自己を活性化させる14の方法「虚無主義:いかにして克服するか」『いやな気分よ、さようなら』第五章
さて、五章の紹介です。今回のテーマは虚無主義です。
虚無主義というと、一切のものを無価値と考えるニヒリズムかと思いきや、ここでの意味は少し違うようで、何もかも無駄に思えてしまい無気力な状態に陥る考え方と思ってください。
「考え方をかえれば気分も変わる」というのは前章まででふれたことですが、それならばというのでこの章で解ればいいのは、
行動を変えると気分も変わる。
ということです。落ち込んだときはなにもしたくないですし、うつ病は意志力をマヒさせます。それが孤立化や無能力化を招き、そして無気力や、やるべきことを先延ばしにするようになります。
客観的に見れば利益にならないのに、なぜこんなことをするのでしょうか?このような行動の説明を歴史を通して様々な人が説明しています。おおむね↓のようなことです。
人間の本質は怠け者
自分を傷つけたり苦しめたりしたい死への願望
何もしないことで周囲をいらだたせたい
虚無主義から何らかの報酬を得る。周囲の関心を集めるなど
これらはすべて間違っているとバーンズは言っています。詳しく知りたかったら本を読んでみてください。
では、なぜ人は無気力になるのでしょうか?
無気力サイクル(悪循環)
自己破壊的な考え方(何をしても無駄。何もせずベッドの上にいよう)
↓ ↑
自己破壊的感情(退屈、無気力、自己嫌悪、絶望など)
自己破壊的行動(ベッドを出ない。自己を満足させる活動を避ける)
↓
無気力になる(孤立、何もしていないためより一層落ち込む)
これは打ち破る方法を知らなければ永遠ループする。
この時に見られやすい、心理を挙げてみましょう。
ぐずぐず主義・虚無主義の心理状態13選
絶望…落ち込んでいる状態。どんなことも無意味に感じる。
無力感…気分やホルモンや幸運、他者の評価で決まると信じる。
圧倒されること…抱えきれないほど仕事を広げてしまう
早合点…「できない」や「でも」が口癖。
レッテル貼り…ぐずぐずする自分に怠け者のレッテルを貼る
報酬を安く見積もる…自分のした良い点を無視する
完全主義…間違ったゴール基準を設ける
失敗への恐れ…うまくいかないとおもってトライできない
成功への恐れ…成功してもそれを偶然として、より高度な要求を恐れる
非難への恐れ…何かをすると批判されるのでしたくない
プレッシャーと反発…内外から「~ねばならない」の圧力を受ける
フラストレーションと許容力の低下…途中で障害があると不満で諦める
罪と自責の念…自分のせいで・・・という罪悪感
思考と感情、行動は相互関係にあります。あなたの感情と行動はすべて考えや態度の結果です。相互関係なので逆もしかり。行動と感情は考えや態度に影響を及ぼすのです。
つまりポジティブな行動変化は結果として気分をよくすることにつながる。
んなこたわかっとる
自分の考えが非論理的だということはわかった↑の心理状態のいくつかは当てはまる。でも私は自分を動かすこともできない私に何ができるのか?
↓↓↓
何かをすることで、気がまぎれる。活動により、沸き起こる感情が歪んだ考えを論破する。
気力はどうやって起こるのか?気力が先?行動が先?
