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最低な恋人を忘れるには

友達が彼氏と別れた。

彼女は最近、1年半付き合った彼氏から「気持ちが分からなくなった」というLINEを最後に音信不通にされ、見ていられないほど傷ついていた。

1ヶ月ほど悩んだ末、彼女は勇気を出して「はっきりさせてほしい」とLINEした。すると、彼氏からは漢字変換もしておらず、片手間で打ったような”別れの返事”が来た。

どうやら彼氏の中ではもう「別れた」ことになっていたようだ。

友達は今、「こんな男なら別れてよかった」という前向きな気持ちと「私たちの思い出は何だったんだろう」という悲しみで、心の中のアップダウンが激しく、苦しんでいる。

しかし実は、この出来事で彼女以上に反応しているのは他でもなく私である。

「気持ちが分からない」などという曖昧な連絡をし、それで「別れを察しろ」と言わんばかりの彼氏に人一倍怒りを覚えたから。

友達には悪いが、その彼氏は最低だ。

自分が悪者になりたくないから、他に好きな人ができてどうでもよくなったから、冷めたから。どんな理由であれ、全部「自分」だ。相手の気持ちなんてひとかけらも考えていない。

”自然消滅”なんてカジュアルに言うものではない。彼が行ったのは”裏切り”だ。

その彼はこの記事なんぞ辿り着きもしないだろうし、自然消滅の何が悪いの?と思っている人も一定数いるのだろうが、そういったタイプの方にお願いしたいことがある。

された方は「あなたと一緒に過ごした自分」もしくは「あなたを選んだ自分」を責める。「自分が悪かったのかもしれない」と思い返しては、答えが出ずに苦しむ。

私から言わせれば、一度好きになった相手ををここまで追い詰めるなんて人間じゃない。相手はそこまでのことをあなたにした?何の報復?(犯罪行為を受けたなら話は別だけど)

ただ、自然消滅を狙う人は「悪気なく」or「悪いとは思うがなんか言えなくて」やっていると思うので、こんなこと言っても無駄だろう。だから、お願いがある。

一生誰とも付き合わないか、遊びの恋愛程度に留め、誰の心も傷つけることなく生きてくれ。間違っても「自分のことを本気で好きになってくれる恋人」を選ぶなよ。

……と。

こんなことを言いたくなるくらい、私は怒りが湧いた。

でも、自然消滅に限らず相手から裏切りを受けることって、恋愛をしていると一定の確率で起こりうる。浮気・モラハラ…バリエーションも豊かだ。

特に、”まじめでやさしい人”が被害を被っている印象があって悲しい。逆に、自然消滅など「やった側」には基本的に自覚がないのも悲しい。

だから、「やられた側」目線で、そういう失恋とどう向き合うかを私なりに考えてみた。

まずは、”相手への怒り”の対処法。

相手が最低であるほど「仕返しをしてやりたい、見返してやりたい」と思うことがある。ネット検索では「そんな彼は忘れて次の恋」がお決まりのフレーズだが、そんなアッサリ次に行けたら苦労しない。

ただ、最低な人間は放っておいても不幸なので安心してほしい。

例えば、友達の彼のような”自然消滅タイプ”は嫌なことからすぐ逃げる。当たり前だが、彼はおそらく何も成し遂げられない。それどころか、逃げたせいで大きなトラブルを抱えることもあるだろう。

「自分の悪い部分」に向き合えないから、また同じことをして、同じ問題を起こす。絶対に。

それは、死ぬ直前かもしれないし、明日かもしれない。

恋愛ではなく、仕事や家族・友達との関係で問題が起きるのかもしれない。

何より可哀想なのは、もし彼の人生に何か問題が起きても「自分の逃げ癖のせいだ」という自覚も持てない可能性が高い。相手と向き合えない人は、自分とも向き合えない。だから、いつも逃げてしまって原因に気がつけず、結局変われない。

このように、一生「変われないまま」、薄っぺらい人間のまま生きて死ぬ。

私はこれ以上悲しいことはないと思うので、あえて相手に報復しようとは思わない。見返さなくても、もともと相手の方が「下」なので相手にしないこと。

逆に、最低なことをされた側は、傷ついた分たくさんのことに気づける。

自分が”一緒にいて幸せな相手”はどんな人か思い巡らせてみる。同じような恋愛を繰り返しているなら、自分の中の何が「最低な相手」を選んでいるのか考えてみる。

「今まで相手のことばかりで、自分をないがしろにしてたな…」と気づいたら、これからはもっと自分を大切にしようと思える。

傷を負ったぶん自分と真剣に向き合わざるを得なくなる。そうやって、今回の失恋すら自分の糧にしていけるなら、人生がより豊かになるはずだ(大げさではなく)。

私自身も、過去に典型的なモラハラ彼氏と付き合っていた。別れ方も最悪で、周囲からの二次被害にも遭い、何年もトラウマに苦しんだ。

でも、あのモラハラ彼氏と付き合っていなかったら、こんな記事は書けなかった。きっとnoteを見つけることもなかったし、イベントに誘ってもらうことも、出店することもなかった。

自分が”文章を書くことが好きだ”と気がつくこともなかった。

もっと言えば、今の彼氏と付き合っていなかったかもしれない。同じような恋愛を繰り返しては、いまだに「なんで私ばっかり」と苦しんでいたかもしれない。

だからこそ身をもって、無駄な経験なんてひとつもないのだと言える。

このように、失恋した友達も、この記事を読んでいるあなたもこの失恋がきっかけで人生が変わるかもしれない。

それは目に見えないほどゆっくりで、不安になるかもしれないけれど。

でも、大丈夫!いつか絶対「始まりはあの失恋だったかも…」としみじみ思える日がくるから。

だから今は「おつかれさま」。つらい日々を過ごしているなか、この記事を読んでくれてありがとう。

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