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台湾式「ストレスを受け流す生き方」のコツ

中国語のレッスンで、今は詐欺電話が掛かってきた時の会話が題材なのだけど、その中で面白い話を聞いた。

「上輩子欠他(前世で彼に借りがある)」

✳︎「騙された時、どう捉えるか?」✳︎


授業の中で「騙された時、どう思うか?」という討論の中で、もちろん台湾人も騙されれば「くそっ!」っと思ったりもするらしいのだけど、基本的に大概の台湾人の考え方としては、最終的には「彼には前世で借りがある。だから今回騙された事で借りを返した」と思う事にして、あとは「買經驗(経験を買った)」「當作學費(金は取られたけど人生の勉強が出来た)」と捉え方を変え、最終的には受け流す人が多いのだと聞いた。

しかもその後は、「別に彼(騙した人)の為に自分の人生があるわけではないので、騙した人の事ばかり考える事こそ勿体ない」と思うらしく、後は「しょうがない!」と今後に向けて、思考を向けていくらしい。

この台湾式のストレスを受け流す生き方のコツ、マジでめっちゃ良いなぁ👍👍👍✨と思った。

✳︎絶妙すぎるリフレーミングの文化✳︎

日本人の感覚だと、「ストレス源の誰かVS自分」という二者関係で考えるから、どうしても怒りや悲しみや悔しさなどがズルズルと湧くし、気持ちが浄化されるのにも時間がかかる。でも台湾流の考え方だと「前世」という、ある意味曖昧で立証できない漠然とした概念を持ち込む事で、「どうしようもなさ」に妙な説得力が生まれる。なるほど。確かにそれなら前を向くきっかけになりうるかも、と私は思った。

✳︎台湾人の大らかさの源泉とは・・✳︎

当然日本と台湾では宗教観の違いもあるとは思う。でもこの考え方を聞いた時、私の周りの台湾の人は皆それぞれ独特の明るさや柔軟さや生命力や聡明さやタフさを持っていて、それが私にはとても魅力的に見えるのだけど、その輝くような強いエネルギーの源泉をこの考え方の中に見た気がした。

なるほどねー。そういう考え方をするからストレスのかわしかたが上手くて、皆んなあんなにノビノビ健康的で素敵に見えるのね。

改めて、その考え方イイなぁ。その文化面白いなあ、と思ったし、その土台の上に一人一人の個性があるのかと思うと、また更に台湾を好きになった出来事だった。

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