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ベンチャー企業の成長ステージで、心理的安全性を浸透させたストーリー

ZENTechの広報担当、松本瑚子(Ze松本)です。
今回は、ZENTechの心理的安全性マネジメント講座を修了された奥野和博さんと小森谷有紀さんに、ZENTechの萩原寛之(Ze萩原)と三浦佳恵(Ze三浦)と一緒にインタビューさせていただきました。
100名~200名規模のベンチャー企業の成長ステージで、お二方がどのように組織に心理的安全性を浸透させようとしているのか、また、講座で学んだことを現場で実践してみて感じたこと等をお聞きしました。

心理的安全性認定マネジメント講座とは

変化の時代に対応できる「学習し成長できるチーム」へ変わるために重要な「心理的安全性」について学ぶ、全5回・各回2時間45分・トータル3ヶ月間の講座です。
詳細はこちら↓
https://zentech.jp/lp/psychological-safety


奥野さん:10期卒業生の奥野和博と申します。私は110人前後のアウトドア事業の会社で人事をしております。本日のインタビューは、エンジン全開で行ければと思います。よろしくお願いします。

小森谷さん:ナイル株式会社の小森谷有紀と申します。私は、メディアテクノロジー事業本部 本部付PMOで、プロジェクトの後方支援やマネージャーの育成などを担当しております。

Ze萩原さん:会社の成長期の苦労や、心理的安全性をどう取り入れていけば良いか等についてお話ができればと思います。本日はよろしくお願いいたします。

根本的なところにアクセス出来る心理的安全性

Ze松本:どのようなきっかけで心理的安全性認定マネジメント講座を受講されたのですか?

奥野さん:当時私は、組織作りにおいて、応急措置的なことばかりで、根本的なところにアクセスできていないなと感じていたんです。「なんか変だな」と違和感があったのですが、それが何かはわかっていなかった。しかし、私たちの組織サーベイの結果を見ると、個々人にはそれほど問題はないのですが、階層間やチーム間、横の繋がりに問題が多くて。これは個人ではなく「繋がり」に問題があるのだろうなと思いました。でも、経営側や組織長は「個人に問題があるよね」と、あまり繋がりに課題感を持っていなかったんです。
そんな時に石井さん(Zentech取締役:『心理的安全性のつくりかた』著者)の心理的安全性のセミナーを聞いて、元々考えていた「繋がり」の部分にアクセスできそうだと思いました。また、これは手法・手段という話ではなく、「組織作りの土台の部分で重要そうだ」と感じ、受講を決めました。

Ze三浦さん:奥野さんが感じていた課題感と、心理的安全性が繋がったのですね。

小森谷さん:私の場合は、上司から、「心理的安全性の高い組織は、ヌルい組織ではない」と書かれた石井さんの記事を渡されて、「こういうことをやりたいんだよね」と言われたのがきっかけです。社内に心理的安全性のノウハウはなかったので、単純にセミナーを受けるだけではなく、壁打ちできるような社外コミュニティに入れたらいいなと思い、心理的安全性認定マネジメント講座の受講に至りました。

コミュニティに入れるメリット

松本:実際に講座を受けてみて、最も役に立ったところはどこでしたか?

奥野さん:私は手法・手段を取り入れたいのではなく、私たちの組織が抱える課題を解決したいと思っていました。この講座の場合は、手法・手段の話もあるのですが、基本的には概念の話なんですよね。“正しいかどうかじゃなくて、役に立つかどうかですよ” “役に立つかどうかは、その文脈次第ですよ”という機能的文脈主義の科学哲学に則って、そこから講座の全てが展開されているので、概念もツールもどちらも整理、体系化されています。軸が一本しっかりしているというところが良かったです。

小森谷さん:私は、心理的安全性だけではなく、心理的柔軟性もセットで学べたことが良かったです。この講座はボリュームが結構あるので、それを全て使って社内に浸透させていくという事はできていないのですが、パーツパーツで上手く会社に馴染みそうなところからスタートできるというところがいいなと思っています。自分で説明しきれないところは「これ読んでください」と石井さんの本『心理的安全性のつくりかた』を読んでもらったり(笑)
あとは、学んで終わりではなく、その後も安全地帯(修了生コミュニティ)に入れることはやっぱり価値があるなと思いました。

Ze三浦さん:小森谷さんは今まさに安全地帯に参加されていて、修了生コミュニティの良さを味わっていただいていると思うのですが、実際にはどのような良さがあると感じていらっしゃいますか?

小森谷さん:一緒に学んでいける、ソーシャルラーニングコミュニティみたいなところかなと思っています。特に、私のように部門側で人事的な施策を考えている人は世の中にそんなに多くないし、周りに相談できる人もいない。コミュニティのみんなと心理的安全性について継続的に一緒に学べるところがいいなと思います。

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講座内容をアレンジし社内でワークを導入

Ze松本:講座で学んだことを現場で実践してみて、周りにはどんな変化がありましたか?

