外食企業分析~三光マーケティングフーズ編~

はじめに 

新型コロナウィルス感染症による影響で外食産業が非常に大きな影響を受けた。その影響の大きさを図る術は、未だ誰も持ち合わせていないように思われる。

私自身もこの感染症がどのような帰結を迎えるのか想像出来ていないが、注目度の高いこの業界の企業を分析する意義はあるものと考えている。

そこで、まずは、外食企業のなかでも比較的大きな影響を受けた居酒屋業態の(株)三光マーケティングフーズを分析する。

分析手法としては、有価証券報告書を分析し、本来であれば競合比較なども行うべきだが、今回は一端お見送りとする。

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目次

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事業の概要

事業の概要では、(株)三光マーケティングフーズの会社概要と沿革、主たる事業内容について説明する。サプライチェーンについても特色がある場合には、ここで十分な説明をしていく。

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外部環境

外部環境では、外食市場全体の市場推移及び居酒屋・ビヤホール市場の推移について説明していく。また、日本全体の外食市場の抱える問題についても簡単に触れていく。

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過去業績

過去業績では、(株)三光マーケティングフーズの過去3期分の有価証券報告書を読み解いていく。

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損益計算書

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KPI分析

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KPI分析のなかで労働時間は、正社員を200時間で仮置きしている。また、スクラップを進めていることもあり、客数の減少は会社側の想定以上の見え方になっている可能性がある。

損益分岐点分析

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不振店なども撤退を進めることで、固定費削減を推進してきたと思われるが、損益全体へ与える影響は限定的である。(株)三光マーケティングフーズが赤字転落した主要な要因としては、競争力の低下に伴う客足の減少とPA人件費の上昇である。後者に関しても、生産性向上の取組が遅れたことが要因だと推察できる。

貸借対照表

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キャッシュフロー計算書

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バリュードライバー

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(株)三光マーケティングフーズ想定格付け

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(株)三光マーケティングフーズの想定格付けは、Bとした。理由としては、競争力の低下による収益性に課題があり、また、縮小均衡策を講じるも対応出来ていないことにある。

今後の提案

今後、(株)三光マーケティングフーズが事業を継続させるにあたり、有価証券報告書上の問題点からの提案を行う。

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将来の収益源として、リソースを分配してきた非主力ブランドが十分に花開いた状態ではなく、今現在は収益の大黒柱を失った形である。今後は限られたリソースをどのように分配していくのかが重要であり、非情に徹した選択が迫られる局面もあるだろう。

企業価値の源泉

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有価証券報告書上、会社の意志としては、専門居酒屋化等を推進してきたが、消費者はそもそも当社に対してそのようなことを望んでいるのか疑問である。(株)三光マーケティングフーズとして、消費者に何を提供したいのか、という本質的な部分が不透明であり、その部分を再定義する必要があるのではないか。

その観点から企業価値の部分を分析すれば、ある一定水準以上の料理や飲料をストレスのないサービスで提供することが第一の部分であり、それが満足や信頼、安心といった定性的な概念に接続される。また、季節性商品やプレミアム商品などが他社との差別化とい期待へと繋がっていく。それらが、3,000円台で提供されるというお手頃感が本質的な企業価値の源泉になるのではないか。

経営者として、あらたな収益の柱を育成する重要性は理解できるが、先述したような部分が疎かになり、コロナの影響があるとはいえ3期連続の最終赤字となったのではないか。

現状の課題の整理

現状の課題を整理すると以下の通りである。

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3つの提案

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まずは、事業継続に疑義が出ないための施策を打つことが望まれる。その上で、会社として何をお客様に提案(届けたい)したいのかを再定義すべきである。現状の中途半端なポジションからの脱却には、あらたな業態開発ではなく、十分に会社として目指していく道筋を示すべきである。

損益シミュレーション(成行)

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収益改善シミュレーション

3つの提案のうち、1つ目の提案を全て実現したと仮定し、シミュレーションを実施した。

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私個人としては、(株)三光マーケティングフーズにお世話になっているので、今後もお世話になりつづけたいので利益の出る体質に進化して欲しい。

お断り

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終わりに

「はじめに」で述べたように、各社の分析を第一として行った。基本的には、ほぼ全ての情報を(株)三光マーケティングフーズの有価証券報告書を頼りとしている。

(株)三光マーケティングフーズもコロナウィルス感染症による影響を大きく受けた会社であることは間違いない。しかしながら、コロナ以前からの収益性に問題があっことも事実である。今後、この収益力の改善への道筋をどのように示すのかが重要である。

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