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『明日ありと思う心の仇桜』

明日はどうなるか分からないという
世の中や人生の無常を説いた言葉だ。

明日も咲いているだろうと思っていた桜も
夜のうちに嵐が吹いて散ってしまうかもしれない。

『明日ありと思う心の仇桜』

「だったら勝手にすればいいじゃん

もう付き合いきれない」

思わず口をついた言葉

こんなに脆かったなんて

羽が生えた鳥気取って

空中遊泳繰り返し

気の向くまま赴くまま

気づかぬはただ一人

トランプのピラミッドのように

息を吹きかけただけで

あっさり崩れるこの関係

さよなら さよなら

抱いて抱かれて

起こして起こされて

与えて与えられて

いつの日からか

一方通行になった道を逆戻り

「だったらもっと私に構って

ちっとも私を見てない」

感情的になった言葉

一息に吐き出した

いつも寂しかった

不安だった

一人でいると怖くて

前はもっと優しかった

変わっちゃったよ…

洗い洗われて

撫でて撫でられて

見つめて見つめられて

いつの日からか

噛み合わせの悪い歯のような二人

綱渡り

あんなに好き同士だったのに

次第にお互い

あら探しあら探し

でもあの頃は

抱いて抱かれて

起こして起こされて

与えて与えられて

洗い洗われて

撫でて撫でられて

見つめて見つめられて

明日ありと思う心の仇桜

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