MMS153宍戸さん

第153回MBS(2017/9/14対談)「鎌倉から『禅とマインドフルネス』を世界に発信する国際会議『Zen2.0』を開催」Zen2.0 co-founder 鎌倉マインドフルネス・ラボ 宍戸幹央さん

ご挨拶と出演者紹介

三木:マイクロモノづくりストリーミング第153回本日もお送り致します。本日は私の家の近くの材木座ホアカフェ(HOA CAFE)さんからお送りしております。本日はZen2.0のメンバーでもある…社名は何でしたっけ?

宍戸:鎌倉マインドフルネス・ラボという会社を立ち上げようとしている宍戸です。

三木:宍戸さんとZen2.0、9月2日と3日に行われた『禅とマインドフルネス』というイベントについて主に話をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

宍戸:よろしくお願いします。

宍戸さんの自己紹介

三木:簡単に宍戸さんの自己紹介をしていただければと思います。

宍戸:Zen2.0を三木さんと共に立ち上げて無事終えたというところだと思うんですけど、普段は企業の組織開発のコンサルティングと人材育成の研修の仕事を中心にやっております。そういう企業向けの研修やコンサルティングをしながら鎌倉で今回のようなZen2.0をやったり、『心と体の幸せの在り方を考える鎌倉会議』というものを企画したり、自然と共にある生き方とは何なのかというのを考えたり、これからの人工知能の時代にどのようなことが生き方また働き方として求められていくのかということを考える場を色々企画して実行しています。

三木:宍戸さんの経歴を簡単にいいですか?どんな人生を歩んでこられたか。

宍戸:なぜそういうことを今鎌倉でやるようになったのかということでお話しさせていただくと、よく最近変わった人だと言われる傾向があるんですけど、元々高校時代に人間の意識だったり潜在意識、無意識、精神的なものに対して非常に触れる機会がありまして、その深さであったりとか可能性が何なんだろうかということを探求し始めました。

宇都宮:高校の時から?

宍戸:そうですね。そういう深さと学校教育と企業の在り方、経済の在り方はずいぶんギャップがあるなということを考えて…

宇都宮:かなりギャップがあるじゃないですか。

宍戸:そうです。これは何なんだということで探求がスタートしたんですけど、それをつなぐものとしてサイエンスで、個人的には量子力学の世界に興味があって、理系の研究で大学院のマスターまで行きました。そういう精神的な世界とサイエンスまたはリアリティのある経済活動だったりテクノロジーの世界をどうつなげていけるのかな、真理は何なのかなというのを探求しながら、大学では量子力学のことに関わりながら一旦大企業=成熟した組織でITに関わる仕事に携わりまして、IBMに行ったんですけどそういう世界を見ながら、今度はベンチャーというものの立ち上げに関わりたいなという想いとロジカルシンキングとか左脳的な世界、MBAだったりコンサルティングの世界を踏まえた上で、何か新しいものに使えないかなということで、そういう左脳的な世界を広げるような企業の支援をする会社の立ち上げに関わりました。そういう形で企業の人材育成に長年関わりながら、色んなものが東洋的な思想で支援できるなって想いが経験として得られました、そういう組織の在り方として学習する組織というものも東洋的な思想がベースであったり、マインドフルネスというものが東洋的な思想がベースだったりするところを海外に学びに行くような文脈が日本にもあったので、それをむしろ日本で学べてむしろ海外に発信することができないかなということで、5年前に鎌倉に拠点を移し、鎌倉でそういう学びの場を創っていきたいなということでずっと活動してきました。

enmonoとの出会いについて

三木:初めてお会いしたのは我々が所属しているカマコンという団体の懇親会でお会いした……かな?

宍戸:そうですね。

三木:すごい変わってる人だなと思って。第一印象は延々とスピリチャリティと量子力学について2時間ぐらい話をしていただいたので、飲みながらこういうぶっ飛んだ人もいるんだみたいな(笑)。

宇都宮:宍戸さんは三木さんの印象はどういう感じでした?

宍戸:三木さん最初はすごい高貴な方だなって。落ち着いた佇まいで。

宇都宮:どの辺が高貴なんですか?

