#175.CBDオイル

通院していた免疫療法のクリニック

Twitterフォロワーさん

そしてnoteフォロワーさんから

脳腫瘍治療薬の情報としてお聞きしたものに

CBDオイル』というものがある。

日本ではがん治療というと『標準治療(外科手術、放射線治療、化学療法)』がベースにあり、その効果がなかった場合の選択肢は少ない。

標準治療は医学的なエビデンスがあるので間違ってはいないとは思うし、まずは最初の治療として検討するべきものだとは思っている。

ただ先ほども述べたが

初発時は主治医はじめ多くのお医者さんからは、他の治療の選択肢はないかの様に当然の如く標準治療を勧められると思う。

ただ再発時においては

緩和ケア、ホスピス、在宅医療・・・そのくらいではないだろうか。

そして余命宣告

残された時間の過ごし方について話しがあることも多いと思う。

しかし全ての患者や家族がそれで納得するのか?

そういった状況でも、何か方法はないか探さないのか?

免疫療法についても、医学的なエビデンスがある治療は少ない。

他の代替療法も海外ではかなり常識的に行っていたとしても

どこか日本では『効果がない』、そして『怪しい』と揶揄される。

以前noteでも書いた様に

確かに代替療法の中でも、とても高価な治療費の割に全く効果がなく、それこそ悪質ながんビジネスであるものもある。

ただそういった確かな治療がない中でも

諦めたくない気持ちで

治療したい

生きたい

そんな気持ちは誰にでもあるんではないだろうか。

話は冒頭に戻るが

その中でも海外の脳腫瘍患者に広く行われている代替療法がある様で

今回はその治療

『CBDオイル』について調べてみた。

ただこれだけは言っておくが

決して私自身がこの治療を勧めているわけではない

あくまで参考として見て欲しいとは思っている。

CBDとは?

大麻の種子及び茎から抽出された大麻草特有の成分(CannaBiDiol=カンナビジオール)の略語がCBD。

CBD(カンナビジオール)の抗がん作用

体内の細胞には大麻成分(カンナビノイド)受容体がある。カンナビノイドというのは大麻に含まれる薬効成分の総称で、テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)など多数の化学物質が含まれる。

下図の様に、カンナビナイトという大麻に含まれる薬効成分の主体はΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)で、この2つは全く異なる作用機序と薬効を示すTHCは脳内報酬系を活性化して依存性があり、精神作用(気分を高揚する作用)がある。一方、CBDには精神作用は無く、脳内報酬系を抑制して薬物依存を阻止する作用がある。

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CBDオイルには何が含まれるかというと、THCだけを取り除き、多くの天然に存在するカンナビノイドとテルペン類を豊富に含んだフルスペクトラムオイルと、ヘンプ(大麻)オイルにCBDだけが入ったオイルの2種類が存在

CBDオイルは食品として分類されており違法ではない(日本でも楽天やAmazon等で通常に購入することができる)。食品ではあるが人によって合う合わないは当然にあるので、全ての人に安全とは言えないが、通常使用量では安全。

医療用大麻やマリファナには幻覚を引き起こす成分であるTHCが含まれている。一方でCBDオイルにはTHCは含まれていないため、摂取しても精神作用を引き起こすことはない

CBDオイルが効果を発揮する疾患として海外ではがん、不眠症、さまざまな疼痛、嘔吐、関節炎、てんかん、糖尿病、虚血性心疾患、認知症、自閉症スペクトラム、うつ病、不安障害、統合失調症、炎症性腸疾患、多発性硬化症等があるとのこと。

また具体的ながんの中でも、肺がん、脳腫瘍(グリオーマ)、甲状腺がん、悪性リンパ腫、皮膚がん、膵臓がん、子宮がん、乳がん、前立腺がん、大腸がんなど多くのがんにカンナビノイドの抗腫瘍効果があるとのこと。

また最近の研究によってカンナビジオールには次のような様々な抗腫瘍効果が報告されている。

○ がん細胞の増殖抑制作用やアポトーシス(細胞死)を誘導する作用
○ がん細胞の浸潤・転移を抑制する作用
○ 抗がん剤の副作用軽減と抗腫瘍効果を高める作用
○ がん組織の血管新生阻害作用

