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『団結のドミナリア』のカード評価でかーむさんとバトルしてみた

みなさんこんばんは、ぞんびです。

今回は普段のリミテッド大考察記事シリーズの延長にして毛色が違う特別企画をお届けすることになりました。
『団結のドミナリアのカード評価でかーむさん/ぞんびさんとバトルしてみた』です!!!

少し説明をしましょう。「かーむ」さんとは、筆者と同じくインターネット上でのMTGA活動者の一人になります。プレミアイベントへの参加やインターネットメディアへの記事の投稿などここ数年活動を続けています。筆者の以前からの知人であり、共にマジックを好きという気持ちが共鳴し、それをよりのびやかに響かせるため交流をし合い、筆者の知識を教え、共に育んだ仲です(時には朝5時までミシックチャレンジつきっ切りでつき合わされたり(怒))。


以前から「マジックは構築のほうが分かりやすく、リミテッドは楽しさがよぅわからん」とおっしゃっていて、すべてのマジックのフォーマットを愛する筆者としてはややもの悲しさを感じていました。が、なんとここ数か月でリミテッドに向き合った結果「だんだん楽しさが分かってきた」とはまり込みついには記事やまとめを書くまでになってきていました。
ならば!このチャンスを逃すわけにはいかない!と思ったわけです。そう、リミテに新しく目覚めた人の視点をもらい自分がより理解を深めるチャンス。リミテッドの楽しさとは何か紹介するチャンス。そして先人としてリミテッドマッスルで「わからせ」るチャンスですね。


というわけで今回は、かーむさんと同時に記事を書くというコラボ企画をさせていただくことになりました。
互いに『団結のドミナリア(以下DMU)』のカードリストのうち、リミテッド目線で様々なランキングを作り、更にお互いの記事にお邪魔してそのランキングにコメント/批評を残す、という企画ですね。
お互いどのような考えでカードを選んだか、あるいは選ばなかったかというものを見せることでリミテッドで考えることの楽しさの道を複数示すことができたり、マジック界隈だとあまり他のプレイヤーの評価を批評する発表をしている企画がないなと思ったのが企画の狙いとなります。それを建前にお互いバトルしようぜ!と企画会議で5分で盛り上がったのもあります。

是非読者の皆さんにはお互いがカードを選ぶ基準やそこに至るまでの考えを楽しんでいただいたり、どちらかを応援する目線で読んでみてもらえると企画として本望ですね。もちろん、この記事を最初に読んだ皆さんはどちらを応援するべきかわかってると、信頼してます。

かーむさん側の記事はこちら!!!ぜひぞんび側の記事が読み終わってから見に行ってみてね!
【コラボ記事】新セットの『団結のドミナリア』のカード評価でぞんびさんとバトルしてみた【カードレビュー】|かーむブログ (calm-blog.com)


では早速ランキングを発表していきましょう。今回取りそろえたものはこちらとなります。互いにランキングを作ったものと、一方のみが作ったものに分かれていますね!

なお、あらかじめドミナリアの団結の、全体観についての記事を書かせていただいています。今回の記事で参照する部分も多いので、余力があるときにでもぜひこちらも併せてご一読ください。
【ドラフト】『ドミナリアの団結(序文)大考察』|Zombie|note