宍戸:佇まいというか…

三木:よくお分かりで。

宇都宮:見せ方上手いですよね。

三木:ちょっと皇室系の顔してます。よく殿下って言われますから。

宍戸:そうなんですか(笑)?

三木:嘘、嘘(笑)。

宇都宮:レジェンドとかね。三木さんからは変わった人っていう印象が…

三木:想像ではスピリチャリティとサイエンスみたいなのを色々考えてらっしゃる方は、何人かいらっしゃるんだろうなと思っていたんですが、本当にこの目の前にいる人なんだって。その時断食をされてたと思うんです。

宍戸:そうかもしれないです。

三木:すごい痩せてて1週間ぐらい食べないんでしたっけ?

宍戸:10日間です。完全断食ではなく栄養となる水分は摂ったりとかしながらのデトックスですね。完全断食みたいなものは3日間ぐらいはやったりしてるんですけど、ちょうど三木さんとお会いした時は10日間のそういうデトックス的なプログラムを個人的にやってる時に…

三木:個人的に(笑)。髪もすごい短くてちょっと坊主っぽくしたんですか?

宍戸:だったかもしれないですね。そういう断食だったり修験道の修行に行ったり、禅もそうですけど、色んなサイエンスとスピリチャリティを実感・体感する、どんどん色んなところに飛び込んで行って自ら触れることをやっていて、鎌倉に来てさらにやっています。

宇都宮:宍戸さんは誰にでもそういうお話をされるタイプなんですか?

宍戸:基本的にある程度受け入れてくれる人に対しては…

宇都宮:受け入れてくれそうな雰囲気があるんですか?

宍戸:鎌倉には受け入れてくれる人が多いなっていう印象があるのですが、ちょっと暴走して気づいたら6時間ぐらい話しあってたりもしました。

三木:その後しばらく時々カマコンで顔を会わすような仲になって、あれは2年ぐらい前ですかね?3年ぐらい前に会って1年ぐらい色々カマコンの中でお話をする機会があって、2年前ぐらいに急に頻繁に遭遇する事件が発生したんです。

宍戸:そうですね。1日に3回ぐらい。

三木:私が朝家の前で犬の散歩をしてると宍戸さんが子供さんを保育園に行く自転車ですれ違い、そして私が昼に打ち合わせで渋谷のカフェにいるとそこになぜか宍戸さんがいて、その夜にまた鎌倉に帰って来たら目の前にいたりとか、そういうことが週に2回とか3回続いて。

宇都宮:これは何かあるなと。

宍戸:そうですね。「これはちょっと1回飲みましょうよ」みたいな。

三木:会うたびに「飲みましょう」って言うけど飲まなかったんですけど、そろそろもう飲まなきゃいけないんじゃないかなっていう状況…

宇都宮:天の啓示なんですか?

三木:はい。その時にちょうど私が読んでた本がNHK出版、この番組にも出演していただいた松島さん(https://zenmono.jp/story/256)という編集者の方が編集した『マインドフル・ワーク』という本だったんです。私はその本が松島さんが編集したと知らないで買って読んで、おもしろかったなって裏を見たら松島編集担当…

宇都宮:2年前ぐらいですよね?松島さんに出ていただいたの。(2016年1月8日)

三木:そうですね。それでマインドフルネスっていう世界があって、それがこれから人々の働き方とか生活に大きな影響を与えるというのを何となくそのアメリカのトレンドから読み取って、「すごくおもしろいから一回マインドフルネスということを題材に鎌倉で飲みましょう」ということで駅前のワタミで私、宍戸さん、松島さん、鈴木さんの4人が…

宍戸:懐かしいですね。2年前の8月13日。

三木:よく覚えてるね。

宍戸:ちょうど次の日毎年登ってる富士山に登りに行ったりした日だったりするので。その時に『鎌倉マインドフルシティ』っていうのをもっと打ち出していいんじゃないかっていう話をして盛り上がったと思うんです。すごい盛り上がったなって思ってて、かなり飲んだなって思ってたんですけど、私飲んでなかったんですよね?あの時ね。

宇都宮:他の3人は飲んでたんですか?