行動が先。
やる気を出す方法は、矛盾しているようですがとりあえずやる。手を付ける。
行動→気力→次の行動→気力→次の行動→……
僕も経験がありますが、やる気がない時にものごとをやるときはまず手をつけること。白紙を一文字でも埋めれば、次は二文字目から書けばいいわけですから。
その行動の一歩として有効な手段が自己活性法。
以下に挙げるものの中で好きなものを1、2週間やってみるといい。全部やる必要は全くない。
自分の対象となる症状別に、どれがおススメの自己活性法か挙げるので、選んでみましょう。次にその↓の詳しいやり方を確認してやってみよう。
ぐずぐず主義を克服!自己活性法14選
①日常活動スケジュール
混乱してしまい何も手につかない。孤独になり週末が嫌になるという人向け②ぐずぐず主義克服シート
やることがあまりに難しく甲斐がないように思えて、つい先延ばしにしてしまうという人向け
③歪んだ考えの日常記録
何もしていないという焦りに圧倒されてしまう人向け
④満足ー予想表
1人では何もする意味がないと感じてしまう人向け
⑤しかしー反論法
ものごとを回避する。弁解しようとする人向け
⑥自分を認める方法
自分のすることなんて、どんなことも大した意味などないと考えてしまう人向け
⑦チックータック法
自滅的な方法で仕事について考えてしまう人向け
⑧一歩ずつ成長へ
やらなくてはいけないことの大きさに圧倒されてしまう人向け
⑨強制を伴わない動機づけ
罪悪感、圧迫感、義務感(~ねばならない ~するべきだ)に縛り付けられてしまう人向け
⑩武装解除法
ほかのだれかがあなたに小言を言ったり、お説教をしたりすると、圧倒されたり憤慨したりして、何もやる気がなくなる人向け
⑪成功をありありと思い浮かべる
喫煙のような習慣を変えたいが変えられない人向け
⑫カウント法(やったことを数える)
自分はぐずぐずしているから、自分の主導では何もできないと思ってしまう
⑬本当に不可能なのかをテストする
「自分にはできない」と言ってしまうために、無能力で不完全な人間だと感じてしまう人向け
⑭「失敗を忘れる」方法
失敗を恐れて危険を冒そうとしない人向け
どれが自分にあいそうか選べましたか?それでは詳しいやり方を見てみましょう。
①日常活動スケジュール
日常活動スケジュールは文字通り1日の予定を立ててそれを振り返るというものです。↓のような表を用意してそれに記入して行います。
まずは予定を記入してそのあと振り返りで実際にやったことを書きます。詳しく書く必要はないです。ほんの一語か二語で十分です。その際義務的な活動にはM(Mastery)、楽しみの活動にはP(Pleasure)の文字をつけ、その活動の難易度と楽しみの量に応じて5点満点で点数をつけてみましょう。
※コツとしては、計画するとき仕事と同様に遊びも取り入れたバランスの取れたプログラムを作ること
少なくとも一週間はやってみる。もっと続けるならば低い満足度(評価)で終わるようなスケジュールは避けたほうがよい。
②ぐずぐず主義克服シート
この方法はネガティブな予想をテストする訓練ができる。
↓のような表を使いましょう。
先延ばしにしてしまう仕事を、いくつかの段階に分解して「活動」の部分に書く。
各段階の難易度と満足度を予想して記入する。実際に仕事をやって分解した各段階が終わるたびに実際の難易度と満足度を記入する。
とても困難が多く報われないと思われた仕事が、本当にそうなのかを確かめ、生産性と自尊心を高めてくれるかも。
③歪んだ考えの日常記録
この方法は四章で学んだトリプルカラム法の詳しいバージョンです。
↓のような表を使って行います。
やり方に関しては↓の四章の記事をご覧ください。
④満足ー予想表
1人だと何をやっても意味がないとおもったら、この予想表をつかってみましょう。
これは、二年前に僕が実際にやっていたものの一部です。トイレ掃除ばかりしているのもこのころの特徴ですw
事前に行動とそれを誰とするのかと予想される満足度を書き込んでおきます。次に行動した後に、実際の満足度を評価して記入します。
意外と予想よりやり遂げたことに満足できていることがわかるかと思います。
できれば一人でやったことと誰かとやったこととを比較できるとよいです。ただ、その比較は同じような質の事柄にすること。家に一人でいることと、友人とディズニーランドにいったことを比べてはいけません。
⑤しかしー反論法
行動を起こす障害となる「しかし」を打ち破るにはこれです。
このように、反論に反論を重ねていくように表に記入していくだけです。
⑥自分を認める方法
自分に価値がないと思うと、どんな成功をしても虚しくなってしまいます。
それを打ち破るには自分を認める考えにシフトさせるため↓のような表をつかってみるとよいかも。
自分を自分でほめるなんておかしいと思うかもしれませんが、他人がほめてくれるべきだと考えるのは問題があります。僕のようにほめてくれる他人がいなかったらどうしますか?この本にもありますが、自分を認めることができるのは、突き詰めると自分だけだと、最近僕は思うようになりました。
⑦チックータック法
なかなか落ち着いて仕事に取り掛かれない場合はその考え方に注目。
↑のような表に仕事を妨害する認知TIC(Task-Interfering Cognitions)に単純に記載し、代わりに仕事を方向づける認知TOC(Task-Oriented Cognitions)に置き換えてみる。
※記載する際は必ず認知の歪みを指摘すること。
⑧一歩ずつ成長へ
この方法は、自分が抱えきれない仕事などに圧倒されてしまう人向けです。これは表も使わないで、自分でもよくやっています。やり方は簡単で、
仕事(問題)を最小単位に分解して一つずつやる。
ということです。とりあえず手を付ける(行動)するのはやる気を出す良い方法だというのは始めの方に書いたと思います。
分解する基準で有効なものは「時間制限」
その割り当てた時間制限が来たら、終わってなくてもやめて、違う楽しいことをする。
その方法は効果的な集中力の維持を可能にします。少しだけ最少単位に分解問題に立ち向かってみる。そうするとその問題がいかに小さいかがわかるはず。
僕はこの方法を家事でやったりします。本当にくだらないですが、洗濯物を取り込んでタンスに入れるまでの工程や、ベッドと布団にカバーをかける工程に使っています。物干しの2列目まで外すとか、布団カバーの三つ目まで結ぶなどです。
⑨強制を伴わない動機づけ
「~ねばならない」「~するべきだ」という言葉があなたを追い詰めますか?それは不適切な動機づけが原因ですこれを克服するには
「すべき」「ねばならない」は「~したい」に変換する
「ならいいなぁ」に変換してもよいかもしれません。もっと具体的にするなら、↓の表のようなものを作って、その行為の利益と不利益を可視化してみてください。
⑩武装解除法
勉強しようと思っているときに、親に「勉強をしなさい!」と言われると、一気にやる気がなくなるって経験ありますよね?
