Zela07

仕事も私生活も後輩に追い抜かれた限界OL ひとりで人生を楽しむ方法を模索する ※アイコ…

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仕事も私生活も後輩に追い抜かれた限界OL ひとりで人生を楽しむ方法を模索する ※アイコン他すべてフリー素材です。

最近の記事

034_ひとり温泉旅行 夜明けの低血糖

2月の海風は、案外冷たかった。海は凍らないため、内陸部の風と違い、温度も湿度もある。だから大丈夫だろうと、高を括っていた。 今は冬、そして太陽光線皆無の真夜中である。ずっと寒かった。それに、ずっと海風が吹いていた。海辺って、常時風が吹いているんだね。 私は寒さに耐えきれず、ファミリーマートでホッカイロを購入した。お菓子とか、温かい食べ物とか、もっとそういうものを購入すればよかった。当時の私は、身も心も訓練モードで、「菓子を買うなんて軟弱」と叫び、食品を買うことすら判断の中に

    • 033_ひとり温泉旅行 深夜のトンネル編

      海にたどり着いた。時刻は午前2時。この海は観光用のビーチというより、貿易船や漁船が行き交う漁港だ。護岸工事の最中で、どこの道路も中途半端にキレイである。夏になれば、トライアスロンやマラソンなど、スポーツの催し物も盛んだ。 普段は渋滞ばかりしている国道も、まったく閑散としていた。そんなとき、一人でやることといったら、道路の写真をひたすら撮ることだ。 今回私が撮ったのは、横断歩道橋からだ。歩道橋の真ん中に立ち、東を向けば海が見え、西を向けば山と、路面が大きなタイヤでデコボコに

      • 032_ひとり温泉旅行 出発編

        家を出発したのは、午後11時を過ぎた頃。私は約50km先の温泉旅館へ向けて出発した。 しんと寝静まった住宅街には、幸いなことに降雪はなく、道路は乾いていた。山道を歩く訳では無いが、冬用の靴ではなく軽量なスニーカーにしたのは疲労対策である。 少しでも装備品を軽くしたい。なぜなら、背負ったリュックには旅館で暇をつぶすための本が5冊入っているからだ。 リュックの中の本の、このチョイスを間違えた。本は1冊何キロもない。しかし、紙の束となるとそこそこの重さが出てくるのだ。それに、私

        • 031_ひとり温泉旅行 50km歩く編 

          ふと思い立ち、私は温泉に行こうと決めた。どうせなら、温泉地に歩いていこうと思った。 なにもすることが無くなったある日、ひとは何かに挑戦したくなるものだと実感した。例えば、うまいこと仕事が進みすぎたとき、無敵になる。なにをしても上手くいく状態のことだ。目まぐるしく依頼が来るのに、すべて滞りなく完璧にこなしていた。何年も仕事をしていると、たまに無敵になる期間がある。 そうなると恐ろしくなる。 いつか大きな失敗をするのではないかと妄想し始める。 または上司から心臓がひっくり返

        034_ひとり温泉旅行 夜明けの低血糖

          030_ひとり大掃除

          インフルエンザから解放された日曜日、ウイルス感染に関する情報を集めるために、インターネットをサーフィンしていた。 ところで、ネットサーフィンって今でも使うのかしら? インフルエンザウイルスは、罹患者の身の回りの物に付着している可能性があるらしい。ベッドで寝込んでいる間は、自室のため、勿論マスクなんかしていない。最初は保湿目的でしていたが、呼吸がしづらかったため捨てた。唸りながら咳をしていたことを思い出し、布団も寝間着もシンクすら、不潔と感じ、すべてを一度清掃しようと思い立

          030_ひとり大掃除

          029_ひとりインフルエンザ 後編

          「インフルだね、B型。休んでね。5日間だから」 医者は明朗に伝えた。 私はがっかりしたのも束の間、もやしが腐っていたわけではなくてよかった、と安心した。 帰り道、上司にメールを入れ、出勤停止が下った。風呂に入る前に、台所を片付けた。腐っていたわけではないビビンバをビニール袋に入れなければならないことに、心が痛んだ。食品を捨てることが、貧乏にとってどれだけ辛い経験か、分かるだろうか。 風呂に入り、タミフルを飲んで布団に潜ると、ベッドごと回り始めた。車酔いしているようだった

          029_ひとりインフルエンザ 後編

          028_ひとりインフルエンザ 前編

          感染症の話というのは、気が滅入ってしまってしかたない。それに病気について、なんら正しい知識もない。 ウェブ記事界隈では、”YMYL”のトピックには、高度な知識知見と正しい情報、専門性が求められる。 YMYLとは、your money or your life.の頭文字を取った言葉で、お金や健康に関わるトピックのことを指す。 簡単な言葉でいうと、ブログなどのSEOで金もうけを目的とした、人々の関心が高い生命や人生に関わるトピックを軽々しく書かないでね、ということだ。Goog

          028_ひとりインフルエンザ 前編

          027_ひとり海外旅行 ~住民編~

          近所のスーパーに、3人組の外国人がよく来るようになった。それも、1組だけではない。だいたいは西および東または東南アジア人(つまりアジア全域の出身者っぽい人たち)で、ずっと一緒にいる。 しかし、いわゆる欧米人らしい白人は、いっつも一人で買い物をしている。この違いは一体何なのだろうか。 ダイバーシティ、多様性のマイナス面が表面化され、現在様々な議論が巻き起こっている。土葬をしろ、だとか、神はアッラーただ一人、だとか。特定の宗教や特定の民族が特に行動も主張も酷く、元来その土地で生