宍戸:たぶんそうですね。それだけ飲んでなくても興奮した夜だったんですけど、その当時思ってたのが、鎌倉全体をキャンパスとして市民大学みたいな海外から学びに来るような場を創りたいと思って、ずっと動いてたところがあったので…

宇都宮:構想はその頃にはしていたんですか?

宍戸:そうです。鎌倉に引っ越して来た時点でずっと…シブヤ大学とか丸の内朝大学色々見させていただいたり、そのためにはテクノロジーが必要だなと思ったので、テクノロジーの世界という今回Zen2.0に登壇していただいた湯川さんに会いに行ったりして、勉強会に参加したりしてたんです。あと学ぶ要素として“自然と共に”というのでグリーンスクールというバリ島にあるのを見に行って、そういうのを鎌倉でもできないかなというのをちょうど考えたり妄想したりしてたような流れの中で飲みの場があったのでスパークしてしまったというような…(笑)。

宇都宮:スパークしたんですか?

宍戸:皆さんも同じような想いが結構あって…

三木:そこの場で出た言葉が『マインドフルシティ鎌倉』っていう今Zen2.0のベースになってる言葉が出て、その場で最初『クリエイティブシティ鎌倉』とか言ってたんだけど、「それよりも『マインドフルシティ』がいいんじゃないの?」「じゃあそれで」みたいな。

宍戸:Zen2.0って言葉はいつできたんでしたっけ?

三木:そういうイベントをやろうということで色々動いてる中で、たまたま私が知り合った清水ハンさん、どこで知り合ったかちょっと忘れちゃったんだけど…

宇都宮:前野先生からの紹介で…

三木:The Life Schoolっていうグリーンスクールっぽいのを日本でやってた方からいきなりFacebookで「ライフスクールの講師をやってくれませんか?」っていうメッセージが来て、参加して結構おもしろいスクールだったんです。

宇都宮:2年前ですよね?

三木:2年半ぐらい前かな?それでMBAじゃなくて楽しみながら遊びながら新規事業の起こし方が学べるみたいなキャンプしながら、そこで知り合った人がおもしろかったから、そういうマインドフルネスも実践されてるということだったので…

宇都宮:Googleのサーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)…

三木:サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)プログラムを勉強してるとおっしゃってたから、清水さんに「そういったマインドフルネスのカンファレンスで有名なやつないですか?」って言ったら「Wisdom(ウィズダム)2.0」っていうのがあるよっていうことで…

宍戸:清水さんから言っていただいたんですね。

三木:速攻検索したらサンフランシスコで毎年2月に開催されているっていうことで瞬時に予約し、宍戸さんにも「行きませんか?」って言ったんですよ。

宍戸:そうですよね。清水ハンさんと4年前か3年前にお会いして、マインドフルネスのワークショップを葉山でやってたんです。

宇都宮:そうなんですか?

宍戸:そうなんですよ。マインドフルネスを清水さんが広めたいっていう想いがあって、それで鎌倉でという話もあったんですけど場所がなかったので葉山の古民家で。そこからお会いしてなかったんですけどまた今回そういう流れで会って、不思議なご縁がそれ以外にもいっぱいあったのがZen2.0です。


Wisdom2.0への参加とZen2.0の構想について

三木:その後Wisdom2.0に一緒に行って衝撃を受けると。

宇都宮:2016年2月ですよね。

宍戸:そうですね。その後2015年8月の飲みの場があった後に、11月19日のカマコン定例会で三木さんが資料にまとめてプレゼンしてくださったりして、企画として今年の2017年の9月にやろうという啓示を受けたというか…(笑)。

三木:Wisdom2.0に行って結構刺激的でした。かなりの衝撃を受けましたよね。

宍戸:そうですね。元々禅のほうがベースだろうという想いもあって、マインドフルネスも一応学びに行こうという…

三木:ちょっとオラオラ系で行ったんだよね。禅のほうがオリジンですよみたいな気持ちで行ったんです。

宍戸:確かに今思うとちょっとあったなと思うんですけど。Wisdom2.0は衝撃というか、マインドフルネスということで、思った以上に世界中がつながろうとしているような文脈と、単に自分が集中するとか生産性が高まるといった)以上に、他者とつながっていくということを広げていこうというような文脈があるなと。

宇都宮:宍戸さんも初めてなんですか?2016年にWisdomに行ったのは。

宍戸:はい、初めてです。三木さんがハンさんから聞いて教えてくださってそれで私も知ったので。

三木:行って「日本の鎌倉から来ました」と言うと「What?Kamakura?」みたいな、「Where is it?」みたいな。

宇都宮:鎌倉を知らなかったんですか?

