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【第1話】60才還暦男最後にGood Luck!って愛を叫ぶ爺さん

蒸し暑い日の出来事でした。
私はその日 母が作ってくれた 朝食を食べ 明るく
「行ってきまーす!」
と言葉を残し 仕事に向かうのでした。

その日の景色、
運転席から眺める景色は
少し淡い青色に見え
会社に着くまで40分ほど車を走らせるのだが、
その40分が異様に早く感じられる時間だったように思う。

出社 まで残り5分となったところで
少し気持ちに「ざわつき」があり
ドン付きの T 字路
本来なら左に切れば会社の駐車場に入るのだが 

その刹那 、


私はハンドルを

右に切ってしまったのだ。

これがこの物語の出発地点だと思います。



流転


今まで無断欠勤なんて一度もしなかった。

大人気ないが私は家出をした。

荷物も持たず
その当時付き合っていた彼女にも
連絡を断ち
ここから先、携帯電話の電源を入れることは一切なかった。


どうすれば そんな思考回路になったのか
今考えると不思議でならない。
もう30年も昔、
全てに向き合うことができなくなってしまった

甘えた表現になるが
誰かに、、本当に、、支えて欲しい。
そんな気持ちになっていたのは事実だ。


私自身を客観的に見た場合、
心を悟られるのが一番プライドを傷つけられる
と言うか、自分の本当の気持ちを相手に伝えることが、
なかなかできていなかったような気がする。

負けず嫌いというか 負けたくないというか
ずっと背中にそれを背負い込んで
その当時生きていたような気がしています。


失踪


 それも今思えばのことですが、


そこから 私はどうしたのか。


おぼろげな記憶を辿り今に至った半生
恥をさらしていこうと思います。
言わば、長編の遺書のようなものでございます。
一部表現として適切でないこと書いてありますのでご容赦ください。



達磨夕日


家出をして家族は当然心配をし
会社の同僚 友達 おそらく連絡を取るための
携帯電話の電源を落としているのだから
先方から連絡をつけようもなく
その日1日 私は何をしていたかというと
あてもなく車を走らせていました。

とにかく遠くへ、、遠くへ 、、。

隣町で車を乗り捨て 四国にわたった。
「なぜ四国?」ってことになるのだが
自分が取り返しのつかないことをしている
ということを悟り その時点でつきまとうのは


「いかにして死のうか」


ということを
そこから先ずっと考えていくのです。
結論が出ないままこんな身でありながら
私はふとテレビで見た高知で見れる
達磨夕陽
たる景色をこの世にいるうちに
一度だけ見てみたいと思い
宿毛市に向かうのでありました。




私の手元にはまだ数十万円ほどあったのだが
この金も借金をして作ったお金であり
真っ当なお金とは 言えない。

きっと私が失踪したことによって
私の家族のところには
督促が矢のように
電話や手紙が届くのであろうことは
重々承知した上で
この馬鹿野郎は電車に乗って
宿毛市に向かっているのだ


借金?



そう 私には多額の借金がその時点であった
総額で500万円前後 あったのではないでしょうか。
そんな男が今生きて のほほんと生活をしている


しかもだ
還暦超えた男が20歳も年下の女と同居?
と書けば「なんてヤロウだ!」ってなる。

どうしようも無い輩(やから)です。



次回、
ある事件をきっかけに
ドッスンに降りかかってくる心の葛藤や
思わず泣いたり笑ったり
人生ってやつは、、、
幸せってやつは、、
悲喜交々

私の半生に触れて
自由って
家族って
人間って
愛って
いったい何?
の解決の糸口になればと思い
連載開始します。
どうぞよろしくお願いします。

2023年6月20日㈫


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