行き詰まったときの誰でもできる対処法
行き詰まったとき、皆さんはどうしますか?
人に話す、答えが出るまで考える。
考えても仕方がないので寝る。
人によって、さまざまでしょう。
何かに行き詰まると、心がざわついてやる気が出なかったり、行動をつい先延ばしにしてしまったりします。
禅では、「損か得か」「良いか悪いか」「他人からどう思われるか」というような考えはエゴであり、余分な思考とされています。
思考するのは自然な働きですし、人はこうした余分な思考が好きなのです。
思考はイマジネーションなので、心地よさ、刺激が得られる一方、苦しさももたらします。
不安や焦りで目の前のことに集中できず、先延ばししたくなってしまうことが、誰にもあります。
そんなとき、どうしたらいいか?
禅の老師に尋ねたら、その答えは「禅に取り組むこと」となるでしょう。
行き詰まったときには、周りが乱雑になっていることが多いものです。
仕事などがキャパシティを超えて、整理できていない時ほど、机の上は汚れてきます。
知らず知らずのうちに、余分なものをため込んでしまうのですね。
何よりも、心と身体がざわついています。
「今ここ」にいません。
だからこそ、心を込めて今この瞬間の作業を行うのです。
たとえば、丁寧に雑巾がけをする。
庭や道を掃き清める。
やってみると分かるのですが、坐禅を組むより難しいです。
すぐに心がどこかにいってしまいます。
腰が痛くなるなど、身体的な苦痛も伴います。
坐って呼吸に集中するだけが禅の修行なのではありません。
禅では、「作務」といって、掃除、洗濯、草取りなどを修行として行います。
食べること、掃除、洗濯、寝ること。
すべてが禅であるとされています。
自己を取り戻すことは、何をしていても、瞬間、瞬間にできることです。
整理や整頓は、お寺に行かなくてもできます。
日常生活のすべてを禅とするのは、私もとても出来ませんが、整理、整頓は、私たちにも出来る禅だと思います。
無心でやっていると、ふと何かに気づいたり、アイデアが湧いてきたりすることがあります。
これは心を覆っていたエゴや思考が取れてきた状態。
シンプルになると、かすかな声が聞こえるようになります。
何気ない一言でも説得力がある、ちょっとした気遣いが態度や言葉に表れているような、深みのある方に共通するところがあります。
仕事が忙しいとき、大変なことがあったときでも、余裕があるように見えるのです。
そのことについて聞いてみると、こうおっしゃいます。
「もちろん焦ることもありますよ。
でも、そういうときこそ、やるべきことに集中しているかもしれません。」
自分の道を信じて生きていて、多くを求めていないようです。
成し遂げたいことが絞れているのででしょう。
行き詰まりから抜け出すには、何かを加えるのではなく、捨ててみましょう。
心が混乱しやすい人は、同時に多くのことを抱え過ぎていることがあるようです。
何かを捨てることには、怖さを感じるかもしれません。
しかし、思い切って捨ててみることで、本当に大切なことだけに絞ることができます。
すると、心を込めて「無心」でできます。
心や仕事にスペースができて、新たなアイデアやさらに深い考えが自然に生まれてきます。
職場の環境を改善するため、製造業やサービス業を中心に、多くの日本企業が「5S」活動に取り組んでいます。
会社によって、いくつかのパターンがあり、「3S」とすることもあります。
ご存じの方が多いと思いますが、「3S」とは「整理・整頓・清掃」です。
いい仕事をしようと思えば、まず身の回りを整えることが大事なのですね。
行き詰まったときは、まず整理、整頓してみてください。
机の上、一週間の予定、パソコンのデスクトップ画面のアイコン。
どんなものを整理してもいいのです。
「机の上に何も置かないようにしよう」などとゴールを決めず、ただ気になっているところに心を向けてみます。
すると、気が付くと手を伸ばして、本を重ねているかもしれません。
不思議なことに、ただ整理していると、心が落ち着いてきます。
いつしか時間を忘れて、無心でやっていることに気づきます。
減らしたり、整えたりすることで、心が自然にシンプルになっていくのです。
行き詰まった時こそ、チャンス。
「捨てる」ことで、私たちの内に響く、魂の声に耳を傾けることができます。
まずは整理からはじめてみてくださいね。
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