三木:禅っていう言葉は知ってるんだけど、禅っていうものが日本のものとは知らない。「それ日本のものなの?えっ!?」みたいな。

宍戸:むしろ中国とかチベットとかそういう世界観のほうがあって、3,000~4,000人ぐらいいましたけど日本人の参加者は10名ちょいぐらいで日本のことを全然知らない…

宇都宮:禅のことは皆さん知ってたんですか?

三木:禅という言葉は知ってますよ。だけどそれが日本のものである、日本からの発祥のものでも一部発祥のものは日本でもあるっていうことを知らないとか、「そもそも鎌倉ってどこ?」みたいなそういう話なわけですよ。

宍戸:妄想でビラを作って持って行ったりとかしました。

三木:Wisdomに行った時にすでにZen2.0って決まってて、「Wisdom2.0だからZen2.0だよね」みたいな。速攻でホームページやチラシを作りましたよね。

宇都宮:(2015年)12月にキックオフしてるんですよね。Zen2.0は。その時のホワイトボードの写真見たらほとんど実現してるっていう。

(2015年12月1日zen2.0キックオフMTG)

三木:そうなんですよね。その時に書いた例えば「山伏ツアー」とか「修験道」とか…

宇都宮:建長寺がいいかもって妄想してなかったですか?

三木:「建長寺がもし使わせていただけると一番ベストなんですけど」とか、「スピーカーの経営カテゴリーの人」とか「お坊さん」とかいくつか書いてありましたよね。でも8割ぐらい今回できたので、最初のインスピレーションと最初のミーティングが非常に重要なんだなっていうのが改めて分かりました。

宍戸:ですよね。結構最初の構想が思ってた以上に実現できた。

宇都宮:でも途中に色々あったんですよね。この2年の中で。

三木:私個人に関しては、禅の勉強はすごいたくさんさせていただいた。まず禅の書籍を読んだり展示会に行ったり、お寺さんに通って座禅をさせていただいたり、お寺でヨガをやってるところがあるのでそういうヨガに参加させていただいたり、知識と肉体を通して禅というものを学んできました。

宍戸:そうですね。色々勉強を私自身も2年間で、マインドフルネスもそうですし禅もすごく学びが多かったなと。

宇都宮:両方の学びをということですよね。

三木:そうですね。両方マインドフルネスも禅も学んでいきました。

宍戸:こういった妄想に近かったプロジェクトを実現させるプロセスの中で、色んな気づきや学びが多かったです。不思議な縁でつながって、ある意味奇跡的に実現できて…

三木:当初のメンバーの最後まで残った人は20%ぐらいしかいないんです。8割は途中で消えていったりどんどん人がいなくなるっていう状況が去年の暮れぐらいまで続いていて、「もうできない」みたいに一人で泣いてたら、宍戸さんが「大丈夫ですよ」みたいに背中を優しくさすっていただいて。

宇都宮:Facebookに「助けて」とか書いてましたもんね。

三木:そうそう。「助けてオビ=ワン・ケノービ」

宍戸:スピーカーはどんどん揃っていって、建長寺もお借りできたんですよね。

三木:建長寺もお借りできることになったんだけど、今度やるメンバーがいなくなってしまったっていう…

宍戸:実質的に事務局的な実現する運営部隊がなかなか機能しなかった。

三木:2016年の11月、12月にあまりにも心理的な負担が覆いかぶさってきてすごい体調が悪くなっちゃって。その時にスティーヴン・マーフィ先生が日本にいらっしゃっておもてなしをしたりとかしてて、「そのタイミングでやる」って言ってるんだけど誰も人がいないのに先生をお招きしてパーティとかやって、すごい肉体と精神のプレッシャーが高まって体調を崩しちゃったんです。2週間ぐらいほぼ寝込んじゃった状態になっちゃって、そこからヨガを始めて急激に回復したんですけど。それも一つ肉体と精神がつながってるということと、伝統的なヨガが心と体を回復させるというプロセスも自分で体験できたので、今回Zen2.0のヨガもプログラムの中に入れてるんですよね。

