「骨盤」って、一括りにしてもいいのかな?

「骨盤を前傾させる」ってよく聞くけど・・・


ランニング関係の雑誌でよく見かける
「骨盤を前傾させた方がいい」という件。

あなたも目にしたことがあるかもしれませんね。

んで、「骨盤後傾は良くない」っていう話も。

今日はですねー
「骨盤骨盤って言うけれど
骨盤って一括りにして、動きを説明していいんだっけ?」
ってことを、ゼロベースな視点で考えていきます。

ちなみに、骨盤って、こんな感じになってます。

骨盤って、中央にある「仙骨」、その左右にくっついてる腸骨
腸骨とくっついてる「坐骨」と「恥骨」
あと、仙骨にくっついてる「尾骨」の5つの骨で構成されてます。

この中でも、今日特にお話ししたいのが
「仙骨」と「腸骨」についてです。

「骨盤を前傾させなさい!」って言ってる人は
たぶん、骨盤を一つの塊だと思ってるのかもしれないんですけど
実は骨盤って、塊じゃなくて、分離して動くんですよ。
「仙腸関節」って言います。

ここです。

赤のマーカー引いてるとこっすね。

んで、もうちょいわかりやすいように
右の腸骨外してみましょうか。

赤のマーカーの部分が、仙腸関節の関節面です。

ここってもちろん、肩とか股関節みたいに
グルングルン動く関節じゃありません。

動いても1〜2mmって言われてるんですけど
とは言っても、動くことは動くんです。

なので、ここを塊として扱ってしまって
骨盤丸ごと、ごそっと前傾させてしまうと
何かと不具合が起こってきます。

一番わかりやすいのは、腰回りの張り、痛み。

あなたももしかしたら、走った後に立位体前屈しようとすると
思わず「アーイタタタタタタ」みたいな声が漏れませんか・・・w?

僕もどっちかって言うと反り腰な男子なので
走った後に立位体前屈すると腰が張ってたし
シャワー浴びる前にソックス脱ぐために膝上げるのがしんどかったりしてました。

でも、それってなんかおかしくねーか?

ゼロベースに考えてみると、やっぱそれっておかしいわけです。


骨盤を塊として前傾させちゃいけないんじゃないかと言う仮説


仮説を立ててみました。

「仙腸関節は・・・動きます!」

可動域は例え小さくても
仙骨と腸骨は、別々の動きができるんじゃないか?

別々の動きってのが・・・

仙骨は前傾させて、腸骨は後傾させるような。

てか、仙骨を前傾させると、腸骨は後傾っていうよりも
下制させるようなイメージなんですけど。

するとね、面白いことが起きたんです。

それは・・・

意識してないのに、下腹部が薄くなってくる・・・。

これってもしかして、た、丹田・・・?
いわゆる「丹田」って場所に力が集まってる感じ。

で、その感覚のまま走ったら
なんと、腰が張らない・・・w

まじか、と。

しかも、スッゲー膝の上がりが軽い感じがするんです。

それもそのはずですよね。
腰の筋肉、特に脊柱起立筋の張りは
膝上げるのを邪魔しますから。

よく、長い距離走ると脚の付け根が張ってきたり
痛くなっちゃったりするランナー、いるじゃないですか?
(あなたがそうじゃないことを願ってます・・・w)

そういうランナーの原因の一つは
腰回りの筋肉のタイトネスだったりします。


仙骨を前傾させるドリル


つまり、骨盤を塊として前傾させるっていうよりも
仙骨だけを前傾させるイメージです。

とは言っても、仙骨と腸骨って隣どうしだから
別々の動きするのって、難しいんですよね。

てか、実際は動いてるか動いてないか
わかんないレベルの話です。

なので、これをもう少しわかりやすく伝えらんないか?

そうやって考えついたのが、このドリルです。

仙骨って、僕の中では「骨盤」っていうよりも
「背骨」っていうイメージなんです。

なので、仙骨を前傾させるっていうよりも
このドリルみたいに、腰の隙間をなくした状態で
胸を前に出してみる。

そうするとですね・・・

前述しましたけど、下腹部が凹んできます。

上の動画のサムネイル見ただけでわかりますよね?

これってね、凹ましてるんじゃないんです。

勝手に凹んでるんです。

んで、この状態で走ってみてください。

面白い変化を感じてもらえると思いますよ。


人間の体って、面白いなー。

ゼロベースな視点でランニングを再考したら
もっと面白いことに気づけそうな気がして
やめらんなくなっちゃうんだよなー・・・w

高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員