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『ジョジョ・ラビット』

原題「Jojo Rabbit」

◆あらすじ◆
第二次世界大戦下のドイツ。母のロージーと2人暮らしの10歳の少年ジョジョは、憧れのヒトラーユーゲントの合宿に参加する。想像上の友だちであるアドルフの叱咤激励を受けながら、クレンツェンドルフ大尉の厳しい訓練を懸命にこなしていくジョジョ。そんなある日、彼は、母がユダヤ人少女を自宅に匿っていることに気づいてしまう。


ナチスかぶれの少年が戦時下で見る物から学んでいく過程をユーモラス且つシリアスに描いていく。

主人公ジョジョの一番の親友が妄想で現れるアドルフだったり、母親が実はユダヤ人保護、救出支援者で自宅の隠し部屋に匿った女の子エルサとジョジョとの遣り取りで学んでいくと言うような【子供目線で描いたナチスの恐怖や戦争の惨さ】がすんなり入って来る演出だ。

そんな戦争の不条理さをこんな風に描くんだなぁ。

もしかしたらふざけ過ぎだとか考証が間違ってるとか言う真面目で厳しい意見もありそうだし賛否両論な感じはある、でもマオリ族とロシア系ユダヤ人の血を受け継ぎ、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』で吸血鬼と人間の異種間同居、『マイティ・ソー バトルロイヤル』では壮大なスケール感と家族、真面目な題材の中にお茶目さを加えるなどのコメディ要素もワイティティ監督だからこそ作り得た作品だと思える。

本編のジョジョ&エルサがサム・ロックウェルと絡む場面ではちょっと『戦場のピアニスト』を思い出した。あの映画史に残る【Frederic Chopin Ballade No. 1 Op. 23 in G Minor】を弾くシーンね。ドイツ将校の前でポーランドの作曲家ショパンを弾くと言う重要シーン。個人的には同じ様な意味に感じたんだよね。もうドイツの敗戦は予測出来ていて無駄な血を流す必要はない状況。

戦争渦中で戦っている誰もが人を殺したいわけじゃない。誰もが相手を憎んでるわけじゃない。洗脳されてる人達も居るだろうがそうじゃない人たちの方が多かったはず。だからあのジョジョの家で繰り広げられるゲシュタポとの攻防はとても意味が深かった。
ここで決定づけられるのがサム・ロックウェル演じるクレンツェンドルフ大尉の裏設定だ。
本編を観始めてからずっと気になってたアルフィー・アレン(『ジョン・ウィック』でジョンが殺し屋家業に復活する切っ掛けを作った不良の若造)演じるフィンケルとの関係がもう「やっぱりじゃないかぁぁ!!!」ってね。

そう!大尉はフィンケルと出来ててそれを隠してるわけですわ。隠しきれてないけどねww
で、公になれば自分も一気に差別される側・・・もう!サムさんホントこういう役多過ぎ(笑・・・もっとやって欲しい٩( ᐛ )و)
でもフィンケルは確実に登場した時から怪しかったww
あの最後のお二人の【歌舞伎方】がもう可笑しくて可笑しくて1人で笑うやら納得するやらであのシーンだけでもイイもの観たわぁ~❤❤❤ってなった。

そして2番目の親友ヨーキーが最高に素敵だったって事は記しておかねばならぬ。
演じたアーチー・イェーツ君は「ホーム・アローン」リブート版の主演が決定しているらしくこれめちゃ観たくなってんですけどね。ホンット可愛い!
で、全編通して彼ヨーキーが一番要領良くやってるなぁって感じよ(笑)大人的対処ww

無益な戦争から少年が得たものが戦争を失くす一番の要素。

人間は話し合う事が出来るって事。
唯一【言葉】を得た生物なのだからその能力を捨てるなよ!!



義眼のサム・ロックウェル💖


2020/01/28


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