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ヘクソカズラ 傷つけなかったら臭くない!かわいそうな名前の野草

キッチンで料理しててふと外をみたら、気になる花が…なんだあれ?
近づいてみると…

ツル性の植物だ。まきついてる。

ぐるぐるに木に巻きついているこの子が。よし、この子を観察してみよう!!

色がなんというか…毒々しい。

白色の所はきれいなんだけど、この赤黒いのがなんとも…怪しいというか妖しいというか…

なんか伸びてるのと伸びてないのがある。

もしゃもしゃっとした白い花びらに、真ん中が星の形の赤黒い色。毒々しいとも思ったけど、イチジクの実ってこんな色じゃなかった?

それにこのふりふりした白い花びらはかわいい。5枚×2の花びらが段々になってる。

めちゃくちゃアリおる。

そして…すごいアリがいるんよ。大人気。これはもしや、いつかのヒメオドリコソウと同じか?

アリに種を運んでもらうために甘い蜜を出してたあのヒメオドリコソウ。蜜を吸ったらほのかに甘い味がした。

そしてこの花からは吸うまでもなく、つよーーいあまーーーい香りが。いい匂い。これがアリの好きな蜜の匂いなんじゃないの?

おもえばヒメオドリコソウも赤黒い色してたなぁ。似てるのかも。

ウツボットみたい。

花の形がおもしろくて、つぼ型。アリが中に入りそうなかんじ。

まさか食べるわけじゃないよね?中で溶かす的な…。そういう植物は珍しそうだし違うか…。

つぼの部分はこまか~い毛が生えてる。

すつぼみはこんな感じ。もこもこっとしててかわいい。

この巻きついてる感じといい、クリスマスの電灯の飾りみたいだな~。

葉っぱは普通。

葉っぱはスペード型のよく思い浮かべるかんじの葉っぱ。

あまーい匂いがするし、蜜は食べられるのかもしれないけれど、色が寄せつけない雰囲気を醸し出してる。毒はないんじゃないかな?

果たして…

調べてみよーっと!

ヘクソて…。ひどいネーミングやな。

ヘクソカズラ...。へクソて。うそ。そんなくさい?あまーいいい匂いと思って嗅いでたんだけど...。

さんざんな名前の由来。臭いから。

ヘクソカズラ。葉などをつぶすと、強い悪臭を放つことから「屁糞かずら」の意味で名付けられたものとのこと。

潰すとね。潰さなかったら臭くないんよ。

英名がスカンク・ヴァイン。中国名が鶏屎藤(けいしとう)

どの国でもまぁ、臭い草ってことよね。かわいそうになってきた。

他にもある和名

幸い臭い以外の和名も地方によってはあるみたい。

サオトメバナ(早乙女花)、サオトメカズラ(早乙女蔓)とか。かわいらしい花を咲かせる様子や、花を水に浮かべた姿が田植えをする娘(早乙女)のかぶる笠ににてるんだって。

ちょっとイメージがつかないけど、でも可愛い名前。

あとヤイトバナ(灸花)。花を伏せて置いた姿が灸に見えることや、花の中が赤い様子が灸を据えた跡に見えるからだとか。

どちらも花を取ってるから、くさっ!ってなったと思うんだけど、それでもこんな可愛い名前をつけてくれた人もいたなんて...!

もうひとつは、ウマクワズ(馬くわず)。まぁ、臭いし食べないんだろうなぁ。

なんでくさいの?

ウマクワズって名前でもあったように、食べられないようにってことみたい。こういうの、アレロパシーって言うんだって。

ホシホウジャクって蛾の幼虫が食べたり、ヘクソカズラグンバイって虫が寄生したり、ヘクソカズラヒゲナガアブラムシってのがヘクソカズラの悪臭成分を体内に取り込んで、外敵から身を守ったりするんだって。

みんなが食べないんだから、食べれたら無敵だもんね。カメムシはほんと変な匂いになりたがるな…。

万葉集などで詠まれる!

万葉集より

そうきょうに 延はひおほとれる屎葛(くそかずら) 絶ゆることなく 宮仕えせむ

(そうきょうに絡みながら延びてゆくクソカズラ、その蔓のように絶えることなくいつまでも宮仕えしたいものだ…)

ヘクソカズラ以外にもツルで絡みつくものはあるだろうに、どうしてヘクソカズラで詠んだんだろ。

ことわざにも!!

屁糞葛も花盛り

いやなにおいがあってあまり好かれないヘクソカズラでも、愛らしい花をつける時期があるように、不器量な娘でも年頃になればそれなりに魅力があるということ。

おぉまぁなんというか。あまり好かれないの代表格なんやね。

実は薬草にもなる。化粧品にだって。

調べてみたら、化粧水やら軟膏やら個人で作ってる人がおるんやね。臭いみたいだけど。

果実(秋~冬)の絞り汁を塗布すればしもやけ,ひび,あかぎれに効くんだって。果実をアルコ-ルに浸したものに,同量のグリセリンと水を加えると化粧水になるとか。

でも実が臭いらしいんよね。加工するときもヘクソの匂いだ。でも効きそう…。

ヘクソカズラまとめ

葉っぱをちぎって嗅いでみたら、たしかにへクソって感じの匂い。実はもっと臭いのかも。でも傷つけなかったらとってもあまーいいい匂い。

庭にこんなのが生えてたなんて...!おもしろいなぁ。

最後に

この自然観察日誌のnoteは、そんな自然無知の自分が、最近自然を観察することのおもしろさに気づいたことをきっかけに、その日心に留まったものを観察し、少し調べたものを記録したものです。
誤りもあるかもしれません。その時はぜひやさしく教えてください。


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