やろうと思っていたのに……武装解除法はこのような問題を解決してくれます。重要なのは、
行為を強制する人(↑の場合なら親)に同意すること。
しかし、言いなりではなく、あくまで
あなたの決心に基づいて同意するのだということを相手に認めさせる。
そう、「あぁ俺も勉強しようとおもってたとこだよ。自分で決心して勉強をすることにするよ。」ただそういえばいいのです。
⑪成功をありありと思い浮かべる
自分でもやめたい習慣ってありますよね?僕はやめたいとは思いませんが、煙草なんていい例かと思います。ふつうは健康に悪いなどの、自分を脅す恐怖戦略でやめようとしますが、これは逆効果。
次の3ステップで悪い習慣断ち(煙草をやめる)してみましょう。
ステップ1:やめたときのポジティブな結果を書き出す。
健康の回復。
お金の節約になる。
息が綺麗になる。など、思いつく限りたくさん書く
ステップ2:毎晩寝る前にお気に入りの状況を想像してリラックスする。
ステップ3:その状況に悪い習慣を断った自分がいると想像する。
ステップ1で書き出したポジティブな結果一つ一つを愚痴のように繰り返す。「健康が回復して私は嬉しい」「ほかのことに使えるお金が増えてうれしい」など
ポジティブな考え方で習慣を変えてみましょう。一円もかからないし、簡単です。
⑫カウント法(やったことを数える)
この方法は読んで字のごとくやったことを数えます。数えるのは
誰かに促されたり、強制されずに自分自身でやった事柄
です。この目的はなんなのか?
それは、これをすることで自分の人生を自分が生きている、操作しているという自信を持つことです。これによって、さらには何をしたいか自分で見つける訓練もできます。
一日の終わりに数えた数を合計して、数週間の数の変化を見てみましょう。全く意味なさそうにみえますか?ならばなぜやってみることでこの方法の無意味さを証明しないのですか?大事なのは数えることを身に着けることなのです。
⑬本当に不可能なのかをテストする
自己否定的な考え方「~できない」は、暗示のように働き、やがて、本当にそれができない人になっていきます。
この方法も読んで字のごとく、
出来ないと思っていることを実際に試してみる。
ということです。本が一行も読めないと思っていたら、実際に読めないのかどうか本を開いてみる。これだけです。びっくりすることにこんなことで重症で慢性のうつ病の回復の突破口を開いているらしいです。
⑭「失敗を忘れる」方法
失敗したくない。誰でもそう思います。この方法は失敗への恐怖と戦う手助けになるはずです。↓の表を見てみましょう。
実際に失敗したとして、あなたが直面しなければならないネガティブな結末を表にしてみるのです。
そして恐怖の中にある認知の歪みをはっきりさせて、たとえ失意の状態であってもうまくやりすごせることを示しましょう。
失敗することってそんなに悪いことですか?僕の人生は失敗だらけですが。
まとめ
いやぁ、長くなってすみません。14個もワークが出てきましたからね…14個もあるわけだから一個くらいできるものがあるはずです。この記事で使った表のエクセルファイルも一応置いておきます。
僕は、満足表とカウント法をやってました。無意味だと思うなら、まずはやってみる。やる気が出なくても、まずは「やる気がない」と言いながら、手を付けるところから始めようと僕も思います。
お知らせ
ワークがものすごくいっぱいできたので、前から考えていたサークルを作ってみました。まだ粗削りですが。気になったら見てみてください。
チョコ棒を買うのに使わせてもらいます('ω')