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共感的態度って案外難しい…

先日、安易な共感は相手の信頼を失うことについて下記の記事を書きましたが、今日はもう少し詳しいお話をしたいと思います。

共感は大きく分けると2種類あるそうです。専門的にはもっとあるのですが、わかりやすく2種類と私は理解しています。

SympathyとEmpathy

これは、昔ブレディみかこさんのこの本

を読んだときに知ったことばで、日本語に訳すと両方とも「共感」にあたります。

ちょっとかいつまんで解説すると…

Sympathy(シンパシー)

これは、感情的な状態のことで
たとえば、先日飼っていた犬が亡くなったと相手が悲しそうに話したときに、自分も相手と同じように悲しい気持ちになることを指します。一方、

Empathy(エンパシー)

これは、知的な作業のことで、
同じ話を聞いた時に、どういう状況だったのか、相手はどう思ったのかを理解しようとする行為のことを指します。

私もそうだったのですが、「共感」という言葉にSympathyの認識しか持っていませんでした。
なので、医学部時代に「共感的態度で患者さんと接しましょう」と教えられたときに、杓子定規に「それは辛いですね」と安易にSympathyをしていた恥ずかしい自分を思い出してしまいました。

また、Sympathyはリスクが大きいことの具体例をもう一つ紹介します。

医療の世界では、よくある「癌の告知」

種々の検査をして癌であることが判明し本人や家族にそのことを伝えた直後の場面です。

患者さんの顔を見ながら、「辛いですよね」と言ったとします。内心で、きっと癌と診断されたら辛いに違いない。自分だったら辛すぎるし、そう思って上のことばをかけてしまうと、患者さんは怪訝な表情を浮かべるかもしれません。

「あなたは癌です」と言われたら、パニックになって頭が真っ白になってしまいます。心の中では、「え?今なんて言ったの?がん?がんってなに?誰ががん?どういうこと?」と目の前の現実を整理して受け入れるのに必死でパニックになっていることが多いです。

そんな状況で「辛いですよね」と声をかけても、そもそも相手の耳に入らないかもしれませんし、届いたとしてもその瞬間の感情を的確に言い表していないので、さらに頭が混乱してしまうこともあります。むしろ、自分のことは何もわかってくれないと不信感につながるかもしれません。

相手の気持ちとピッタリ同じであれば、
「この人は自分の気持ちをわかってくれる!」と信頼を得ることができるのですが、間違った共感をしてしまうとかえって信頼を損ねることになります。

そう考えるとSympathyはリスクが大きいものなのです。

なので、そういうときには、相手の気持ちの整理がつくまで待ってから、ゆっくりと相手の気持ちを受け止めます。相手の気持ちがわからなければ「今どんな気持ちですか?」と素直に尋ねることもあります。そうして相手の考えや感情を聞き取って理解すること。それがEmpahyなのです。

このEmpathyは、「私の気持ちをわかってくれる」とまではいきませんが、心から相手の考えや気持ちを聞き取ろうという姿勢を示していると「自分のことをわかろうとしてくれてるんだ」と肯定的に捉えてくれるようになります。

まとめ

共感にはおおきくわけて2種類あります。

Sympathyは、相手の気持ちと全く同じ気持ちになった時に使うと効果的。Empathyは、相手の気持ちがわからない時に、相手の気持ちやその気持ちに至った背景や考えについて尋ねること。相手のことを理解したいという態度を示すこと。

意識してSympathyとEmpathyを使い分けてみてください。

最後に、Empahyについて、ブレディみかこさんがわかりやすく書かれた本を紹介するので、もし興味のある方は読んでみてください。


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