使うと相乗効果が大きいため(序盤攻められていやすいため)、これを初手で取った場合の第一候補は緑系版図になりそうです。



抑え
ニューカペナの黒の新入りを思い出す、ゲーム後半でカードを増やしてくれる相打ち要員です。
とりあえず切削部分は評価に入れていません。これはもうそういう方針ですね。黒は墓地にカードがあってほしい時と戦場を経由してほしい時がないまぜになっているためです。
サイズ感は悪くなく、ほとんどのクリーチャー相打ちできます。してしまうともいえますが。このカードだけで攻めや守りを任せきるには心細いため他の黒のクリーチャー陣と合わせて消耗戦を強いるのが本筋になるでしょう。
その流れの後半でカードを1枚増やすことができる能力はありがたく思います。5マナと重いのがネックですがインスタント起動もできますし、回収したいタイミングは手札が枯れているときが多いためそこまで重さも気にならないでしょう。
こればかりデッキに入れても前述した通り盤面が弱くなってしまったり、そもそも基本的にはファイレクシアの憤怒鬼のほうがいいためピックとしての評価は抑えにしました。デッキには1枚入れたいですね。


ノータイム
過去に何個か出てきた進化していくクリーチャーですね。黒単色で運用できつつ、シンボル自体が軽いようになったことが最大の特徴です。
基本的にどのように使っても強いと思います。出した時点、及び1度進化しただけだと弱いですが2回目の進化をするとトータル4マナで3/3+接死と十分なスペックになります。その後はもうボーナスタイムですね。進化に対応して除去を打たれてもカード自体は引けるため、他にアクションがない時などに積極的に起動していきたいです。
序盤の弱さも、設置と起動がそれぞれ軽いことで十分補えていますね。ダブルアクションを取りやすく、いつ引いても無駄になりづらいと思います。
扱いやすさを高く評価してのノータイムです。実際には黒がメインになる必要があるのでタッチカラーなどだと扱いづらいのは注意でしょう。


優先
今回の確定除去であり、強さは十分といった感じですね。
インスタント4マナ+確定除去は最近の水準では強い方といえると思います。
殺害より1マナ重くなっている点が下位互換に見えますがそこをライフ獲得でごまかすことができますね。除去が重いことの欠点が影響するのは、それより軽いクリーチャーに打った時のテンポロスです。そのためそのシチュエーションでライフ獲得ができテンポ損を補うことができるのは特に受けデッキの際に影響があるでしょう。
獲得量は3点と大きめなのはかなり意識が必要ですね。従来の『相手が除去1枚だけならリーサル』のような場面がたやすくひっくり返ります。また、もし自分の場にマナコスト3以下が無いようであれば、追加で出すことを躊躇するべきという状況もあります。相手の手札のマナを見て常に念頭に置いておきたいカードです。


抑え
壁にしてはやたら優秀なカードですね。
とにかくまずサイズ感が偉いです。2/4というサイズは同程度~以下のマナコストのクリーチャーを止めれ、突破にもカードかテンポの喪失を強く要求します。赤黒以外の黒は環境の中では遅いほうのデッキに属するため重要といえますね。
ドロー能力も起動コストがやや重い代わりにライフゲインがついてくる+自身を生贄に出来ると、利便性が高めになってます。特に自身を生贄に出来るのが重要でカードとして邪魔になりづらくなっていますね。
防衛デッキでなくても1枚程度運用したいしできるカードであり、抑え位出やすく回収してデッキの持久力を上げたいです。


優先
白と対になる騎士であり、あちらと違ってライフ回復を阻害する能力と畏怖を持っています。
パンプ能力との組み合わせは先制の方が上位互換のように見えなくもないですね。相手のクリーチャーが2体未満であれば本体ダメージを狙えるこちらの方が上といえますが。とはいえ弱い組み合わせではなく相手に対処を強要しやすいです。
ライフ回復の阻害は狙って効果を発揮させることはやや難しいです。ですが、今回はコントロール系のデッキ何らかのおまけでライフ回復する手段を持っていることがありえます。それらを阻害しておけるのは攻めたいこのカードにとって恩恵といえるでしょう。
攻めるデッキで採用したい1枚です。