1:各色トップコモンランキング

まずはリミテッドといえばこれですね。各5色の中でNo1のコモンをお互いに1枚ずつ×5色発表していきます。Best3形式ではないのは、よりカードを選ぶ基準を浮き彫りにするためです。
筆者の方ではこのNo1というのは何を基準にするべきかをまず考えました。一般的には『強い』カードといえますが、ではリミテッドにおける強さとは何でしょうか。いざ考えてみるといろいろあります。2マナの確定除去?強いですね。3マナでパワー3あるフライヤー?最強。出るだけでカードアドバンテージが確約され平均スタッツも持つカード?取ります。でもそれらをいざ同じ定規で比較してNo1を決めることは難しく感じます。
そう考えていった先で、一つ今回は基準を決めました。筆者の書いている『リミテッド大考察』記事シリーズでも常に意識している基準をやはりここは持ち込むことにしました。『その色を目指したピックをする際に取りやすいカード』です。
ここでいう取りやすいとは、”よく流れてきて取ることが簡単である”、ではなく自分都合での取りやすさですね。”その色のシナジーの起点に常になる”とか、”その色をやる際に最終的にどのような形になっても確実に入るしほしくなるカード”、のようなピックとして無駄になりづらく同時にデッキの強さを確実に上げてくれるようなカードです。特に今回は1色ごとにアーキタイプ戦術が割り振られている形式になっているため、その戦術においての重要度をかなり重要視しました。かーむさんにはこの目線はないだろうなぁ!
掘り下げましょう。近年のマジックデザインの影響により、とある考えを筆者は持つようになりました。それは、「シンプルな単体除去を神聖化してはいけない」というものですね。以前のマジックは1セット内のカード枚数の関係などもありカードの強さがセット内でもまばらであることが多かったです。そしてリミテッドにおいても弱いクリーチャー強いクリーチャーが混在しなくてはいけなかったことがありました。そのため、相手の強いクリーチャーを1回除去するとしばらく相手を抑えることができ、またそれらが出てくるまでゲームがおとなし目になるので除去を温存しておくことも簡単でした。しかし近年はカード全体の強さが上がり以前よりも弱いカードがデッキに入るケースが減りました。1体除去をすればいいということはなく、また本当に強い1体が出てくるまでずっと除去を温存しておくということもしづらくなりました。除去とは本質的に「除去ったカードと同じ強さ」になるカードであり、相対的に低めの強さのカードに打たされるケースが増えているんじゃないかといえますね。それよりは自分の動きを強化する、展開するカードのうち特に強い/重要なものの評価を高め、自分側の強さを上げるほうがいいと、ここ数年は思っています。
では前置きはここまでにして、各色を実際に見ていきましょう。


【かーむコメント】
評価基準に「自分視点で、特定の方向性を持ってピックしているときに取りやすい」があるのは同意。
自分の記事でも書いたけど、今回2色の組み合わせにアーキタイプが薄いと感じていたが、
今回1色ごとにアーキタイプ(テーマ)があるとこまでは感じ取れてなかったな~
記事書き終えてから教えてもらったけど、「デザイン演説」なるものがあることもはじめて知った。アド。


・白

『隊長の号令』

あらゆる白の土台

前置きしたものがすべてここに集約されています。除去として強力である市民の拘束ではなく、これを選んだという部分ですね。
まさに「白側の強さに必要なカード」としてこのカードを選びました。白は横並びがテーマです。そしてかなりの数のカードがクリーチャーを出す、増やすことを要求しています。白の記事を書こうと思ってカードリストを見ると、びっくりするくらいの回数『隊長の号令があると強い』って書きそうになる自分がいました。過去にもなかなかない依存度に思います。都合のいいことにソーサリーであるため青と組み合わせた場合のシナジーも期待できます。ビートダウンとして使うにもコントロール側のブロッカーとしても使い道があるためおおよそ白が絡んでいればこのカードを使わないことはなく、またこのカードを取っておくことによってその後あらゆる白のカードを取ることが格段に楽になれると思いました。そのような理由でのNo1ですね。
他のカードは、いくらなんでも強い『市民の拘束』、同じく並べるためのカードであり軽いがソーサリーではない『アルガイヴの騎兵』、環境随一のパンチ力を期待できる『庇護のグリフィン』などが候補でした。まぁ安直に市民の拘束を選ぶようでは記事にふさわしくないかなとね!

