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短文

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2021年1月の記事一覧

文章のLD

文章のLD 拙い文章ではあるが、自分の経験や記憶を辿って書くときには幾分心楽しく筆が進む(もちろん筆など使ってはいないが)。 逆に、考えをこらしたり、ネタが見つからなかったり、体調が悪いと筆が渋る。それは日の単位でそうなることもあれば、週単位で渋ることもある。もうだめだ、と思った翌週にネタがあふれ出してくることもある。そういうときはやはり筆が軽い。 できた文章に関しては自分でどうこうは言えない。一応、日本語として成立しているとは思うが、そして、読みやすくということも心が

ゆたかさ

ゆたかさ 自分にとっての豊かさを考えてみる。 大きな家、不要。庭、あれば可。 車、スーパーカー世代なので、いい車願望あるが、現状ミニバンで不満なし。 寒暖、暑さ寒さはしのぎたい。とくに夏の暑さは。 ごちそう、自分にとってのごちそうはハンバーグ。いろいろなハンバーグを食べたい。100パーセントつなぎなしは興味の対象外。むしろソース。ここのところ自分で料理。自由な環境、今試しているが快適とばかりもいえず。 心の平安、これは最重要だが、相場で喰っている以上不安はつきまとう。で

デジタルの音

デジタルの音 デジタル器機からの音が嫌い。薄っぺらくて、しゃかしゃかして、妙にかんに障る。スピーカーもどこについているのかよく分からない。 そこで工作。 最も簡単なのはスピーカーをティッシュで覆うこと。それだけで少しこもって音が落ち着く。 よく聞こえない。その場合はトイレットペーパーの芯の出番。切ったり繋げたりでメガホンのように形成し、スピーカーにつける。タブレットは後ろにスピーカーが付いていたので切れ目をいれた芯をかぶせて、上方から手前に芯を繋げた。そこに不要のクリア

恥飛ばし

恥飛ばし とんでもない醜態が白日の下にさらされる。これを知られたらもう二度と道を歩けない、そんな、心の奥底に隠しておきたいこと。 有名人の場合マスコミでまで喧伝されてしまう。下手すれば、一般人とて例外ではない。というより、誰でも、羞恥の差こそ違いはすれ、日常でそのような事態に陥ることも多々ある。 昨日まで遅刻してくる人間は絶対に許さない、といっていた人間が、自分が目にかけていた部下が下にきて、遅刻を繰り返したとしても何も言わない(実話)とか、あのとき言ったあの言葉、あれ

無名の楽器

無名の楽器 中古楽器を商おうというのは以前から考えていたことで、せっせとオークションで集めていた。どうせ後で売るのだから先行投資とばかりにいろいろ買い集めた。 昔の国産ギターは特に手当たり次第に行った。グレコ・ヤマハ・トーカイ・フェルナンデス。 驚くのはヤマハの楽器の精度だ。ヤマハの古いギターは本当に劣化が少ない。音もいい。が、個性がない。実用品というか、万人が納得する品質。 もし、今の新品と当時の古いヤマハが同じ値段だったら古いヤマハの方を私はおすすめしたい。そもそ

音色

音色 フルートの音色はテトラポットの上で吹いている人から聞こえる。不安定な足場で個性を引き出したいとのことだ。 そんなこといつ訊いていたか思い出していたところ沢山受けた就職試験の作文で一度だけ嘘の美談を書き連ねたことを思い出した。 誰もこんな話は信じないと思いながらへらへらとに文字を連ねた。 そこで働きたかったのにいい気に書き飛ばしていた。恥ずかしく、身をよじるような思いがあの音色から呼び出されてきた。 これが個性というものなのか。足場ではつま先が漢字で言う跳ねのよ

黒猫

黒猫 野良猫はきつい顔をしていた。石段の登り口に二匹でいて、オレンジ色の粒々を食べていた。金木犀の花に似ていたが細かい柿の種だったのだろうか。黒の子猫。 一月ぶりに外出した。半年ぶりの川べりだった。レンズから覗くと鳥やごみばかりが目についた。台風が過ぎたのだ。 雨風の際の猫は上方の茂みに身を隠していたのかも知れない。日曜日に降りてきた。 黄色い目玉を何度かこちらに光らせはしたが、気にとめられている風ではなかった。後で見ると黒い毛の固まりが古い階段に膨らんでいてどのよう

