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ZEN EATING 禅寺での食事作法を体験して

前回まで、3月に開催した「初心者のための禅入門講座」の内容について書いてきました。
「初心者のための禅入門講座」は、禅をどのように生き方や仕事に取り入れていくかを皆で考える場です。

これから3回くらい、4月の講座の内容について書きます。

4月の講座では、最初にZEN EATINGをしました。
禅スタイルでの食事の体験です。

禅では、食べることも修行です。
お寺では、配膳からはじまり、受け取り方、食べ方、片付けまで、厳しく作法を指導されます。
お皿の持ち方、箸の上げ下ろし、食べ物を口に入れた後の噛み方にも作法があります。
食べ物を嚙むとき、たとえば、たくあんを嚙むときにも音を出してはなりません。
禅での食事を経験して、今までかなり雑に食べていたことに気づかされました。

ちょうどよいスピードで食べるのも禅の修行のうちです。
周囲の人と比べて、早すぎても遅すぎてもいけません。

4月の講座の1つ目のテーマはZEN EATINGで、「静かに食べる」。
各自で持参していただいたお弁当を、一言も話さずに食べました。

ZEN EATINGは、普段、誰かと話しながら食べているのとは、少し違った経験になったようです。
食事後の振り返りでは、次のような感想がありました。

「周りが気になって、集中できなかった」
「耳が研ぎ澄まされ、噛む音まで聞こえて、新鮮だった」
「お腹に食材が入っていき、満たされていく感覚が分かった」
「味がよく分かった」
「いつもより早くお腹がいっぱいになった」
「自分が食べながら何を考えているかが、わかりやすかった」
「食べ物に感謝する心が生まれた」

普段、私たちは、忙しい毎日の中で、携帯やテレビを
見ながら食べたり、仕事が気になって、
とりあえず食べるということになりがちです。

おいしいものが溢れているので、
食べ過ぎてしまうということもあります。

食べたり飲んだりすることがストレスの解消になっている人も多いと思います。
ただ、食べ過ぎる→ダイエットに取り組むというサイクルは、苦しいですよね。

禅の修行を通して、食べるとは本来どういうことかということに気づかされました。
ただ食べ物を口に入れたり、食べ物をむさぼったりするのと、
食べ物を味わうのは違うのです。

現代の社会では、食べることが消費や浪費になってしまって
いるのではないでしょうか。
頭で食べる行動をコントロールしようとしていることも多いようです。

皆さんは、スマホを見ながら食べてはいませんか?
何か仕事のことを考えながら食べていませんか?
食べ過ぎてはいけないと思いながら食べてはいませんか?

これは、身体ではなく、「頭で食べている」状態です。

まず、「おいしい」と感じる心と身体を取り戻すのが大切です。

おいしいという感覚は、今この瞬間、身体が感じるモノです。
おいしいという満たされた感覚を味わうことで、
身体はお腹がいっぱいという感覚を感じるのです。

どんなに食べても、心が飢餓の状態だと、いつまでもお腹がいっぱいになりません。
満たされていることを身体を通して感じることが大事なのです。

「今この瞬間」にいると、心と身体が満たされます。
禅が目指す「今この瞬間」にいることで、
私たち本来の心と身体に目覚めます。

いかに味わうという感覚を取り戻せるか。
食事について想像力を働かせることができるか。

食事をしながら、今この瞬間の心と身体に注意を向けてみましょう。

「ご馳走」という言葉があります。
現代では、豪華な食事という意味にとられがちですが、
実は禅語から来た言葉です。

本来の「馳走」の意味は、文字通り、駆け回って食材を
集めて、食事をつくってくれた作り手に思いを馳せる
ということです。

食事を味わっていないと、作り手への感謝にまで気持ちが及びません。
義務的に感謝しなければならないということではありません。
静かな心で味わって食べていると、自然に感謝が湧いてくるのです。

想像力が感謝の気持ちにつながります。
「感謝とはイマジネーション」と言えるかもしれません。

みなさんも一度、テレビや携帯を観ず、
誰とも話さずに食事をしてみてはいかがでしょうか。
どんな体験になるか是非、試してみてください。

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