優先
再録された強力なプレインズウォーカーですね。「ヴェール」はもう所持していないものの、それとの因縁がまだ切れていないという状態を表したカードのようです。
構築では既に存在感を発揮しており、リミテッドでも強いと思います。ただし最強というわけではない、一歩引いた立ち位置でしょう。
能力がリミテッドのPWっぽくないのが理由ですね。忠誠度が低くやや対処がされやすいこと、結局プラスで自分のみが有利になることがないことなどが理由です。これ1枚で勝つカード捉えるよりはマイナス2回、プラス1回で相手と3:3交換を強要するカードのように見えます。黒であればそれで十分有利な場になっているでしょう。
もちろん、完全に互角の場であればプラス連打からマイナスを狙ってもいいです。土地とそれ以外、みたいな雑な分け方をするだけでリミテッドだったら勝っちゃうことがけっこうありますからね。
黒を目指す価値はあるが過信はできない、程度の評価に落ち着かせました。


抑え
かなりグロテスクな見た目の黒のファッティ候補です。
まず何よりの問題点はサイズの安定しなさですね。今回はコントロールであってもキッカー系のカードを多用することによってデッキの平均マナ総量が下がりがちです。通常の運用では4/4が限界であることが殆どかもしれません。折角の切削も、そのような期待値では使う気にほとんどならないですね。
狙うべきはやはりコモンの軽減サイクルでしょう。黒、青、緑あたりはそれぞれのデッキで自然に複数採用しやすく、また出した後にもゲームがしばらく続く戦術になりやすいためこのカードを後から出す余裕もあります。それらが複数枚とれている/取れそうというときに追加で取って入れる形になるのかな?黒単色のカードとしてみての評価です。
なお、墓地に何もない時にキッカーで出しても、切削前に死んでしまうので注意しましょう。


優先
20年以上前に初出となるカードの再録ですね。昭和っぽい雰囲気のカードですが、その強さは令和の今でも十分通じるカードだと思います。
とりあえず3/2/2は、ある程度相打ち取れるカードですね。通常であれば3マナで格下と相打ちを取ってしまうとただ損をすることになるのですが黒という色は死が利益になる色なので割と注文通りでしょう。
そしてそこに1ドローがついてくるので、死を活かしたゲーム中盤の展開によりつなげやすいですね。これ自体を骨の粉砕のコストにすることや、回収してドローを進めることなどもできます。そのままアタックに続けて後続につなげても良いので、あらゆる黒いデッキで理想の三ターン目の動きになるといえます。入らないケースが思いつかないほどのカードであり、黒をやるのであればだれでも取るでしょう。そのため下手をすると除去よりも強く、文句なしの優先です。


抑え
2/2/2の平方スタッツに加えて条件が緩い占術を持っています。
自身が死亡しても誘発するので無駄になることがほぼなく、癖がなく使いやすいカードです。特に白黒だと使いやすいカードなのは事実ではありますが、別に赤黒で後続を探すためにも、コントロールでとりあえず後続を探せる相打ち要員として使うにも手ごろです。ファイレクシアの憤怒鬼と比べると1マナ軽いので隙を埋めやすいです。
使いやすいですが黒の低マナ域は戦闘ハエやゴブリンもいて穴自体は埋めやすいんでこのカード自体の優先順位は低いかなと思いました。


次点
白と黒の交差点となるカードです。生贄によるサイズアップに加えて自身でトークンを用意してくれるのは気が利いていますね。
元々のサイズがそこまで悪くないため白がないデッキでも悪くないカードに思います。黒自体に生贄要員が多いからですね。1回生け贄でタフネス④のラインに到達すると相手も何か手を加えない限り落としにくいのでにらみ合いのようになっているときの突破力になりますね。場合によっては回避能力を持つ後援持ちにフルパンプしたこれのパワーを乗せて勝つこともあります。小テクですね。