【かーむコメント】
そうきたか。
確かに言われて見ると、白単体で見たときにも横並びに大きく寄与するし、スペルであることで青とも噛む。なかなかやるやないか。
《市民の拘束》選んだらボコボコにされてた。危ない。
ちなみに僕は《アルガイヴの騎兵》を選びました。


・青

『トレイリアの噴出』

キッカーしなくてもカードが引ける

青も、より分かりやすく目を引くのはタラスの見張りだと思いましたが、白と同じ理由でこちらを上位としました。呪文を必要とする青の戦術において最も扱いやすい呪文だからですね。大抵は相手よりも遅れやすい青にとってバウンスによるテンポの獲得+ドローまでできるのはかなり頼もしいです。また、青のフィニッシャーとして頼りになりそうなトレイリアの恐怖につなげるためのカードとしても抜群ですね。ただ時間稼ぎをしているだけのようで、実際はインスタントソーサリーを使う(墓地に落とす)がメリットである以上、こちらが有利な時間を過ごすことができているので青のすべての戦術において必須レベルのカードだと判断しました。タラスの見張りは確かに相当強いカードなのですが、『青のやりたい試合の流れ』を円滑にすることはできないなという判断です。キッカーによる回復は評価にほぼ入れずともNo1という感じですね。そこはぶれないようにしたいです。単色で十分強力です。
次点としてはやはり「タラスの見張り」に加えて、トレイリアの噴出と同じく「墓地にインスタントをためながらターンを無難に経過させる」が可能である本質の散乱がありました。打ちそびれる危険がある打消しはやはりちょっとNo1にはできなかったです。
大穴はこれも『自然に墓地に~』シリーズの「機を見た干渉」ですね。ただちょっと攻めすぎの評価かなと思って控えました。これを上位にしてる人がいたら驚愕と納得って感じです。


【かーむコメント】
これは意外。
《タラスの見張り》は自分も次点として候補に入ってたけど、《トレイリアの噴出》は自分の中では候補にも入らなかった。
解説にある『青のやりたい試合の流れ』に貢献するというのがポイントか。
ふーん。(僕の青のトップコモンは、僕の記事の方でフルボッコに合いました。)


・黒

『光の消滅』

なんだかんだ除去

かなり二週三週考えましたが、他の色の除去に対して『これじゃない除去も強いからNo1じゃない』といっている手前、確定除去で最も強そうなこれを黒のNo1にするのが筋だと思いました。ダブルシンボルであるので、欲張った3色デッキなどで使いづらいものの、攻めるにも守るにも結局必要なカードであり、『黒という色に求められている度合い』はやっぱり高いなという気持ちです。
次点候補でかーむさんと差をつけていくなら、「ファイレクシアの憤怒鬼」と「跳ね散らすゴブリン」ですね。どちらも黒という色が持つ『クリーチャーに死んでほしい』という要求を強く満たしてくれます。この辺りを持っておくと「骨の粉砕」や墓地回収なども強く使えることができ、黒という色をメインカラーにする際にピック出来る余裕がかなり生まれますね。軽減サイクルの「のたうつ分解者」が、他の色よりは意識的に条件を満たす必要があるという点からもこの2種の評価が最終的に光の消滅を逆転しても驚きはしません。


【かーむコメント】
黒のトップコモンは被ったね。
ちなみに若干好みによるところもあるけど、僕も次点に《ファイレクシアの憤怒鬼》を入れてるのでドローということにしてやろう。
耐え。(ということにしよう)


・赤

『稲妻の一撃』

強いものは強い

おそらく環境全体で最も強い(アンコを含めてすら)除去です。一見は他の2マナ3点インスタントと違いがないように思いますが今回は赤全体が『相手のライフを削り取る』方向性になっているので最後にプレイヤーに打てるこのカードは赤のデッキをより一層引き締めてくれる最高のカードであると評価しました。単体が強いだけでなく、赤という色自体を強く使うためのカードであるということですね。
次点はさすがに差がついてますね。突破力がすさまじい「連合の戦暴者」、小回りが利く「流動石の注入」、攻撃性という点では抜群の「ケルドの急襲隊」なども視野ですが、さすがにシンプルなカードパワーで水をあけられていると感じました。