宇都宮:宍戸さんはその頃はどんな感じだったんですか。

宍戸:ちょうど鎌倉会議が終わった後とか…

三木:鎌倉会議いつでしたっけ?

宍戸:(2016年)10月30日なんです。鎌倉会議って円覚寺でやるイベントで、今回のZen2.0に登壇していただいた方々が同じように出て、その鎌倉会議というのもZen2.0につなげられたらなという想いもあってやっていて、それ自身も自分にとってはある意味チャレンジなところもありながら一旦無事終えて、色々学ぶことや反省することも多かったんですけど、それを次につなげていければという形で動き始めた時でした。

三木:そこに宍戸さんが「大丈夫だ」って言っていただいたりとかして、去年の年末に突然大平さん(ダイラさん)、事務局っぽい方なんですけど色々お金の管理とか細かいことをやっていただける方がジョインしていただいて、そこから急激に方向が固まってきて…

宍戸:懐かしいですよね。12月の末くらいに3人で私の家で年明け以降の動きを話していて、年明けからイベントボランティアを増やすイベントを1月、2月とやり始めていった感じでしたね。

三木:その転換点がなかったらもうたぶんこのイベントは無理で、そこからちょっと流れが変わってきたんですけど。

Zen2.0のホラクラシー組織運営について

三木:今回宍戸さんが組織のことを色々やってらっしゃるということなので、このZen2.0の組織運営スタイルについてちょっと話したいんですけど、我々ホラクラシーという新しい組織体系でやろうということを突然思いついたんです。

宍戸:ちょうど私はホラクラシーを別途企業向けに展開しようと、(ダイヤモンドメディア株式会社)武井さんのところにアポを取って話を聞きに行ってたりしたんです。その翌日ここ(ホアカフェ)でちょうど打ち合わせをしてる時に、「ホラクラシーでやりましょうよ」っていう。

三木:だから「Zen2.0はホアカフェから生み出されました」と言ってもいいです。ここでかなりミーティングしてます。

宍戸:それが4月ぐらいで、ホラクラシー、個人個人が内発的動機に従って動くことで全体のムーブメントを作っていくという…

三木:通常だとピラミッド型の組織を作り、頂点に実行委員長がいて幹部がいて部下がいてみたいな感じになるじゃないですか。「それって何か古いよな」みたいな話になり、自分がやりたいことを主体的にやっていく組織作りが必要だと。

宍戸:そうですね。これからの時代にとって必要な組織、チーム、コミュニティの動き方としてホラクラシーというのは土台になるところがあるかなと。そういうのを体現すること自体がある意味マインドフルネスの実践にもなってくるのかなというのはあったので、思い切って「もうそれでやろう」と。逆にそうじゃないともう動かないんだろうなっていうのもありました。あとカマコン自体がホラクラシー的に動いてるところもあって、その中で機能していたブレストを取り入れて、ボランティア向けのワークショップをホラクラシー作りの第一弾として、ゴールデンウィークの5月7日に企画して実行できたところから新しい動きがまた出てきたかなと。

三木:だからZen2.0の組織ってちょっとハイブリッドで、カマコンというのがまずベースにあり、その後で武井さんのホラクラシーみたいなアイデアが入ってきて、そしてそのITツールを使いまくる、ITツールなしじゃもう無理みたいな…

宇都宮:チャットワークを使ったりZoomを使ったり…

宍戸:ちょうど先週武井さんの勉強会を開催したんですけど、そこでも情報の透明化ができるようになったテクノロジーの台頭が、ホラクラシーを実現できるようになってるっていう背景は非常に興味深いと思いますけど、それをZen2.0でもやっていこうと。まだまだ来年に向けては、色んな改善点は必要でご迷惑をかけたことはあるとは思うんですけど。