抑え
やっていることは強いんですがじゃぁこのカードが必要なのか?という感じのハンデスですね。
自分のアドバンテージを進めるカードの方が黒は多く、それらを使うほうがデッキの軸に沿う為ピックがしやすいですね。長期戦を視野に入れるデッキはアドバンテージ回復するカードがどれも多く入りがちで、これを打ったところでどうなのかみたいなところをちょっと感じたためです。でもさすがに使いそう、という気持ちのせめぎあいで抑えです。長期的なコントロールを組むと決まった段階になったら拾いそうですね。


次点
カードイラスト自体はずっと前から公開されていた『鴉の男』がついにカード化されました。そのイラスト使うんだってびっくりしましたね。
効果としては自身で完結しています。手札を捨てさせる能力と、それに連動したトークン生成ですね。
強い組み合わせなのですが、トークンがブロックに参加できないことがかなり気になります。相手が長期的なデッキなら問題ないのですが、攻めてくるデッキ相手では起動の隙を埋めることができずかなり不利なカードになる気がします。
とはいえコントロール合戦では強力なカードに見えます。他のハンデスカードも一応ありますしね。これ1枚でゲームに勝てるほどかはわかりませんが、相手に除去を強要する力はある、ということで次点としました。活躍の幅が狭いため優先ではないですね。


優先
めちゃくちゃ軽い条件で巨大化していく黒のファッティフライヤーですね。
毎ターン1回しか誘発しないとはいえ自分と相手のターンどちらでも、コントローラーもどちらでもよく成長していくため更地にこれしかいないというような状況でさえなければ攻めるデッキ受けるデッキどちらでもフィニッシャーにふさわしいサイズになれるでしょう。
ただし、出した瞬間がいなずまの一撃範囲内であり多少以上に心もとないです。そこを危険視するなら次点くらいの評価でもおかしくないですね。個人的には好きなタイプのフィニッシャーと判断し、優先に留めました。



次点
黒のライフ支払いドローの一種ですが、その中でも今回は特に使いやすいですね。インスタントであること、そして3マナであることが主な理由です。
よほどのことがない限り版図カウントは2はあるはずであり、3マナ2ドローがインスタントになった代わりにライフ2点が必要になったのは妥当な引き換えに思います。
各種コモンランドで版図が伸びるとめきめきと強くなりもしますね。カウント4とかあったら4マナ5マナ相当のカードであるためかなり優秀なドローといえます。
ただし今回はアドバンテージ獲得手段は多く、ドローに限ってもファイレクシア流諜報術というライバルもいます。最終的にデッキに入るドローの量は限りがあると思うのでうまく取捨選択したいですね。ライフルーズが痛くなりがちなこのカードの優先順位はちょっと下がるかもなーって感じです。


次点
ロードサイクルの一員であり、とりあえず2/2がある側なのでデッキには採用しやすいです。しかし肝心のクレリックは黒にはほぼいないですね。白には多少はいるため、基本的には白黒のカードと思ってよさそうです。ベナリアの信仰繋ぎなどはロードの恩恵を受けると強さが分かりやすく上がりますね。
起動型能力の方は、他のレアやそれに並ぶアンコモンがとれていたら使いたいですね。今回はあまりシンプルな大型のクリーチャーが少ないためです。とはいえインスタント起動ができ、ブロックに回したクレリックを生贄にしてそこそこのクリーチャーに変えるだけでも強いでしょう。白黒で組めたら強そうですが、これで目指すカードでは無いでしょう。次点くらいでいいと思います。白黒にすでに行けているときに取るカードですね。