【かーむコメント】
赤も被った。やはり俺たちのリミテッド力は拮抗している。
次点に差が付いている点も同じ印象。僕はそれが理由で次点のカードは割愛しました。


・緑

『蔦形成師の神童』

”神”だし

最も選定に時間がかかった色です。まず、「噛み締め」はNo1ではないと早々に見切りました。すでに述べた通り、除去が全体的に強いためですね。噛み締めは強くはありますが、それはあくまでも『緑の除去としては強い』の域を出ていないように感じます。稲妻の一撃などと比較すると見劣りすることは明白です。そして今回の緑は多色がほぼ前提になる色であり、除去が必要なら他の色から持ってくる選択肢がとりやすいです。緑という色として必要としていないと判断しました。これをもしNo1として即決してお出しするようならかーむさんは浅いと言わざるを得ません(素振り
であるならば、緑として必要としているものは何かと思った際に辿り着いたのは『クリーチャー』でした。緑は時間をかければ版図が揃ったりして自分のゲームをすることができます。しかしその前にゲームを巻き返せないほど押されることが欠点であり、裏返せば序盤押されないようにするカードが必要とされていると思いました。なので2/2/2としてまず評価しています。そして、序盤が終わり余裕ができてきたならこのカードのドロー能力は高く、緑に必要とされ直しますね。青マナが必要という点も、緑ベースのデッキをドラフトする際に、最も意識したいのは『強い青緑のカードを取り逃さないこと』だと考えました。具体的にはタトヨヴァなどです。そのため、青を足すチャンスは常に伺い続ける=青マナを必要とすることがカードの評価を下げることにつながらない、と判断しました。序盤と中盤以降で、二面性を持って緑の必要とする性能をもたらしてくれるカードだと判断しました。
次点はいくらなんでも「噛みしめ」、そして純粋にサイズと到達が優秀な「マグニゴスの歩哨」あたりですね。どちらもカードとして優秀です。
大穴は呪詛消しの亀です。全然パッとしないカードなんですが、序盤戦に焦点を当てた場合、相手の除去でテンポよく処理されないということが緑として大事なのでは?と疑いました。とはいえ、自分より低いマナ域のクリーチャーと相打ちすることが多く、持ち味を活かし切れないですね。


【かーむコメント】
これも青と同じくかなり意外。
「今回の緑は多色がほぼ前提になる色」のところは同意。
ただ、緑という色が自分のゲームを始めるまでに時間がかかること、そのために序盤には壁、中盤以降はアドバンテージが必要になることからこのカードが有用という説明には納得感がある。
僕はトップコモンの選定にあたって、実質多色になるキッカー持ちは評価を一段落としていたが、多色化前提と考えると「青マナを必要とすることがカードの評価を下げることにつながらない」の一文もうなずける。
感服いたしました。
ちなみに《噛み締め》は僕も早々にナシになったので、「かーむは浅い」の誹りは免れました。