ここで妻の脳腫瘍について触れたいと思うが

妻の病気は脳腫瘍の中でも2割を占める神経膠腫(グリオーマ)に分類。

脳の神経細胞(ニューロン)の働きを助ける役目の細胞(グリア)が腫瘍になってしまったもの。

グリアとは下図でいうアストロサイト(星状膠細胞)、オリゴデンドロサイト(乏突起膠細胞)、ミクログリア(小膠細胞)をいう。

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アストロサイト(星状膠細胞)は多数の突起があり、星のように見えることからこの名が付いた。神経組織の形態維持、血液脳関門、栄養補給、神経伝達物質の輸送などの役割を担っている。

オリゴデンドロサイト(乏突起膠細胞)は神経細胞の軸策に巻き付いて髄鞘の形成や栄養補給の機能を持っている。

ミクログリア(小膠細胞)は骨髄系のマクロファージに由来し、病原菌の排除や死細胞の除去や傷害を受けた神経組織を修復する働きを担っている。アルツハイマー病など神経変性疾患ではミクログリアが炎症の増悪や神経細胞死に関わっている。

グリオーマの中でも悪性度(グレード)は異なり、下図のようになる。

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妻の脳腫瘍はグレード4に分類。

グリオーマの中で最も悪性度が高いものが膠芽腫(グリオブラストーマ)であり、それはアストロサイト(星状膠細胞)から発生する悪性腫瘍。

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上図のようにカンナビジオールはアストロサイトの病的な活性化を抑制することによって様々な神経変性疾患やてんかんに対して治療効果を発揮。

CBDオイルについて更に色々と調べて見ると

日本の脳腫瘍患者さんでも既にインターネットで購入されたり(少ないもののCBDオイルを使っている方のブログもある)、クリニックで処方されて摂取されている方はいる様だ。

確かに最近のニュースで医療大麻の話は良く聞くと思う。

特に2018年6月に医薬品としてCBDオイル「Epidiolex(エピディオレックス)」がアメリカ厚生労働省(FDA)の承認を得て薬として認められたこと。

今まで医療大麻は代替医療だったが、お医者さんが処方箋を出して保険でまかなわれる医療として流通するようになった。

日本では大麻取締法があり、大麻=逮捕を連想するが、海外では医療用として合法化の動きはあり、実際に治療実績も出始めているという現実。

現在、医療大麻はがん患者の消耗(wasting)や吐き気・嘔吐や疼痛の緩和の目的で欧米など一部の国や地域で使用されている。

ただ現時点の日本では大麻取締法で医療大麻は使用できない。

しかし、カンナイビノイドの主要な薬効成分であるΔ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)には精神への作用、すなわち陶酔作用や気分の高揚、多幸感などがあるため、日本ではがん治療への使用が困難(THCの精神作用が大麻取締法で大麻の使用が禁止されているから)。

しかし、精神作用はテトラヒドロカンナビノールのみで、カンナビジオールなど他のカンナビノイドには精神作用はない。そのため、がん治療においてはカンナビジオールの利用が検討されている

実際、抗がん作用に関しては、テトラヒドロカンナビノール(精神作用があるために日本では禁止されている)よりカンナビジオール(精神作用が無いので日本でも規制の対象にはなっていない)の方が優れているという報告もある。

今の日本において、脳腫瘍の代替療法の一つとして検討できるCBDオイル。

ただ現状では代替療法という言葉だけでも批判的なのに、大学病院などでCBDオイルを相談したとしても『エビデンスがないので効果がない』といった回答しかないとは思う。

それでも何かしらの治療を探している人は、一度調べて見てほしい。

妻の場合、在宅医の許可をもらってCBDオイルを使ってみることにした。

効果があるのかどうかは正直わからないが

できることは

できる限りのことは

妻にしてあげたいと思っている。

生きていてほしいと思うから。

記事を通じて、少しでも誰かのお役に立てればと思っています。