ノータイム
法務官メガサイクルの1枚ですね。リミテッドにおいてはかなり強烈なカードだと思います。
まず4/4/5接死が強いですね。マナコストを超えているサイズなので優秀であることに加えて、接死を持つことによってコンバットトリックなどを打たれても損をしづらくなっています。安心して運用できる要素です。
そしてライフの増減能力は、このカードを突破する方法がなく戦線が硬直しやすいリミテッドで破壊的な影響をライフレースにもたらしてくれます。毎ターン2点減るだけでも結構死が近いですし、キャントリップとかで勝手にライフが減ってくれることもあるためですね。
能力と効果がかみ合っており完成度が高く、除去に失敗したらゲームが終わるレベルのカードです。


見送り
基本的に使いたくなさすぎるカードですね。
4マナで打つのは論外レベルに弱く感じます。マナコストが低いカードはわざわざこれで蘇生する価値が薄く、高いカードはライフの損失が取り返しがつかなくなりそうです。
そしてキッカーすると一見強そうなのですが、素で打ちたくない以上7マナのカードだとして評価する必要があり、だとするとちょっと弱いカードだと思います。他にもクリーチャー再利用手段は環境にちりばめられており、特にアーボーグの奪還に全体的に使いやすさで負けているように見えてしまうのが悪印象がひどいです。取らないカードだと判断しました。


次点
黒の扱いやすい”死亡”要員ですね。以前にも類型のクリーチャーはいましたが自身のパワーが2になっていることによって能力の利便性が引き立っているのがポイントです。
合計タフネス3点分まで相打ちに持ち込める、場合によっては1:2交換もとれるというのは2マナのクリーチャーにしては破格の仕事量でしょう。攻撃の際にごり押すにも、ブロックを試みるも、生贄カードのコストにするも自在です。このカード自身の軽さが様々な組み合わせの幅を広げていますね。
強さとピックしやすさでいうと優先級も考えたレベルのカードですが、このカードを取れたから黒をやるというカードでは無いことが気になっての次点です。黒をやると決めたら2枚くらいまではスムーズにとりますね。どんなデッキでも使えると思います。


優先
自信がちょっと持てませんがとりあえずドローと書いてあるので評価しました。白黒、あるいは赤黒で使うことを想定しています。そのどちらのデッキでも攻撃し続けるゲームプランを持つデッキなので、カード補充ができることはありがたいですね。
ライフの喪失は結構痛いように思います。大体デッキの平均マナコストは2~3になりがちで、1枚ドローにつきそれだけ払うのはちょっと痛いですね。それでも基本的には自分が攻める側に立てているときであればライフは払いやすく、攻めを継続できるため問題ないと判断しました。これが2マナと軽いためテンポを乱しにくく、なおかつ置いたターンにすぐひけるのが頼もしいですね。
キッカーでのライフゲインはできたらラッキーですが、緑黒のようなデッキで使うと攻撃回数に見合わない量のライフを持っていかれるため非推奨です。これのために白黒が緑マナを追加するほどでもないですね。その程度の回復量です。
攻めるデッキを目指すきっかけには十分なると判断しての優先です。


見送り
消して弱いカードでは無いと思うのですが、なくてもなにも困らないカード=能動的にとらないカードだと判断しました。デッキ採用率はすごく低くなりそうです。
その理由はシンプルで、色の戦略性にマッチしづらいからですね。唯一赤黒はフライヤー+パンプという属性が攻撃性がありますが、他のへリオンや後援といったカードと相性が悪くデッキ全体の完成度を下げる結果になることの方が多そうです。そもそも黒はファイレクシアの憤怒鬼が3T目のベストムーブであり、3T目に2/2という弱めのクリーチャーを置く以上4T目には高めのサイズを持つクリーチャーを出して盤面を押し返したいです。素のサイズが小さいこれでは出しづらくてしょうがないですね。
トータルでやはり悪いところばかりが目立ってしまいます。


見送り
かなりぴんと来ないカードです。
まずブロッカーとしては不適だと思います。格上と相打ちできる可能性がある一方で、格下とも相打ちしてしまうタフネスです。そしてその要素はライフを2点失うデメリットによって際立ちますね。格下を無視し続けることがしづらくなってしまうためです。
攻める赤黒デッキにおいては後援の餌に使いやすかったりとしまいますが、その程度ですね。極度に前のめりで本体にダメージを与える手段が多いデッキアーキタイプが推奨されるようならチャンスはありますが、このカードがなくても別に成立するデッキタイプですね。
コントロール系のデッキでどうしても疑似除去(相打ち要員)が欲しいのであれば一考に値するかもしれませんが基本はとらないカードだと思います。


