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臨床の基礎学としての心理学
基礎心理学にはパーソナリティ心理学以外にも,学習心理学,認知心理学,感情心理学,発達心理学,ストレス心理学,社会心理学,生物学的心理学などの領域が存在し,これらと交流することで豊かな発想や方法論を得ている.
Ⅰ.学習心理学人間や動物の学習の過程を扱う分野.
不安症などの不適応行動を説明.
例)古典的条件づけ:I.P.パブロフ(1920),オペラント条件付け:B.F.スキナー(1930),観察学習
性格5因子論(ビッグ5理論)
人間のパーソナリティは神経症傾向(N),外向性(E),開放性(O),協調性(A),統制性(C)の5つの因子で記述可能であるという論.
それぞれについて,心理学,病理学,生物学,社会学の視点から見ていく.
神経症傾向(N)
外部刺激に敏感に反応し,情緒不安定の傾向を表す.
神経症傾向が高い
危険に対して敏感であり回避しようと行動する.ストレスがあると不安,緊張などの感情的な反応を持ちやすい.
エビデンスにもとづく臨床心理学
3つのパラダイムシフト臨床心理学は100年ほどの歴史を持っているが,1990年ごろから3つの大きなパラダイムシフトが進行しつつある.
第1のパラダイムシフトーエビデンスにもとづく実践
エビデンスは実証的な研究によって裏付けられた科学的根拠のことを指す.これまでセラピストの勘と経験だけで行われてきた臨床実践が,客観的に実証されたエビデンスをもとに行われるようになった.これは基礎心理学と臨床心理学