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[一口キロク] 嗚咽が出るほど共感しすぎるから見たくないシリーズもの
シリーズ物に挑戦するのは、なかなか根気がいること。
どちらかというと、わたしはサクッと映画をみる方が後味悪くないし、スカってする。
シリーズ物を観たくない理由はただひとつ。
あまりにも登場人物に共感してしまうからだ。そして精神的に辛くなる。
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共感はポジティブなものであれば、きっとシリーズとして面白くない。
楽しいや嬉しいという感情をずっと並行して描いていても、面白くないだろう。
だから、裏切る。わたしたちの期待をザクッと裏切ってくる。だからシリーズ物は面白い。
しかし、その裏切りとは裏腹に、共感心が揺すぶられ、まるで現実世界にいるような感覚になり、感情的になってしまう。わたしの場合(というかほとんど)は涙が溢れ出てくる。自分の話でも、友だちの話でもないのに。
裏切られるから、シリーズは面白いし、シリーズは続くから、登場人物に自分を投影したり、感情を共有することで共感してしまう、と思っている。
映画の場合は、もちろん視聴者が期待していることを大きく裏切る要素はある。しかし、長くても3時間なので、3時間で登場人物の物語に自分を投影したり、感情の共有もする時間がない。
人のストーリーがわかるから共感する。点だけのプロセスだけだと、点がつながらないので、共感しない。結局「XXが死んだ」や「XXが生き残った」、「XXが犯人」ということに惹かれているわけではなく、その間に描かれているストーリーに惚れてしまっている。
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最近観たシリーズ物でイメージしてみる。(ネタバレはしないよ)
セレナ: テハーナの女王
実在の歌手をベースにしていて、マネージャーに銃で撃たれて亡くなってしまった。主人公が死んでしまうことが明確だったので、覚悟はしていたものの、幼少期から彼女を追いかけるように描かれていたので、自分もまるで家族の一員になったかのような気持ちになった。それがダメで、今年1番の嗚咽並の号泣。
要因は彼女がなぜ歌手になったのか、彼女の苦悩や周りとの関わりをじっくり見せられていたため、いつの間にか彼女に、いや、彼女の一ファンとして共感してしまっていた。(ちなみにジェニファー・ロペスの映画版は泣かなかった)
そして私たちは
メキシコの実際にあった話。アメリカの介入によって引き起こされた虐殺ではないか?とも言われている。だからこれも結末はわかる。
このシリーズが良いのは、一人ひとりの登場人物像が丁寧に描かれていて、違った視点でこの惨事を観察することができるということ。じっくり描写されているため、例え自分がとある人物と境遇が全く違っていても、中に自分と近い「ペルソナ」がいることに気づく。そして彼らに共感することで、苦しくなるということ。これも涙が止まらなかったし、夜眠ることができなかった。2〜3日は考え込み、精神的に沈んでしまった。
イカゲーム
これは実話でもない、フィクション。旬すぎるから何も語らないが、登場人物の背景が現実世界でもありそうと予感させられてしまうということ。
人が崩壊してしまうこと、死を犠牲にしてでも手に入れたいものが目の前に現れてしまうまでの過程が丁寧に、怖くなるくらいリアルに描かれているので、ゾクゾクした。
平和な世の中を望んでいるのに、やってしまう。フィクションだからといって、共感なしには見ることができなかった。後半は涙が止まらなかった。
全話見終わった後はもちろん眠ることができなかった。沈んだ。
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写真はメキシコシティの中心部で撮った靴屋。ラス・ベガスに行こう。
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