コワーキングスペース

コワーキングスペース 確定申告を終えた。損失繰り越しのための申告。前々年の損失に付いての資料がどこにも残っていなかったが、仕方なく前年のみ申告した。 ところでプリンターを持っていない。ワーキングスペースを利用することにした。 以前、どのようなものかと行ってみたことがある。そのときは五人ほどの利用者しかいなかった。鬼のような形相でノートPCをかちかちやっている女性がいた。三時間で五百円。一応三時間にして、周りの様子を観察しながら、二時間ほどいて帰った。 今回は二回目なの

小さな親切

小さな親切 小学生の頃、小さな親切運動と言う物があり(いまも有ると思われる)何かしら人に親切にしましょうと言われた。わざと鉛筆を落として拾いあって「ありがとう」などと急場に親切を取り繕うガキどもの一人でもあった。 基本、ひとは親切だと思っている。差別心や悪意と同様に親切心も持ち合わせている。要は、割合の問題かと思う。 世の中には親切にされて当然だと何の根拠か思っている人もいる。今までに電車やその他で立席を強要されたことが何度か有る。 それとは逆に、親切を無にする、と言

検索で事足りぬ

検索で事足りぬ 大抵は検索で用が足りる、となると、却って何も引っかからない調べ事の方に価値が有るような気がしてくる。 検索の仕方にも依るだろう。巧い検索が出来る人間の方がユースフルと言うことになる。実際、周りでも検索が下手でいつまでも解明までたどり着かない人が結構いた。 肝となる単語なりを選択するセンスというか知識というか、何かコツのような物は必要だ。それはおそらく、アナログな知識の集積からにじみ出てくる物だとスマホネイティブに対しては虚勢の一つも張っておきたい。 で

人生の拘束期間

人生の拘束期間 人は人生のうち、全くのフリーになっている期間がどのくらいあるのだろうか。 極端な例でいうと、0才から保育所に預けられ、学校の期間があり、そのあと会社で働く期間がある。この頃は65才まで働く人も増えた。健康でいられるのは目安80才くらいか。と、この場合は人生フリー期間15年と言うことになる。 私の場合はどうだろうか。幼稚園は5才から。学校の期間があり、22から働いた。そして、23でやめて、フリー期間が3ヶ月あった。そして24から52まで働いた。53以降は基

ドラムの決まり

ドラムの決まり ドラムセットには決まりではないが不文律のようなものがある。それからはずれるドラムセットにドラマーは違和感を感じるはずだ。 まずは、ドラムの色が違うこと。足で踏むバスドラム、バスドラムの上にのっているタムタム、床においてあるフロアタム。それらの色がバラバラだといまのところ変に感じる。ただ、だれか有名な人がその習慣を破れば様相は変わるかもしれない。 同様に各ドラムのメーカーが別、バスドラムの表に違うメーカーのロゴのものを張るというのも非常識に感じる。私はフロ

水族館と水の中

水族館と水の中 上野の動物園を一回りすると忍ばずの池の方にでる。以前、水族館が有った。 水族館には壁に組み込まれた水槽が並び、そこに一種類ずつ魚が泳いでいた。イトヨ、とかまず首都圏ではみない魚が必ずいて、トゲトゲした魚体で水草をつんつん突ついていた。 いろいろな魚が居て、魚類を見るのが好きだった私は、動物園でへとへとになっている親に我が儘を行って、次は水族館! と譲らなかった。それほど好きな場所だったのに、今はよく思い出せない。光がふんだんに射し込む明るい建物ではなかっ

後悔

後悔 アメリカに行ったことがない。本土。 アメリカに行ってみたいと思うようになったのは投資を始めてからだ。資本主義の中枢に行って、その空気に触れてみたいと少しばかり思った。 同じように、以前はフランスに行きたかった。シュルレアリスムの中心人物、アンドレブルトンの墓を参ってみたかった。文学と言えばフランス、その中でも二十世紀の革新的潮流ダダ、シュルレアリスム。 それ以前はイギリスに行ってみたかった。独自の発展を遂げ、未だに世界に君臨し続けるブリティッシュロックの本場に。