2:アーキタイプシグナルランキング

ピックをしていく際にはやはり完成形のイメージ図を持って進むことが大事です。ですが、一般的に『うまいプレイヤー』はこのイメージ図を何個も、何パターンも持っており毎回ドラフトをするたびに変わるシチュエーションの中でその時点で最も適切と思われるイメージ図に切り替えていくわけです。
これは要素が多すぎる上に、人によって何を重く見ているかの比重は多岐に渡りますし、文字で説明するにはあまりにも細かくなりすぎます。そんな中かーむさんから『なんかアーキタイプ決めるわかりやすい基準ないの?』と提案がありました。そこで今回は『このカードが他のプレイヤーから取られず流れてくるようであれば、そのカードを重要視するアーキタイプに進んでいい』という目安になるカードランキングを作ることになりました。
もう少し説明しましょう。まず、ここでは概ね1パック目の4手目以降、ありは2パック目の3手目以降あたりをイメージしています。それより早い1パック目の1~3などでは『同じ色(アーキタイプ)だが純粋なカードパワーがそれよりも高いカード』がとられているケースも多くシグナルとしてあてになるか怪しいですが、4手目ともなれば少なくとも自分の真上のプレイヤーは意図的にそのカードを取らない選択肢をした、と考えられるためですね。2パック目が1手早い判断になっているのは、みんなももう必要ならすぐとるであろう状況になっているだろうからですね。
そして、カードとしては『1色のアーキタイプ』を重要視しています。今回は1色のアーキタイプの中で必要としている要素が色ごとに絞られていることが多く、故に多色のカードであっても実質的にはそのどちらかに属しているというカードが多いです。そのため色を決定したあとには『この1色』という意識を持った方がいいと考えています。そのあとにピックしたり、必要とするカードの選定の面でですね。おなじく、シグナルを疑う際も『2色』が空いているのか『1色』が空いているのかを疑いたいです。その点では、どうやっても多色になりがちな緑などはどうせ『緑が空いている』ということになりやすいので扱いやすいですね。
最終的にランキングとしては、扱いやすい緑のカードを軸に、『2色が空いている合図にしやすそう』なカードを選びました。1色が空いているかの見極めは難しいので撤退した形です。
また、再現性のため、評価をアンコモンに限定しています。かーむさんと相談した結果ですね。


3位:『ファイレクシアの宣教師』

ただ強い

3位はウォーミングアップということで、シンプルにもっとも強そうなアンコモンのうちの1枚を選びました。カードとしてまずとにかく強いですね。
このカードを選んだ理由としては、順当に強い基本性能+さらに強いキッカーの構図です。キッカーが使えなくても十分に強いカードであるため、「とりあえず白をやることだけ決まっている」時に取られやすいカードであると思いました。そのためこのカードが流れている=白が空いていると断言できるんじゃないかという判断です。また、白をメインにしなくても使いやすいカードであることも理由ですね。


【かーむコメント】
なるほどなるほど。これはいいカード。
本体もいい性能でキッカーでより強くなる、キッカーカードのデザインのいいところを体現した一枚ですね。
これが流れてくる=白空いてるというサインになる点も納得。


2位:『ケルドの血拳、ガルナ』

攻撃力の化身

筆者はそもそも今回赤にかなりの期待を寄せています。最強コモンにした稲妻の一撃を始めとして、多彩な攻めができるところに強さと好みを両方感じていますね。
そしてその中でもアンコモン群の中で最も攻撃力を感じたカードがこれです。赤黒の組み合わせ自体がどうなるかはまだちょっとわかりませんが、赤という色のカードとしてみるとクリーチャーでアタックをし続けるという基本路線は変わらないためこのカードの就職先は安定しています。
赤自体の人気が高く、それこそ稲妻の一撃などはこれより優先する可能性があることが難しいですが、別のポイントとして赤黒がちょっと不人気な空気を感じることがあります。赤白や赤緑に比べると攻め方がちょっとふわっとしてるかなという感じですね。そんな中「強引な妨害」には強い期待をしています。赤黒専用カードであり、また複数枚集めると一気に強くなりそうだからですね。赤は取り合うけど赤黒は空いている、みたいな状況を理想としており、それを見極めるにはいいカードだと思いました。


【かーむコメント】
赤黒に期待している点は僕も同じ。
これはぞんびさんとの音声通話で話したことですが、僕が赤黒を「生贄と死亡誘発で攻めていくサクリファイスアーキ」と見ていたのに対し、
ぞんびさんは赤黒=「攻撃していった結果、アタッカーが死亡して能力が誘発したり墓地にクリーチャーが溜まってダメージを稼いでいくアーキタイプ」と見ていました。
確かに黒にはサクリファイスカードはそこそこあるものの、赤に相手クリーチャーを奪うカードはコモンに1枚あるのみで、死亡誘発もそう多くありません。
アーキタイプを見る目としては、一歩先を行かれました。やるやん。