次点
黒の小回りの利く除去ですね。
マイナス2という効果量は3マナくらいまでのクリーチャーは安心して除去できます。稲妻の一撃の下位互換になりがちですが結構扱いやすいですね。
そしてキッカーがこのカードの本領です。青黒という色も相まって基本的には確定除去と変わらない効果になるでしょう。大体4もあれば十分なためですね。光の消滅と比べると条件さえあるものの、序盤からマイナス2で打て、結局3点分の回復になるケースなどもあり、適したデッキであればこちらの方が強い可能性すらあります。このカードを多くとればとるほどこのカードの強さも磨きがかかっていくため青黒嗜好であれば優先級で取っても構わないとすら思うカードです。青黒じゃなくても1枚程度は十分入りますしね最終的に。


次点
今回の回収枠はずいぶん優秀に見えます。
筆者はもともと回収系のカードが好きなのですが、色眼鏡がかからないように厳しく見ても、使いやすいカードといえます。
まずキッカーしないときですが、回収+2点回復は実は1マナのカードとして十分強いですね。黒には再利用したいクリーチャーが多めであり腐りづらいですね。回収したカードが重いカードだった場合でもライフ回復で粘れて遅いゲームレンジに持ち込めるのが好印象です。
そしてキッカーはその特徴がさらに際立ちますね。3マナ払った分をライフ回復でごまかし、あるいは片方を軽いクリーチャーにして隙を埋めつつトータルのカードアドバンテージでリードできるようになります。これのために緑の2色ランドを入れておくべきですし、例えば青黒のようなデッキはこれたす縮小術士のコンボを狙って早めに青黒/緑黒の土地を取ってもいいレベルだと思います。ロングレンジのデッキを組めるかどうかの判断に影響するカードであり、1枚抑えておくことでデッキの幅が広がるため早めに抑えておきたいと思いました。とはいえクリーチャー陣やアーキタイプ用カードの方が先ではありますが。


次点
ちょっと黒は次点が多すぎる気もしますが、逆に優先級に届かないカードが多いためであり、このカードもその1枚ですね。
黒のアーキタイプを決定づけるカードではありますが、初手でとるほどでは全くありませんし、4手目とかでも取りません。でもどのような黒いデッキ
の完成形でも1枚は入っていると引き締まるといったようなカードです。
軽減条件がかなり普遍的なものであり、自然と満たしやすく5マナくらいでの運用が安定するためですね。ファッティの接死は無駄になりやすいですが、今回はコンバットトリックがまぁまぁ多いためそれらのけん制になるため印象は悪くありません。
やはり最終的に2枚程度はあってもよく、次点くらいかなぁとなりました。抑えは超えているはずです。



以上で、黒パートは終わりとなります。結構漫然とした評価になりがちなのが黒という色のアーキタイプのふわふわさを出してしまったかな、と思います。


最後になりますが二つ宣伝です。

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もしよければどなたでもお気軽に来ていただいて一緒に活動やご意見いただければMTGAのドラフトを楽しみやすいと思います。この記事を読んでいただいたことをきっかけにドラフトを始めてみたいという方もぜひ!

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また、筆者は非公認MTGA大会『まじ☆すと』というものを運営しております。Vtuber/配信者/動画投稿者/記事執筆者/etcと、インターネット上でMTGAの活動をされている方を広く集めた大会になります。ぜひこちらも公式アカウントから気に留めていただけると幸いです。直近では9/4~7で「まじすとビルダーズSP」というイベントを行いました。是非公式アカウントからアーカイブなどご覧ください!


また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。是非よろしくお願いします!


では、次は赤編でお会いしましょう




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