見出し画像

【前回のお話】

(869字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)

 「はい、○○店です」

 「あ……あのっ!」

 (大丈夫、大丈夫)
 自分を落ち着かせながらも、慌てて手元にあるセリフのメモ書きを見る。

 「お忙しいところすいません!わたくし、竹子と申しまして、○○バイト誌に掲載されている募集を読んだのですが」

 「あ、アルバイトの応募ですね。ありがとうございます。えー、では……」

 想像に反して、応募はすんなりと進んだ。
 特に何か言われたり聞かれたりすることもなかった。

 「取り敢えず履歴書を持って面接にいらして下さい」とのことだったので、日時を決め、後日お店を訪問することにした。


 (これでまた一歩前進!)


 ほっと胸を撫で下ろしちらっとパソコンに目をやると、なんと早速大学院からも次々とメールの返信が届いていた。

 ワクワクしながらメールを開封するも、ほとんどが「申し訳ございません」から始まっていた。

 「日本できちんと教育受けたことがないと、そもそも入学試験に受かるのが難しい」
 「仮に受かったとしても、今後の学習についていけないだろう」
という趣旨の内容ばかりだった。

 (そっか……でもまあそうだよな……)

 落胆しつつぼんやりメール箱の返信に目を通していると、拒否メールに混ざって、異質な返信が一通あることに気付いた。


 「経歴拝見しました。面白いですね。是非一度お会いしましょう」


 飛び上がった。
 何度も目を疑った程だ。

 慌ててお礼メールを入れ、これからの入学の流れについてやりとりとした。


 当大学院の教授(以下、S教授とする)曰く、確かにいきなり入学試験を受けて入学するのはハードルが高いが、十分対策は可能だということ。

 そしてその対策とは:院生になる前にまず「研究生」として1年間勉強し、傍ら試験対策を行うこと。
 合わせて教授の指導のもと、研究手法や論文の書き方についても訓練をする、ということだ。

 願っても無いことだ!
 果たしてこんな強運で良いのか。

 小躍りして喜んでいると、S教授は更にこう付け加えたーー

 「うちの大学院は中国の方の入学希望者も多いですよ。
  竹子さんも、入学試験時は是非同じ枠で受けて下さい」


 なんと!!!

 確実に人生が好転し始めたのを感じた。

(つづく)

📚人生挽回のチャンスを逃すな!


この記事が参加している募集

自己紹介

振り返りnote

記事は気に入っていただけましたでしょうか? もしよろしかったら、サポートお願いします!(◡‿◡✿) 不求多,真心便知足~!(量より真心!) よろしくお願いします~请多指教!✿