三木:すごいおもしろかったのは「このホラクラシーっていうスタイルでやろう」っていうのをメンバーの人にバーッとアピールしたら「大枠はいいね」っていうことなんだけど、「具体的にどうしよう」みたいな、どんどん開催時期が迫ってくると「やっぱりちゃんとピラミッド型組織を作ろうよ」みたいな戻そうとする人がいたり、すごい行ったり来たりするんです。「ホラクラシーでいこう」「いやでもピラミッドがいい」ってしているうちにどんどん時間が経って、「もうこれはホラクラシーしかない」みたいな感じで急にみんなに火がつき始めたっていう…

宍戸:そうですね。どこまでホラクラシーが実現できてたのかっていうのはなかなか分からないところもあると思うんですけど、三木さんに集約されるような形を残しながらやってたところがあったので、逆に実現できた部分もあると思うんですけど。ホラクラシー的な動きでスクラム組んでタッチラインをクリアしたみたいな感じが今回のZen2.0だったかなと。

三木:そうですね。5月のゴールデンウィークの時に外部の人を入れたボランティア募集みたいな新しいメンバーを集めるというのを円覚寺でやったんです。

宍戸:円覚寺で座禅会をやった後にワークショップをやって。

三木:あそこからかなり流れが変わった気がします。

宍戸:そうですね。やはり自分事として捉えるあの時のカマコン形式のブレストが機能したところがあるかなと。指示されたことをやる、言われたことをやるではなくて、自分事として動くきっかけとしてブレストはうまく機能したのかなというところはあります。

三木:その時にやったのが、我々仕事のことを作務と言っていて、そのタスクをこなすことが自分の修行である、バージョンアップにつながるということで、例えば会計の作務、受付、スピーカーフォローなど色んな作務をA4の1枚に書いて色んなとこの畳の上に置いて、「自分がやりたい作務のところに集まってください」っていう感じでその紙の周りに集まって、自分だったらこの作務をこういう風なやり方でやって効率を上げれるとか完成度を上げるみたいなのをブレストしてもらったんですよね。

宍戸:視覚的に見える形にして自由度を持って物理的に配置できるような仕組みの視覚的効果と、動きを伴うという身体性とあとはブレストということをミックスしたワークショップを企画できたんです。

宇都宮:そういうやり方があったんですか?

三木:いや、ないない。

宇都宮:思いついた?そういうやり方でいいんじゃないか…

三木:割と思いつきで…

宍戸:多少自分としても研修企画をしてるので近しいことはやったりしてるのも込めながら、あとはカマコンのブレストというのを入れていってという感じです。

三木:そういうブレストには楽しいことが必要なんですよ。そういうのをやるんだけど同時においしいご飯が食べられますとか、一緒に瞑想しましょうとか何か体験をシェアする、楽しい体験をシェアして真面目に話してみたいなセットじゃないと無理だって分かって、今まではタスクベースだから「to doを決めればいいんでしょ」みたいな…

宇都宮:to doとスケジュールと。

宍戸:そうですね。すべき論で動くという、しなきゃいけないというよりは、やはり内発的なワクワクじゃないですけどそういったところから織りなしていく動きっていうのがより一層大事なのかなということですね。

宇都宮:そっちの組織論のやり方もすごいクリエイティブですよね。アウトプットもクリエイティブですけど。

宍戸:すごい今回色んな方々が力を出してくださった中で想像以上のことが…管理型で「こういうのをお願いします」という形だとそれ通りもしくはそれ以下のことしか出ないケースがありながら、想像以上のことをみんなが動いてくれるような状況をすごい感じて…

三木:全く私の意図してないぐらいのレベルの作務をしてくれるわけですよ。例えばスピーカーフォローチームって今回いたんだけど、その登壇者とコミュニケーションをする。私コミュ障だから超苦手なんですね。最初の声がけはいいんだけどその後どうやってフォローしたらいいか分からない。日本人もいるし外国人もいるからそれで頻繁にメールでやり取りしないといけないんだけど、そのスピーカーフォローチームは全員女性ですごい動いてくれて、この建長寺に来た時は超信頼感が醸成されてるからすごいやりやすいわけです。単純にメールで「いついつ講演お願いします」だけだと全くそういう信頼感はないんだけど。