1位:『潮に仕えるもの、タトヨヴァ』

The・緑

1位はタトヨヴァにしました。全アンコモンの中で最強というわけではないですが、シグナルとしての資質が非常に高いととらえてのことです。
まず、事実上緑のカードであることが要素の一つ目です。戦術した通り今回の緑は多色化が前提であり、『緑を含む強いカード』であるならば2色目が何かは深く気にせずに取り合いになると判断しました。特に版図系の緑はアンコモン以上でデッキを支える形になるのでなおのことですね。つまり緑の強いカードが流れてくるなら近くのプレイヤーとは緑の取り合いになっていないということです。
そしてその緑の2色のカードの中ではこのカードが最も強いと判断しました。土地を7枚以上必要とするカードであるため機能はやや不安定であるものの、緑のサポートカードをすべてここに集約させることができます。最も緑の戦術を原始的に表現しているカードだと思いました。
単体でも最悪3/3/3で使えて取り回しがいいことが理由ですね。緑は青か黒をサブカラーとして選ぶことが多いと考えており、黒側のクリーチャー回収カードで利用しやすいため3/3/3というサイズが十分魅力的に感じます。
とにかく、このカード自体の評価を致命的に間違えており弱いということにならなければ、『緑をやっているなら取る理由がない』レベルのカードだといっていいと思います。裏返せば『このカードが流れてくるなら緑をやっているプレイヤーは近くにいない』というシグナルとして強力だということですね。似たカードとしてはウェザーシード盟約があります。ほぼ同じくらいの主張具合と考えていますが、そこはカードパワー高いと感じた方で1位としました。


【かーむコメント】
「今回の緑は多色化が前提である」という点はトップコモンに《蔦形成師の神童》を選んだことから一貫している。
また、このカードが流れてくる=他が緑多色をやっていない強いシグナルになることを評価しての選定というのも、「アーキタイプシグナルランキング」というお題に非常に沿っている。
慧眼でした。(やばい、カードを見る目バトル、ひょっとして負けてる…)


3:プレイマット映えランキング


ここからはカードの強さの部分じゃなくてその他おしゃれの部分のランキングになります。
まずは応募があったものをちょっと変えて「プレイマット映えランキング」としました。
ここ近年は情勢テーブルトップでのマジックが下火になっていましたが段々とイベントが復帰したということで、プレイの際の小物などにも気を遣う余裕が生まれてきました。そのうち最も目立ちやすいものが「プレイマット」ですね。企業個人問わず様々なものが生み出されています。
そこで、今回は独断と偏見で『団結のドミナリアのうち、プレイマットにして使いたいカード』ランキングを作ることにしました。より良いプレイはより良いセンスから生まれます。イラスト選びでセンスを磨いていこう!ということですね。ちなみにかーむさん、まさかと思うけどごちゃごちゃしててカードが見づらくなるもの選んだりしてないよね???


3位:『アダーカー荒原』

透明感がGOOD

『ダメランから1枚選べ』という縛りをかーむさんから出されたため、吟味した一枚です。普通に風景としてめちゃくちゃフォトジェニックじゃないですか?
こういう、透明感というか透き通る感じの風景すごい好きなんですよね。気持ちいいドラフトができたらこういう場所に行って勝利に浸りたい。浸りたくない?
やはりドラフトは様々な悩みがピック中も試合中も襲い掛かるので、クリアマインドへと毎回リセットしていいパフォーマンスを出せるプレイマットだと思います。カードの視認性も◎です。


【かーむコメント】
はあああああああああああ?????
《アダーカー荒原》は1位だろおおぉぉぉ!!※個人の感想です
でも透明感があるイラストが好きというのはめっちゃわかるので、この無礼は不問とします。命拾いしたな。


