境目世界案内人ガド 〜チョコケーキではなく、チョコレートケーキです。〜
生と死の間の世界には、暇な何かが住んでいる。いつどこでその存在が生まれたか本人も知らないが確かにそこにいる。目的なきその存在は、今日も話し相手がやってくるのを待つ。美味しいお菓子とお茶を用意して。
その日、あの世とこの世の境目の世界に1人の女性が現れた。彼女の名はA子、しがないOLだ。彼女は会社の帰り道、信号無視したトラックに轢かれ意識を失った。だが、意識を失ってすぐにここへやってきた。誰も存在を知らないこの場所へ。一見するとだだっ広い平地に木や花が何本か植えられている。木