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ど素人のマーケティング入門

 ビジネスの場では、『マーケティング』という言葉をよく耳にします。私は「ものを売ること」や「ものを宣伝すること」の意味で理解していたのですが、よくよく考えると色々な意味があることに気づきました。みなさんはこの言葉、どういう意味で使っていますか?


 思い返すと、日本の学校教育の中でマーケティングについて勉強することってほとんどないですよね。私自身ゴリゴリの理系で、自然科学の勉強ばかりやっていたので、マーケティングに関しては無知でした。今までは別に知らなくても生きてこれたのですが、世界情勢が不安定な昨今、自分が必要かもと感じたことについてはある程度知っておこうという結論になりました。


 本noteはマーケティングど素人の私が、「マーケティングとはどういう意味か?」という疑問を持って、基礎的な部分を学習した記録です。マーケティング初心者の方や興味のある方は読んでみると、マーケティングとは何かがわかると思います。


 本noteを執筆するにあたって、マーケティング脳トレーナー佐藤義典さんの『ドリルを売るには穴を売れ』を参考にしました。内容はストーリー形式で、専門的な言葉も丁寧に説明されており、非常に読みやすかったです。マーケティング入門書としてオススメですので、興味のある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。

マーケティングの意味

 本書には、マーケティングに関して、以下のように書かれています。

【マーケティングとは何か?】

マーケティングとは何か」をひと言でいえば、「顧客」に関するすべてのこと、つまり「売ることに関するすべてのこと」だ。市場調査、広告戦略、営業戦略、などのすべてが含まれる。

あなたが「買う」ときに、その逆には「売る人」がいる。あなたが何かを買うときには、売り手にとってのマーケティングが起きているのだ。

【引用】
『ドリルを売るには穴を売れ』 佐藤義典著 p13

 非常にわかりやすい説明です。特に後半部分。マーケティングという言葉はビジネス用語ですが、日常生活の中に深く関わっているのだと。私たちが日常生活で何気なく買っているもの、それを買うときには売り手のマーケティング戦略にはまっているのかもしれません。

良いものは売れる?

 良い製品をつくれば売れる、そう考える人は少なくないのでは?しかし、本書を読むと、これが間違いであることがはっきりわかります。いくら、美味しい料理を提供しようが、最高品質の家電を発売しようが、顧客の要望を満たすことができなければ、その商品は売れません


 私は以前勤めていた会社で、商品開発チームに配属されたことがあります。どうしたら顧客満足が上がるだろうか?、顧客の悩みは?、などなど顧客目線に立つために、あれこれ考えますよね。しかし、チームの中にはこちらが良いものを開発、提示できれば売れるよと言う人がいました。職人気質というか、仕事の姿勢は真面目なのですが、顧客目線に立つのが苦手な人。

 
 企業として仕事が細分化されているので、良い商品を開発することだけに力を注げばよいという意見もあります。しかし、私はそもそも顧客に必要とされる商品じゃないと売れないと思いました。だって、みなさん、どれだけ良いものでも欲しいと感じない商品を買うことってありますか?

なぜその店で買うのか?

 消費者の目線で考えると、マーケティングに関してよく理解できます。例えば、私はアイスコーヒーが好きなのですが、コンビニで購入することが多いです。よく利用するのはセブンイレブンで、味が好み安いどこでもすぐに買えるといった理由です。ローソンやファミリーマートも売っていますが、味や生活圏などを考慮して、セブンイレブン。


 一方、車に乗っているときはマックのドライブスルーを活用します。味が好み安い車から降りる必要がなくて楽などが理由です。子供をチャイルドシートに乗せていることもあるので、ドライブスルーじゃないと車の乗り降りが手間なんですよね。


 独身時代はコメダ珈琲にはまってました。アイスコーヒーの美味しさもそうなんですけど、店内が広く、ゆっくり味わえるので。子供を授かってからはそんな余裕もなく、全く行けなくなりました。


 このように、品質や価格だけでなく、タイミング、アクセスの良さ、店の雰囲気など、ありとあらゆる条件が関わることがわかります。ですので、商品を売るときには、ターゲットを絞って、どこで勝負をするのかをしっかりと考える必要があります。

ペルソナを明確にする

 万人向けの商品は、それゆえ誰にも売れません。商品を売るときにはターゲットを絞らなければいけません。その人物像をより詳細にイメージしたものがペルソナです。SNS上で、ベテランブロガーがブログを誰に読んでほしいのか、「ペルソナを意識する」といった内容をよく発信されていますが、まさにこれですね。モノを売る相手の性別、年齢、体型、仕事、趣味、生活習慣など細かくイメージすることが大切です。


 人によって、商品に求める価値はそれぞれです。例えば、「30代男性」をターゲットに車を売る場面を想像してみます。見た目がかっこいい、価格が安い、燃費が良い、車内が広い、走行音が静かなど、人によって優先する事項は違います。30代男性という情報だけでは、相手が車に求める価値の共通項を見出すことは難しいのではないでしょうか。


 しかし、「30代男性の会社員」、「妻と子供の4人家族」、「子供は3歳と1歳」、「旅行好き」など詳細を設定すれば、家族向けで、旅行中でも活躍できるような車、例えば車内が広くて、長時間座っても疲れにくいシートを装備したのをオススメしてみようなどと考えられます。加えて、子供が退屈しないようにテレビの設置をオススメしようとか、色々販売戦略を練ることができます。より細かく設定することで、同じような意思決定プロセスをもつ人を集めることができます

売り手の3つの戦略

 本書によると、消費者がものを購入するときに意識することがあります。それは競合の商品と差別化してあるかどうか


 例えば、スーパーで牛乳を買う場面を想像してみてください。たくさんある中から、どうやって選んでますか?私はあまり味にこだわらないので、その日の安いものを選んでます。他には、味が濃いパッケージがかわいい買い慣れたものなどの理由があると思います。類似商品の中から、何かしら違う部分を見つけて購入する、ということを無意識に行っています。


 そういった消費者の思考を踏まえると、売り手の差別化戦略としては、以下の3つがあります。

【3つの差別化戦略】

①手軽軸
 手軽に行ける、安い、早い、そこそこうまい、そこそこ満足。
 例:牛丼チェーン、ファミレス、マック、ユニクロなど

②商品軸
 商品の質で勝負。最先端、高品質、高級。
 例:叙々苑、ブランドバッグ、apple製品など

③密着軸
 顧客サービスに定評。居心地が良い、顧客との距離が適度。
 例:行きつけの居酒屋、通い慣れたスナックなど

【参考】
『ドリルを売るには穴を売れ』 佐藤義典著 p113

 上記3つの差別化戦略ですが、身近の成功しているお店を考えてみると、どれかに当てはまるのではないでしょうか?平均的な能力が高く、かつ3つのうちのどれかに特化していること、それが成功する条件です。

まとめ

 ここまで、マーケティング脳トレーナー佐藤義典さんの『ドリルを売るには穴を売れ』を参考に、マーケティングの基本についてど素人の私が書いてきました。以下、本noteのまとめです。

【まとめ】

①マーケティングとは
マーケティングとは「売ることに関するすべてのこと」であり、日常の売買の中で、頻繁に起こっている

②ペルソナを明確に
商品を売る相手のプロフィールを明確にする。性別、年齢、体型、仕事、趣味、生活習慣など

③3つの差別化戦略
手軽軸、商品軸、密着軸のうちどれかに特化する
かつ、全体の能力が高い

+α
自分が商品を買うときの心理を分析すると、消費者の気持ちがよくわかる


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