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親日国の台湾でお金を盗られた話

你好!
趣味が海外旅行の社会人です。

これは10年前、僕がまだ大学生の頃のお話。
純粋無垢でピュアだった頃のお話。

注意事項として、これはあくまでも自身の旅の教訓であり、台湾を非難するものではありません。
事実、あれから台湾には更に2回訪れていますが、今回のような経験はありません。
また度々この記事では、中国大陸との比較が出てきますが、中国や中国人を非難するものでもありません。

一個人の旅の一ページとしてご覧頂ければと思います。


2011年に僕は一年間中国へ留学していた。

留学から半年。
中国語にどっぷり浸かっていた環境から日本語の環境に戻り、せっかく一定レベルまで伸ばした中国語を忘れないようにしなきゃという焦りがあった。

そこで2012年の夏休みに台湾旅行を計画。

当時の日本は韓国ブーム真っ盛りで、今ほど台湾旅行なんて注目されていなかったと思う。
多分そもそも台湾にあんまり脚光も浴びていなかった。

エバー航空 キティちゃんジェット(2012年撮影)
航空機に日本のキャラクターを使っちゃうなんて、出発前から親日を体感。

実際に数日旅行してみて、中国と台湾の国民性の違いに驚いた。

同じ言語を話し、
同じ中華民族でありながらも、
こんなにも違うのかと大学生の僕は衝撃的だった。

まず台湾で驚いたこと。
・接客が丁寧で愛想がいい
コンビニとかで会計後に「謝謝!(シエシエ:ありがとう)」と言われて衝撃的だった(笑)
・小さなことでも謝る
謝罪の意味ではなく、日本人の「すいません」に近い感じ。
・なんか分からないけど滲み出る優しさ
・どこへ行くにも日本製・日本語が溢れていて、日本大好き!日本人ウェルカム!な雰囲気…。
どこを切り取っても新鮮だった。

僕の留学していた当時の中国は、
・どこでも大声で話す、叫ぶ。うるせー(笑)
・赤の他人にお構いなし!
・秩序が無い。我先に精神!
・接客も愛想がない、怖い、だるそう
・謝られる事はほぼ無い
・ゴミがいっぱい散らかってる
・どこでも痰を吐く。
 「っかああああっ〜、ぺっっっ!!!」
・排気ガスで空気が悪い(PM2.5の前の時代)
・声かけられたと思ったら、お金くれと言われる
などなど、今書き出すと全てが愛おしいこと(むしろこの儀式を通過しないと中国を愛せない。これこそ中国って感じで中国好きです)が台湾では全くなかったのだ。

当時の大学生の僕はこの違いに感動していた。
同じ中華民族なのに、こんなにも違うものかと。
あまりにも親しみを覚えたため、まるで台湾人を中国語を話す日本人だと思ったほどだ。

一応中国の立場をフォロー?すると、
僕は2011年に留学しており、それ以降も何度も中国には遊びに行っているが、変化や発展が凄まじく、その辺の文化的な価値観も大分変わった。

昔は飲食店で店員さんを呼ぶ時は、
大声で
「服務員(フウーウーユエン)!!!」
(おい!店員!!!)
…的な感じで呼ぶのが当たり前だったが、2019年に大連に行ったら、現地の大学生曰く、もうそんな呼び方はしないとのこと。
普通に「你好!」と優しく声をかけるか、スマホのオーダーで済ますと…。
大声で店員を呼ぶなんて、一昔前の人かマナーがない人がやることらしい。
中国の文明的な発展に悲しくなった…。(笑)

あと中国も広いので、北と南で国民性も大分違う。
僕がいたところは東北地方なので、結構ガッツな人が多いのだが、南は声も小さくて大人しい人が多い。
だから台湾も南の国民性に近いのだろう。
何より中国は人口が多いため、色んな人がいるし、悪い人や嫌な人が目立ってしまうが、中にはとっても良い人もいるのも事実で、一度仲良くなると懐が深すぎるのが中国人。

