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怒り感情をぶつけてくる人への対処法


イントロ

前回の記事では、本当に伝えたいことこそ怒ると伝わらなくなってしまうという内容を書きましたが、今回は怒られた側の対応について考えていきたいと思います。

最近は怒り感情をぶつけられると「パワハラ」じゃないのかな?と感じる人が増えてきました。

そう感じたときはハラスメント窓口に相談に行くことになるのですが、現実では、おおごとになったり、委員会の判断でパワハラ認定がされなかったりして、結局はお互いの関係性が悪くなり、どちらかが異動となるケースが多い印象です。

個人的には、せっかくお互いの考えを伝え合う良い機会なのに、とてももったいないなぁと思ってしまいます。

実際に、ハラスメント委員会や人事部が上手に関わると、お互いの考え方の違いが理解できて、今まで以上にチームワークが良くなるケースもあります。

とはいえ、第三者が関わってくれる機会は珍しいです。仕事中に、怒り任せに正論をぶつけられたときはどうすればいいか?私自身たまに質問をいただくので、改めてここで整理しておきます。

怒っている相手にどう接するのか?

おそらく、怒られたり高圧的な態度を取られると、萎縮して何も言えなくなったり、何も考えられなくなる人が多いのではないでしょうか?

もしかしたら、相手の怒りに反応して「それパワハラですよ!!」と怒りながら伝えて気まづい雰囲気になってしまうこともあるかもしれません。

怒り感情をぶつけられると脳は過度のストレス状態に陥ります。軽いパニック状態です。そうなると、冷静に判断できなくなってしまい

「闘争」か「逃走」

どちらかの行動をとりがちになります。

韻を踏んでいるのは英語の"fight" or "flight"から来ているためです。

言い換えると、「攻撃する」か「逃げる」かどちらかの行動になりがちなのです。ですが、どちらの行動を取ったとしても良いコミュニケーションにはなりません。

そのどちらでもなく、落ち着いて会話することが大切なのです。

怒られた側の対応方法

ケースバイケースだとは思いますが、いくつか方法を紹介します。

まず、怒られたときに冷静さを保つことは非常に重要です。怒りに反応しないようにすることが最も大切です。

1. 深呼吸をして落ち着く

怒られている最中に深呼吸をすることで、心を落ち着かせることができます。数秒間、ゆっくりと深呼吸を繰り返し、冷静な状態を保ちましょう。

ここでのコツは少し意識を切り替えることです。普段通りのコミュニケーションは相手の感情を上手に読み取って、同調し合うことが多いと思います。

ですが、怒り感情の場合は同調しないように注意しなければいけません。

個人的には相手が怒り感情を出してきたことに気づいたときは、できるだけ早く心を閉ざして相手の怒り感情に自分の心が反応しないようにしています。

そうして、できるだけポジティブなモードに切り替えて、会話をするように心がけています。

2. 相手の話を最後まで聞く

怒っている相手の話を遮らずに最後まで聞くことが大切です。相手が話し終えるまで待ち、その後で自分の意見を述べることで、相手の感情を尊重しつつ、冷静な対話が可能になります。

怒り感情はいつまでも続きません。黙って聞いていると自然とボルテージが下がってくることがほとんどです。いつまで経っても怒りが収まらない場合の多くは、会話の中に新たな怒りポイントが出てきてしまうからです。

そうならないためにも、黙って相手の言い分を聞いてみましょう。最初は怒りまかせに喋っていた相手も次第に怒っている自分に気づいて、我に返ってくる瞬間があります。そこを見逃さないようにしましょう。

3. 共感を示す&質問する

怒りがおさまってきたタイミングで、相手の怒りの背景に共感の言葉を伝えてみてください。そうすると、相手の怒りが弱まっていきます。

ただ、相手の怒りの背景を掴むのが案外難しいことも多いです。

アンガーマネジメントでよく「怒りは二次感情」と言われています。

悲しみや困惑、不安、驚き等の一次感情をそのまま受け止めるには苦しすぎるため、怒りというバリアを張っているのだそうです。

怒りの奥底にある一次感情は何なのか?という思いで相手の話を聞き、理解できなければ質問をしながら、共感的態度を示して下さい。

このときの共感はSympathyではなく、Empathyです。
※詳しくは下記記事を参照ください。

4. 自分の意見を冷静に述べる

相手の話を聞いた後、共感しきれない部分がある場合は、素直に自分の考えを伝えましょう。理解できないことを伝えた上で、もう一度相手の考えを理解したいという姿勢を示しましょう。

その際大事なのは、I(あい)メッセージで伝えることです。
「私は〇〇と思うんです」

そうやってお互い、Iメッセージで語り合えれば、お互いの考え方が違うことを認識できるようなります。

5. 純粋な気持ちで質問する

ですが、「それは違う」「お前は間違っている」と相手から否定的な決めつけの言葉が返ってくることも少なくありません。

そういうときこそ、パニックにならず冷静に対応できるよう頑張ってみてください。そして、純粋な気持ちで質問し続けてみてください。

「それは何でなのすか?」「それってどこに書いてありますか?」というように、理由や目的を尋ねたり、相手のいう正解がどの事実に基づいての発言なのかのファクトチェックをするイメージです。

ただし、あまりしつこく聞きすぎると相手の不快感が募ることもあるので、その場合は質問をやめて「ありがとうございました」と終わらせるのも手です。

6. 適度な距離を置く

そうやって、今目の前にあるどうしても感情的になってしまいそうな場合は、一度その場を離れるのも一つの手です。「少し時間をいただいて考えたいです」と伝え、冷静になる時間を確保しましょう。

まとめ

怒られたときの対応は、冷静さを保つことがポイントです。

落ち着く、相手の話を最後まで聞く、共感を示す、質問をする、自分の意見を冷静に述べる、純粋な気持ちで質問する、適度な距離を置くといった方法を試してみてください。


番外編. バカにされた場合も、感情的にならない


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