宍戸:そうですね。色んな会場のチームも想像以上のもの、プロ級の地図を作ってくださって…

三木:会場を運営するチームは建長寺まで行ってレーザー測定器で距離を測り、イスを全部カウントして大きさを測ってそれをベースに図面を起こして、「ここは何席置けます。こういうレイアウトです」みたいなのを…

宇都宮:それがあの図面だったんですか?

三木:それまではそういう図面は一切なかったんです。

宍戸:本来は国際フォーラムみたいな形でイベントをやるには必要なものだったのかもしれないですけど、あそこまで意識が回らない中で自発的に動いてどんどん作ってくれていったり、それは会場以外のボランティアチームだったり体験セッションチームなんかもすごい…講演をやるだけで何とか精一杯みたいになっていってちょっと体験が難しいなという時に、そこに対する想いがある方々がガーッと動いてくれて実現できた。今回本当に体験がなければZen2.0って価値が半分以下になってたと言えるんです。

三木:体験セッションチームは相当動いて、スピーカーとの信頼関係、コミュニケーションしながら「じゃあこういう体験でいきませんか」というのを問いかけながら、彼女たちが体験セッションプログラムを作ったという感じです。

宍戸:パンフレットもそうですし…

三木:あとすばらしいデザイナーさんが参加していただいて、染谷さんっていう方がこのホアカフェで話をして、「じゃあZen2.0の世界観って何なんですか?」って言って、その時にここで食べていたアサイボールっていうのがあって、そのアサイボールの中に色んなフルーツがあってアサイがあって、「この小さいボールの中に宇宙が再現されてます。これが鎌倉でありZen2.0の世界観です」というところから、その色とりどりのイメージから今のZen2.0のロゴの背景のデザイン、あとZen2.0の中に円相っていうのがあるんですけども、通常だとエライお坊さんにおねがいして書いていただくとかしがちですが、今回Zen2.0のスタッフの中からコンテストして一人ひとり墨で書いてもらって、それをFacebookの中で投票して、松浦さんっていう方の円相が採用されたりとか、全てパッチワークな感じでこのZen2.0自体が成立してるっていう。

宍戸:間際に会場の機器類のプロフェッショナルな方が登場してくださったりとか…

三木:すごい国際会議の伊勢志摩サミットのプロジェクターとか音響をやった方が突然現れて。

宍戸:それも鎌倉のつながりで…

三木:すごい悩んでいたら宍戸さんが呼んでくれたんだよね。そのミーティングに。その方がそういうことをやってらっしゃる方っていうのは以前から?

宍戸:一応そうなんです。実は鎌倉で娘の保育園が一緒だったっていうのがあるんですけど、出会いは実は東京で全く違う所で、そういうイベントの学びの場でお会いしたりはしたんですけど、気づいたら鎌倉だったり保育園も一緒だったっていうところから、保育園のパパ会が近くにちょうどあったんですよね。

宇都宮:鎌倉っていう場所がすごいですよね。

三木:人材の宝庫なので。あと英語のすばらしいパンフレットはZen2.0のホームページの写真を全部撮ってくれる、アメリカ人のマシュー(Matthew Helminski)さんに「こういうのをお願い」ってWisdom2.0のパンフレットを全部PDFで送ったらその通りのイメージで超緻密な感じで作っていただいて。

宇都宮:写真がいいですよね。

宍戸:あと体験セッションも今回山伏ツアーがすごい好評だったんですけど、鎌倉トレイル協議会の方々がサポートしてくださったので実現できたのかなというのも聞いてますよね。

画像提供:Zen2.0(撮影:吉田貴洋)

三木:鎌倉トレイル協議会のグループがすごい大きくて、その後の我々の至らない点も非常に指摘していただいて、それが来年以降の改善にかなり役立つ。

宍戸:あとスピーカーの方々も、まず妄想段階から登壇を許可して「いいよ」って言ってくれた前野先生であったりとか、直感で「いいよ」とあんまり考えずに気持ちで受けてくれた方々が多かったなと思いますね。

三木:結果としてその登壇者がものすごいハーモニーを作っていて。

宍戸:最初の妄想で作ったビラは前野先生と恵温さん(浄智寺の朝比奈 恵温(あさひな えおん)ご住職)…

宇都宮:清水ハンさん?