2位:『嵐の走者、ナジャル』

圧倒的疾走感

ビートダウンデッキを使うときにぜひ使いたい疾走感と躍動感を持っていますね。震えるぞハート、燃え尽きるほどヒートって感じです。波紋っぽいもの出てるしポーズもそれっぽい。
ちょっと上半分がに暗雲の部分があることに気になりますが、基本的には明るい2色で上下が塗り分けられていて土地ゾーンと戦闘ゾーンに分けやすいのもいいですね。
このマットで勢い良くアタックすればなんか5/4がこっそり追加されそうな気がしますし、いつもより積極的な自分でマジックができそうです。できれば表面てかてかするような加工にしたいですね。

【かーむコメント】
「明るい2色で上下が塗り分けられていて土地ゾーンと戦闘ゾーンに分けやすい」ところに注目したのはなかなかやりおる。
プレイマットとしての機能性を考慮しての選定、Goodでございます。


1位:『スライムフットの調査』

美しい風景と勝利は何物にも遮られない

圧倒的風景ですね。試合疲れを受け止めてくれつつ、どこまでも続く地平を見てまた次の戦いで勝利をつかもうという気持ちにさせてくれます。遠くに見える山と雲、手前の鳥と、白がふんだんに使われていますが微妙な影やわずかな色遣いでしっかりと塗分けられており絵全体の奥深さを増しています。
そしてこれの特徴は、手前にいるスライムフット君ですね。この位置とサイズ、何か気づきませんか?そう、デッキを置く場所として最適です(多分)気が利いていますね。美しいだけでなく機能性も高いということですね。


【かーむコメント】
語るね~。
スライムフットくんの丸っこくてかわいいのに、どこか寂しさも感じさせる背中は芸術点高いです。
手すりにかけた手もチャーミング。
これもプレイマットにしたら映えそう。


4:フレイバーテキストランキング

ランキングの最後は、かーむさんからのお題となります。ある日お手紙が届きました。
『書いてあってもなくてもゲームには一切影響しないけど、フレイバーテキストからカードの背景やストーリーが垣間見え、文字通りカードにFlavor=風味を添える小粋な一文。 ぞんびさんほどのMTGフリークならカード自体だけでなくフレイバーテキストもしっかり読み込んでると思うので、ぞんびさんの視点からフレイバーテキストがエモいカードを挙げてもらいましょうか。 記事も書いてるし、さぞかし素晴らしい審美眼を見せてくれるんだろうな~~~~』
ながっ。要約すると『カードの良さの繊細さがわからない俺に最高のフレイバーをくれ』ということですね。承りました。以下をご覧ください。


3位:『古き苔髭』

”スケール”がでかい

ランキング最初の一枚は、ドミナリア全土の雄大な自然を感じさせる一枚を選びました。そこはかとない古さ、そして力強さ、生命を感じさせる見た目と色合いの子のツリーフォークですね。ドミナリアに過去起きた戦争のような出来事や、更にその前の自然としてドミナリアにいた生命力。これ、フォイルだと絶対体の黄色い部分が光ってかっこいいので、それを目にうつしながら読み上げたいですね。
ドラフトでも、サイズとライフゲイン量からよく見かけるカードになると思うので、ぜひその生命力が必要なときは読み上げてみてください。


【かーむコメント】
歴史を感じるわね。
ツリーフォークは個人的にも好きな種族ですが、イラストと相まっていい味を出しています。
プレイするときはフレイバーテキストを読み上げながら場に出したいと思います。


