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『ROMA/ローマ』

原題「Roma」

◆あらすじ◆
70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。


何かが壊れ、違う何かが生まれる。


車のクラクション、物売りの笛、犬の鳴き声、子供達が部屋を行き交う足音、旅客機の飛行音、行進ラッパ…日常のあらゆる音がBGMだ。

男尊女卑、格差社会、暴動などひとつの家族が激動の時期を生きる風景を覗いているような作品。

中流家庭の家族が3家族集まって別荘か何かで過ごすシーンがあるんだけど拳銃を何丁も持って来てて子供が近くで遊んでる中バンバン撃ってるの結構衝撃だったな。子供居る所でそれはさすがに無いだろ!ってココロの中でツッコミ通しだった。
勿論誰も居ない所に向かって撃ってるけどね、それでも殺傷能力最高値の拳銃ですからねぇ・・・。
いやはやお国柄だね。


過激な面としては一見恋人同士の諍いに見えるクレオとフェルナンデスのエピソードだが、フェルナンデスが所属していた集団は実在した政府軍の支援組織らしくこの一連シーンはメキシコのヒエラルキーを表した重要なシーンだ。フェルナンデスは武装集団でのし上がりヒエラルキーのトップに上り詰めたいと言う気持ちが強く女性蔑視の意識もあり自分の道を阻むものは全て排除する徹底ぶりに恐怖心さえ覚える。

過激な側面の一方で主線では一つの家族とその家の家政婦クレオの失意と再生を描いてるがそれと並行して彼らの絆が深まる過程を描いてる。
一家の母親が夫に出て行かれてどん底状態になるんだが彼女が次第に自分を取り戻して最後家族と家政婦に決意表明するシーンがステキだった。

そして家政婦のクレオも身籠りながら恋人だった男に捨てられ死産を乗り越え本心を告白するシーンは胸がギュっとなった。

この海辺のシーンからラストに掛けては見事としか言いようが無かった。
人の繋がりは血でも身分でも無く共に過ごした時間の濃さだと描いてる。


何が起きようと時はいつでも等しく流れ生きる事の後押しをし癒しの援護もしてくれる。

実録の様な空気感に心地良い緊張感を覚える作品だった。



まぁ、前半若干眠気が・・・でも無修正で目が覚める!(笑)






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