三木:清水さんですね。

宍戸:恵温さんとかも最初からサポートしてくださったりとか、あと実現できた背景にカマコンという母体があったのと、カマコンは今まで建長寺さんとか円覚寺さんとかと色々ご縁があったりして…

三木:とにかく奇跡が20連発ぐらい起きたんですよ。困った時に天に叫ぶとだいたい翌週には解決してるっていう。

宇都宮:天に叫んでたんですか?

三木:そう。天に「助けてくださ~い」って叫ぶと月が龍神の目みたいな感じになっていって「あ、こっち見てる」みたいな(笑)。

宍戸:そうですね。色んな方の縁がつながって本当にできたのかなって。

宇都宮:当日とかどうですか?一日に準備があって二日は雨降って…

三木:もうあり得ない。台風が近づいてたんですよね。これはやばいなと思ってて。

宍戸:一日目の朝は雨が降って寒い感じのする、人集まるのかなっていう心配がある中でスタートしましたけど…

三木:そしたらもう一番最初の吉田正道 老大師の般若心経の時にワーッと人が入ってこられて…

宇都宮:前日あなどってましたよね?朝早いし人来ないだろうと思って席そんなに用意してなかった。それがフル満員になっちゃって…

三木:それで般若心経が始まった時に、これはもうこのシナリオ通りに全て進むんだろうっていうのが直感して分かって、全てが完璧な形で…

宍戸:運営面で至らない点もあったと思うんですけど、最終的に建長寺さんでやれたあの場の力って大きかったなって思います。あの環境で歴史的に培ってきた場の力だったり、皆さんがああいう場を作ってくださってたっていうところが大きいのかなと。参加者の方も「建長寺非常に良かった」というのは多く仰ってました。

三木:そういう祈りの場、聖なる場所だからこそ起きた奇跡が多々あって。

宍戸:建長寺さんの村田さんが非常に動いてくださったのが大きいです。

三木:超動いていただいて。全ての方がご協力いただいて、この宝石のようなイベントができました。

今後のZen2.0について

三木:最後宍戸さんから何か一言Zen2.0に関して…

宍戸:そうですね。鎌倉だけじゃないと思うんですけど、日本の中で培ってきた今後の時代に向けて、役立つことっていうのをもっともっと自分たちも学び体感したら、海外の人とつながって発信していけたらなというのを思っています。そのスタートとしてZen2.0っていうのは無事うまくいきました。すごい多くの方々のご支援、ご協力を得たことに関してまず、この場でお礼をお伝えしたいなと思います。本当にありがとうございました。

三木:ありがとうございました。このZen2.0を毎年のイベントにしていきます。ということで来年も…

宇都宮:もう始まってるんですね?

三木:もう始まっています。世界中からマインドフルネスとか禅に興味を持った人たちが集まってきて、その結果この鎌倉に新しい文化、産業を創っていくと。そしてその結果マインドフルシティ鎌倉になりますというのが全体の構想ですので、皆さま…

宇都宮:10月に振り返り兼キックオフが…

三木:ありますので、もしご興味があればZen2.0のホームページ(https://zen20.jp/)からボランティアとして参加したいよということを申し込めるようにしておきますので、ぜひご参加いただければと思います。Zen2.0も来年のスポンサーを募集しておりますのでご連絡をいただければと思います。

宇都宮:今回もスポンサー様がよく…

三木:すごいんです。あらゆるスポンサー様がご支援いただいたということも非常にありがたいです。ということでこれにて終わりたいと思います。さよなら。

宍戸:さよなら。


対談動画


宍戸幹央さん

zen2.0 Facebook Page


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