…そんな経験をしてきたものだから、いわゆる"悪目立ちしていた中国人"とどこにでもいる台湾人の振る舞いが違いすぎて本当にびっくりした。

そして台湾の方は、日本人をすぐ見分けられるそうだ。
一方中国は、多民族国家のため色々な顔立ちの人がいる。
特に僕の留学先は外国人が少ないためか、日本人に見分けられることもなく完全に同化していた。
そのため、台湾旅行中、国語(台湾で言う中国語)を話す日本人として、大分もてはやされて気分が高揚していた。

台湾人皆親切で台湾最高!
台湾大好き!

と意気揚々としていた。
そんなもんだからかなり油断していた。

そして事件は起きた。
台湾最終日の夜、西門街という東京でいう渋谷のようなところを歩いていた。

西門街(2012年撮影)

そこで若い男女二人組に声をかけられた。

男女: 你好!
僕: 你好!
男女: 說些什麼什麼什麼…

…中国語で何か言っているが、ちょっとよく分からない。
聞き取れない悔しさがあった。
そこで
「外国人だからもう少しゆっくり話してくれる?」と中国語で聞いた。

すると、
「えー、外国人なの?日本人!?国語上手すぎじゃない?どれくらい勉強したの?」
などなどお決まりの流れがあり、
「どこで勉強したの?」「台湾楽しんでる?」と楽しくお話ししていた。

そして向こうから、
「今道行く人にこれを買ってくれる人を探していて〜!」
文房具のセットを取り出した。
「実はこれが最後の一個なの!これが売れたら私たち帰れるんだ!請"幫我"買一個嗎?(買ってくれませんか?)と頼まれた。

この「幫我(バン ウォー)〜」という表現が、この頃の僕には馴染みがなかった。
相手に何かを依頼するときに、「〜してくれない?」というニュアンスで使うのだが、当時の僕は「幫(バン)」は「助ける」という意味なので、「あなたが購入することで私たちを助けてくれない?」と解釈してしまった。

中国大陸で、こんな謙った頼まれ方経験したことないぞ!?とまた別のところに感心してしまったのと、こんなに丁寧に頼まれたら断りにくいなぁと、僕の中の日本人が発動してしまった。

まあ正直要らないものだけど、この数日台湾観光楽しかったし、何より台湾の人にこんなに温かくしてもらったから、恩返し的な感じでいいかなと思った。
金額は正直覚えていないが、微妙に高かったと思う。1,000円くらいだったかな。

そこで、「いいよ!」と言い、お財布を取り出しお札を探していたら、
男性がお札が分からないなら見つけてあげるよ的なノリで、「お財布貸して!」と言い、躊躇いながらもなぜかお財布を渡してしまった。
そして予定の金額をしっかり確認して支払いは完了して別れたのだが、何だか気持ちはモヤモヤ。

ホテルに返って、財布の中身を確認すると、何か札束が少ない!…ような気がする。
財布にもともといくら入っていたのか分からないため、確信はつけないのだが、このスカスカ具合は多分多めに盗られた!

冷静に考えれば、赤の他人に財布を渡すなんて本当に何やっているんだと突っ込まざるにはいられないが、楽しい会話の後から売り込みされて少しパニクっていたのと、台湾の人なら大丈夫だろうと完全に安心し切っていたんだと思う。

クレジットカードやパスポートなどを盗られたわけではないし、数千円盗られたくらいだったが、旅での油断は禁物だなと改めて誓った。


反省点は、台湾の人が皆優しすぎて調子に乗って完全に油断してしまったこと。
あとは、中国語にとにかく触れたくて触れたくて、話したくて話したくてしょうがなかった勉強熱心な自分。
旅先で現地の人と交流できて舞い上がるのは悪くないが、時には毅然とした対応が必要なんだと学ばせてもらった。

おかげさまで、警戒心が人一番強い今日の僕へと形成されてゆく…(笑)

あー若かった!

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