2位:『連合の大将軍、ラーダ』&『ケルドの血拳、ガルナ』

ドミナリアが誇る暴力コンビ

MTG史においてちょいちょい役割として出てくる『脳筋担当』ですね。
ラーダの方はこれで3度目のカード化なのですが、過去一『圧』を感じます。ケルド人という人種の総大将として戦いの最前線に臨む覚悟を感じますね。暴れたいだけ説もあります。
そしてガルナはラーダの部族の一員でありながら彼女が総大将であることに不満を感じていた反乱分子でした。しかしファイレクシアという共通の敵を得ることにより手を取り合い、協力する姿が今回描かれていますね。どっからどう見ても戦争にかこつけて暴れたいだけに見えますが。
元々ラヴニカではグルール推しだった身としては、こういう喧嘩の強さが垣間見えるキャラクターは結構好き、ということでコンビでランクインさせました。この二人じゃなくても、ちょっとお気に入りのキャラクターをどこかで見つけるとイラストやフレイバーテキストで最近はみんな登場する機会が多いので、楽しみ方が増えるかもしれません。年に一回お手紙をくれるコス君とかね・・・


【かーむコメント】
まさかのコンビ。
固有名詞が出てくるフレイバーテキストは、背景やストーリーを感じさせてくれて僕も好き。
このフレイバーテキストでガルナが少し好きになりました。


1位:『ジョダーの秘本』

絶対に、倒すぞ

『団結のドミナリア』の物語は衝撃的な結末を迎え、絶望的な状況が残されました。しかしきっとこれは終わりではなく、1年続くファイレクシアとの戦いの始まりであり、そしてその際にドミナリアに住むすべての勢力、戦火が広がる多元宇宙全体、そしてそれを応援する我々すべてが胸に刻むべき一つのこと、ジョダーが言ってくれています。そう、『ファイレクシア人は倒せる』のです。
マジックの歴史において、悲壮な戦いを描いたエキスパンションは多数ありました。しかしその中でも常にその次元、土地、大切な何かを守ろうとする想いはあって、そのすべてを内包し勇気づけてくれるFTですね。長年の友だったヤヤが死んでしまいましたが、残されたジョダーがこの言葉を胸にどのような活躍をしてくれるのか、希望をもたらしてくれるという意味で『団結のドミナリア』を象徴するNo1としました。


【かーむコメント】
エモ~~~~~~~~い!(cv.井戸田 潤)
これ以上は語るに落ちるでしょう。ナイスセレクトです。




5:終わりに

ということで以上、かーむさんと一緒に記事を書いた企画でした。
いろいろと相談してランキングの種類を決めたり、いざ相手側の記事を見て自分と比較したり批評をするのくそ楽しかったですね。記事は常に孤独だったため。
今回は趣旨として『リミテッドに目覚めたかーむさんに、更にリミテッドの奥深さ、どういう風に考えるとより世界が広がるのか』を案内しようというものがありました。どちら目線で見ても、そういうのが紹介できる記事になってたらいいなと思います。読んでいただいている皆さん自身のステップアップ、あるいは足跡の確認にしていただければより幸いですね。


ここから下はいくつか宣伝タイムです。

まずはかーむさんのツイッターですね。今回の記事にとどまらず突発的に様々な内容の記事を上げてくださっています。
かーむ@MTGアリーナブログ(@calm_blog)さん / Twitter



また、かーむさんにも入っていただいていますが意見交換やドラフトを一緒に観戦したり交流する場としてDiscordのサーバーを立ち上げました。

もしよければどなたでもお気軽に来ていただいて一緒に活動やご意見いただければMTGAのドラフトを楽しみやすいと思います。この記事を読んでいただいたことをきっかけにドラフトを始めてみたいという方もぜひ!

リンクはこちら。


更に、筆者は非公認MTGA大会『まじ☆すと』というものを運営しております。Vtuber/配信者/動画投稿者/記事執筆者/etcと、インターネット上でMTGAの活動をされている方を広く集めた大会になります。ぜひこちらも公式アカウントから気に留めていただけると幸いです。
ドミナリアの団結発売直後の9/4~7でイベントを行います!ぜひ公式アカウントから情報キャッチの上見てみてください!



また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。是非よろしくお願いします!


では、次の記事でお会いしましょう。


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