奥野さん:昨年11月から今年の2月頭まで、管理職向けに心理的安全性のワークを導入したのですが、ワークを行っていく中で、現場の人から「凄い変わったよ」という声をもらいました。また、管理職同士の気づきもありました。「自分はこう考えていたけど、そんな風に考えている人もいるんだ」というものだったり、「そういう考えからすると、こういうアイデアが生まれるんだ。じゃあちょっとそれやってみよう」など。今回のワークを通して、行動を促すきっかけになったのだと思います。

Ze三浦さん:小森谷さんは、心理的安全性認定マネジメント講座で学んだことを現場で活用したとおっしゃっていましたが、具体的にどんなコンテンツを使ったのでしょうか?

小森谷さん:行動分析の「きっかけ→行動→見返り」のフレームワークと、「価値行動」(※価値行動:みかえりがなくても、やり続けたいこと)を使いました。特に、価値行動については、働き方がリモートになってから、新しく会社に入った人はお互いのことをよく知らないまま仕事を始めていたので、自己理解と相互理解を深めるためのワークを通して、チームビルディングをしていこうと思い導入しました。価値行動のワークは、みんな楽しんでやってくれました。みんな自分のことを知りたいし、自分をわかってもらいたいという気持ちは誰しも根底にあるので。ただ、実際にそれを行動変容に繋げていくワークはできていないので、まだ入り口かなと思っています。

Ze三浦さん:価値行動ワークを現場でやることで、どのような化学反応が起こりましたか?

小森谷さん:まず、自己開示が確実に進みましたね。会議だと、仕事以外の話はあまりしないじゃないですか。1on1も、仕事が忙しいと目の前の課題解決に向かっていってしまって、お互いの特徴や誤解されがちなことについて話すということは、まずないと思うんです。でも、価値行動ワークによって、自己開示ができる場を作れたので、「あの人はああいう言い方をするけど、こういう価値観が背景にあるんだな」と相手の行動を理解できるようになりました。相手への理解度が上がったことによって、トラブルの受け止め方が変わってきている可能性があるかなと思っています。例えば、「もっと報告をしろ」と言ってくる上司がいて、自分は「なんでそんなに報告をしないといけないんだ」と思ってしまう。でも、上司はとても慎重性が高い人だと認識していたら、「あ、すごい不安なんだな」と思ってあげられますよね。

Ze萩原さん:ある意味、諦められますよね。

小森谷さん:そうです。「そういう生き物なんだな」と受け止められる(笑)そしたら「じゃあ、次どうしよう」と考えられると思うんです。

「プロセスから学べる」心理的安全性認定マネジメント講座

松本:心理的安全性認定マネジメント講座をどのような方にお勧めしたいですか?

奥野さん:これからの時代においては、全員知っておいた方がいいんじゃないかなと思います。今はVUCAの時代で、正解がすぐに移り変わるし、長く使える手法はないですよね。チームで成果を出していくためには、関係性の質を高めていく必要があるし、その関係性の質は、心理的安全性があると高まる。なので、基本的にはどの組織にも必要だなと思っています。

小森谷さん:私は、全ての業態、組織に当てはまるものではないかもなと思っています。たぶん、必要とされるのは、変化への対応が求められる組織だと思います。市場が過渡期にあり、トップダウンではなくチームを自立、自走させたいという組織にはいいんじゃないかなと思います。心理的安全性の概念は、人事側だけでなく、事業部側のマネージャーも理解するのがいいのではないかなと思います。中間管理職やマネージャー候補であれば、リーダーシップの開発にもなると思うので、そのような方々が心理的安全性を学んだら組織全体の底上げにもなると思います。

Ze松本:最後に、この講座を受けようか迷っている方々にどのような声かけをしたいですか?

奥野さん:みんな結果を求めがちで、「自分がインプットできるものはなんだろう」と考えがちだけど、この講座は、結果ではなくプロセスからも学べるというところが価値だと思います。なので、「とりあえず体験してみよう」と伝えたいです。

Ze萩原:心理的安全性づくりを講座内のチームで体験できるというのがいいと思いますね。どうやったら講座内のチームに心理的安全性を作ることができるか、と実験的に動いていたチームもありました。

Ze三浦さん:私は講座の2講目を終えたところなのですが、「心理的安全性の高いチームとはこういうことなんだ」というのを実感しつつあります。。心理的安全性が高いチームの雰囲気を体験しているからこそ、自社に持ち込めるというのもありますよね。

Ze萩原:手法・手段ではなく、それぞれの文脈、状況次第で役立つことをやっていくという思考が得られること、そして、それをまた仲間と一緒に学び続けていくことが自分たちの環境にも役立っていくという、そこの繋がりを改めて感じました。ありがとうございました。

Ze松本:本日はありがとうございました。


<松本コメント>
心理的安全性認定マネジメント講座は、手法手段ではなく一本の軸に基づいて展開されているため、各組織、自社に合うようにアレンジして実践できるということを、お二人の実践事例から知ることができました。講座修了後も、修了生コミュニティで仲間と一緒に継続して学べることが、お二人の心の拠り所にもなっているのだと感じました。

小森谷さんの記事はこちら:縦の「1on1」と横の「コミュニティ」で編む組織、軸となるのは共通言語としての「事業戦略シート」

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