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映画感想『アメリカン・ユートピア』

原題「DAVID BYRNE'S AMERICAN    UTOPIA」

◆解説◆
デヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバム『アメリカン・ユートピア』を基にした伝説のブロードウェイ・ショーをスパイク・リー監督が収録したライブ・パフォーマンス映画。アルバム収録曲に、トーキング・ヘッズ時代を含む彼の代表曲を加えた全21曲が、グレーのスーツで統一されたデヴィッド・バーンと11人のミュージシャンたちによる圧巻のパフォーマンスで披露されていく。

   Amazing!

    Amazing!

      Amazing!

これはカッコ良過ぎた!
こんなライブ映像見た事ない!


近所の映画館のリバイバル上映。
それもデイヴィッド・バーンとスパイク・リーの対談付きって!
公開時に見逃して、もうスクリーンで観るのは無理かと諦めてたけどマジでリバイバル上映してくれた映画館に感謝だわ。


デイヴィッド・バーンがまさに"打ち出す"音楽とライブ演出をスパイク・リーが映像化。効果的なカメラワークとカット割がこの前代未聞のステージを唯一無二の"鼓動"に変える。

デイヴィッドが魅せる舞台演出が最高過ぎてステージ始まる所からもう釘付け!
人間の脳の説明から入るライブなんて何処に在るってのよ!!

ワタシ達世代はやっぱりトーキング・ヘッズでデイヴィッドを知ってるわけだがあの奇抜な肩幅のジャケットが普通の肩幅に落ち着かれてwwそれも全員お揃いのスーツ。

でもその中の人達は多国籍でありジェンダーレスであり楽器構成も直ぐに思い浮かべられる様なバンドでは無い・・・でもディヴィッドが言う【チーム】として構築&進行していく彼等の想いに一糸の乱れも無く物凄く緻密に構成された、でも堅苦しくないステージが繰り広げられる。

その構成は彼等の住むアメリカが背景にはあるが意味するものは人類であり地球だ。
本来目指すものはひとつなのに何故そうならないのか?
隣人との違いを認め共生する事はそんなに難しい事なのか?

観客とステージの間に"目に見えない壁"さえ無い様に感じるこのライブはアメリカでBLM運動が起こった最中に行われ、人々が(それも体制側から)肌の色だけで暴行を受け死に至らしめられた現状を、アメリカが繰り返して来た負の遺産を打破せんとする彼らの【想い】がギッシリ詰まった内容だった。

或る一瞬の演出から涙が溢れて止まらなかったな。


しかし彼等の音楽性やら才能やら身体能力やらを含む天才的ステージはまさしく【鼓動】で生きている実感としか言いようが無い。

それは言ってみればマーチングバンドだ。
パーカッションの人口比が高い。
まるで組体操の様な演出・・・いや組んではいないが・・・表現力の乏しい自分には言い表せないなんともオモシロイ見せ方をしている。
チーム員(バンドメンバー)がステージを囲む暖簾の様に吊るされた出入り自由な壁の裏側とステージを出たり入ったり。

曲によって人数も違えば楽器も変える。そして歌うかと思えば踊ったり一人何役やるねん!とツッコまずには居られない程に一人の要素が多様だ。

お~~~~!これぞ多様性!!

その上【一体感】の意味まで身体が感じるのだ。


ホントに観ていて楽しくて堪らなかった。
尚且つワタシはパーカッション好き❤
楽しくないわけがないのだよ!!


後半はトーキング・ヘッズの名曲も懐かしくてついつい口ずさみながら少ない観客の中、カラダが勝手に動いて止められなかった。

またスパイク・リーのカメラ演出がイイのだ。
スンゴク試行錯誤したんだろうけど俯瞰の映像はやっぱり映像じゃなきゃ見られない特典みたいなもので、逆に特等みたいな価値観ある観客席の前方で観てた人には見えない景色だよね。

こういう多様を示すステージを一つの視点から観るんじゃなくて多岐に渡る視点で見せ、そこに加える演出で魅了する・・・この2人だから成し得たんじゃないかな?!

20代半ば、NYに足を運ぶ様になった頃、ちょうどスパイク・リーの『DO THE RIGHT THING』に衝撃を受けて40Acresの店を目がけてブルックリンに行ったものだった。
今作のラストに40 Acres and a Mule Filmworksのマーク出た時なんだか当時の事を思い出してしまったなぁ・・・。


【FIGHT THE POWER】


あれから33年、一体何が変わったのか?

もういい加減そういうのやめませんか?

2022/03/11


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