見出し画像

『イエスタデイ』

原題「Yesterday」

◆あらすじ◆
ある日、売れないミュージシャンの男は交通事故に遭い、意識を失って病院に担ぎ込まれる。彼が目覚めると、そこはなぜか歴史上からビートルズの存在が完全に消えた世界になっていた。彼が弾き語りでビートルズの「イエスタデイ」を披露すると、幼なじみの友人は初めて聴く美しいメロディに大感動。


※完全にネタバレです。

こんな突拍子もないシチュエイションでボイル監督ラストはどう決着つけるのかしらんって思ったけどいやいやチョイと予想外でホロっとした。

冒頭、『When I'm Sixty Four』をひっかけた台詞で「あれ、可笑しいぞ?」ってなるシーンでちょっとワクワクした。「いよいよビートルズを知らない世界が始まるのねぇ~」ってね。

ビートルズの曲は極々個人的な事が歌われてるからやっぱりその辺がこの作品のミソだよね!
そう、だからこそロシアとリバプールから現れた2人(ジャスティン・エドワーズ&サラ・ランカシャー)のシーンが生きる。
あそこであの2人がジャックに「お前が作った曲じゃないだろ!この詐欺野郎!!」とかって妄想同様に責め立ててたらそれは真のビートルズファンじゃない気がする。

アタシャ特別ビートルズに思い入れがあるわけじゃないんだけどでも彼等の曲は殆ど知ってるしもちろんディスクも持ってる。それに耳に馴染んだ曲ばかりでやっぱり流れてれば口ずさんでしまうくらいには好きだ。ダコタハウスの門先にも手を合わせに行った。
それくらい少なからず誰もが影響を受けている彼等の曲を【伝える】【遺していく】と言う意味で彼等2人の登場はダニー・ボイル流のビートルズ愛なんだろうな。

そんで、チョイチョイ面白いのブッ込んでくる辺りはさすが!
この世から無くなったのはビートルズだけじゃなくビートルズに影響されたものとして(あの兄弟が仲悪い)オアシス、コーク(コカ・コーラ)、ハリー・ポッター、シガレット・・・も消えてた。
オアシスはもう影響されまくりだから真っ先に抹殺されてて笑った。
まぁ他にも影響されたバンドは数多あると言うか影響されてないバンド、アーティストは無いだろうけど『オアシス』はソックリな曲もあるくらいだから、代表だね。
(その点で日本ではミスチルも居ないなって大分言われてるねww)

エド・シーランの着信音が自曲の大ヒット曲『Shape of You』で吹いた。

この物語はもともとエド・シーランがモデルらしい。この舞台になってるサフォーク出身だしね。彼の実際のエピソード(ロマンスに関しても)が使われてるって言ってた。奥さんがキャビンアテンダント役でカメオ出演してたらしい。

そしてジャックを前座に使うアーティストの役には元々クリス・マーティン(コールドプレイ)にオファーしてたって。でも断られて本人のエドが出たんだって。でもクリス・マーティンだとこの役はちょっと違った気がする。エドで良かったよ。彼のイイ人っぽさが全面に出てたしね。
             

個人的にはジョエル・フライのロッキーが好きだったよ。
あのお馬鹿さは貴重な役柄だったと思う。 

ああいう何も考えて無さそうで、でも肝心な時にそのおおらかさが慰めになったり頼りになったりする存在。で、彼が結構きちっと演じてるのがステキ❤

で、リリー・ジェイムズは『ベイビー・ドライバー』に続いて健気に相棒をフォローする役なんだけど彼女は『高慢と偏見とゾンビ』っちゅーB級の名作が個人的には大好きでその時の彼女が最高だったからそれから注目してたんだよね。そしたら『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』やら『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』とかガンガン出て来てやっぱねって感じ( ✧Д✧) キラーン

そして多分誰もが一番驚かされたあの終盤の展開!!!
ダニー・ボイル作品常連のロバート・カーライルがジョン・レノンに変身してご登場よ!

コレは驚くよねぇ????


思わず「あぁ、そうなのね」って思った。
だってビートルズは誕生してなくてもジョンもポールもジョージもリンゴも居なかったって言うんじゃないんだもん!
この世には存在してるんだもん!
ただあの教会でポールとジョンが出会わなかったってだけの話でしょ?!
で、超有名にならなかったんだから凶弾に倒れる事も無かった。
「今いくつですか?」「78歳です」には泣けた。

歴史が変っても残るべきものは残されるんだなって事。

しっかし『Hey Jude』のタイトルを『Hey Dude』(おい、相棒)に替えちゃうのは一番ダメだよ!だってJudeはジュリアン・レノンの事なんだからさぁ・・・(~_~;)

あとね、久しぶりにイギリス英語気持ち良かった。
その分LAのシーンは(特に会議室シーン)は気持ち悪かった。
この辺もしかしてダニー・ボイルの皮肉?ww

人を騙すような生き方は絶対にいつかしっぺ返しが来るよ。


でも、そんなこんなでイイ映画でした。

ところで、ダニー・ボイルはインド系のラストネームは【パテル】が好きで【マリク】って役名を演じさせたいのかな?ww



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?