          027_ひとり海外旅行 ~住民編~

          026_ひとり海外旅行 〜中国人の奇行〜

          とある先輩社員が鬱になった。新人のときからお世話になっている、二周りくらい年上のおじさんだ。そのおじさんは娘が可愛くて仕方がなく、震災で車が被害に遭った先輩だ。購入してまだ半年の新車だったらしい。その車は廃車になったらしい。 鬱になった原因は分からない。しかし、周囲は何となく、理由を心得ていた。 どうせアイツだろう。 パワハラ上司(以下パワ上)は夕方になると、日報業務でPCにかじりついている社員のもとへ行き、他部門の社員や他社のことをネタに、永遠おしゃべりしている。 これ

          026_ひとり海外旅行 〜中国人の奇行〜

          025_ひとり海外旅行 由緒正しい美術館と仕事帰りのサラリーマン

          「業務ルールを拡大解釈している輩がいる。てめえ等にその権限はねえ。(仕事を)辞めたいのか?」 今日もパワハラ上司(以下パワ上)の怒号が響く社内。 聞き分けの良い先輩方は、毎日直行直帰して、会社に顔を出すことはなくなった。 それにしてもパワ上は、従業員をまるで被疑者扱いする。社員は怯えてしまい、(営業職ではないのに)売上の数字に追われている。ついに、今月、5件目の車両事故が部門内で発生した。みんな、心の余裕が無いのだ。 余裕のあるサラリーマン、と言葉を並べて、どんなイメー

          025_ひとり海外旅行 由緒正しい美術館と仕事帰りのサラリーマン

          024_ひとり海外旅行 グㇺのトイレ お金を払って用を足す

          会社のトイレでまさか泣くなんて、思ってもみなかった。学校のトイレですら、排便排尿でしか利用していなかったのに。 パワハラ上司にプレゼン資料をパワーポイントで提出したとき、 「このグラフ分かりづらい」 とケチをつけられ、突っぱねられた。 しかしそのグラフはパワハラ上司(以下パワ上)自ら修正をしたものだ。 弊社のパワ上はキーボードを5本の指で打てない。両手の人さし指で、しかもかな入力で打っているのだ。 私はパワ上のキーボード打ちが珍しく、隣りに椅子を持ってきて、ニコニコしながら

          024_ひとり海外旅行 グㇺのトイレ お金を払って用を足す

          023_ひとり海外旅行 〜ホテル爆破予告編〜

          モスクワのお土産に、上司が嫌いなチーズを買っていった。本当はチョコレートのような、西洋を感じられるものが好まれるかと思うが、パワハラ上司に好まれても仕方がない。 そもそも、モスクワにお土産を買えるようなお店は、ない。当時も経済制裁真っ只中で、スーパーの品数はコンビニの半分ほどだったと記憶している。 モスクワに降り立った私は、ロシアの空気を肺いっぱいに吸い込んだ。やっと訪れた、モスクワの地。時間は夜の20時。早速ホテルに向かわないと、チェックインすら出来なくなる。 現地のガ

          023_ひとり海外旅行 〜ホテル爆破予告編〜

          022_ひとり海外旅行 ~準備編~

          クイズです。以下の3人の中で、一番酷い叱責を食らったのは、誰でしょう? A先輩 契約不履行および接客態度が悪かったため、顧客からクレームを入れられた。結果、契約が解約された。 Bさん 社用車で事故を起こした。立体駐車場内で車の扉が開いた。原因は、車の未施錠と車の扉がちゃんとしまっていなかったため。結果、被害弁済に数百万円程度支払ったらしい。また、社用車の保険料も値上がりした。 私 「今日は社内研修だから、外出しないな。だから制服じゃなくていいだろう。クリーニング代も浮く

          022_ひとり海外旅行 ~準備編~

          021_ひとり海外旅行 ~衝動編~

          「なんでお前みたいなやつが正社員なんだよ、お願いだから派遣にならないか?」 そんなことを入社当時、直属の上司に言われてから早3年。私は正社員として堂々と働いていた。 パワハラもセクハラもなんでもありな弊社では、新人を5人とれば3人退職している。辛抱強い人間か、何を言われても何も気にしない人間しか残らなくなった。 そんなわけで、私のプライベートは充実した。 もちろん、強制的に先輩のキャンプ合宿やセクハラだらけの飲み会に参加させられるときもある。しかし、隙を見て経費で肉

          021_ひとり海外旅行 ~衝動編~

          020_ひとりバイト

           大学生の頃、初めてアルバイトというものをした。私の高校は田舎の進学校風公立高校のため、特別な理由がない限り、アルバイトは認められない。しかし、私の両親はお金に厳しく、書籍も満足に購入できなかった。購入するためにはプレゼンが必要で、そのプレゼンで納得できなければ購入不可。 「お小遣いで買いなさい」 と判決が下るが、私の当時のお小遣いは月5000円。高校生で携帯電話を持ってしまったばっかりに、その携帯電話の月々の利用代に、お小遣い5000円は全額消えていくのだ。  しかも

          020_ひとりバイト

          019_ひとりロシア語検定

           ロシア語検定はほかのどの資格試験・検定試験よりもハードであった。  前回、ロシア語を独学する話をした。その中で、どうせなら検定試験でも受けてみようと思い立ったが、無事に合格したことをここに記録しようと思う。  ロシア語検定、正式にはロシア語能力検定試験は、日本の民間資格で東京ロシア語学院が実施母体である。4級が易しく教本を理解していれば誰でも合格できるレベルで、1級ともなると文章量・設問量・求められる完成度が各段に上がる。  受験者数で比較すると、第82回検定試験では4

          019_ひとりロシア語検定