見出し画像

037_ひとり読書漬け ~前置きと本を読む場所について~

前置き


"インプット奴隷合宿"という言葉をご存じだろうか。
これは、最近聞いているYouTubeチャンネル『ゆる言語学ラジオ』で提唱された旅行形態のひとつである。

2・3年ほど前から、このチャンネルのファンである私は、目から鱗の旅行であった。

観光施設などに行かず宿にこもって、積読している書籍を集中して読むという旅行形態だ。一部読書家の中で人気になり、平日なかなか本が読めない社会人がこぞって実践している。タイアップしている旅行会社もあり、提唱時コロナ禍だったため、比較的実践しやすかった。
かく言うこの私も、実践した一人である。

以前の長距離歩行旅行で、ただ本を読むだけの時間が、他では得難い精神的に充実した時間となってしまったため、私はちょくちょくこのインプット奴隷合宿もどきを行っている。
自分にとって最適な“インプット奴隷合宿”を探し、様々なことを試した。
今回は読書をする場所や時間について、考察してみたい。

まず、幼いころの私が置かれていた環境は、現代では珍しく、エンタテイメントがほとんどないところだった。インターネットはおろか、BSやCSチャンネル、衛星放送もない。地上波のチャンネルは3つあり、そのほかに地上波の再放送を永遠放映している地方局と、その地方局がカバーするエリアよりも、もっと小さい地元ケーブルテレビチャンネルがあったが、好奇心旺盛な子どもがみて面白い番組は無かった。だいたいが、近くの公民館の祭りの様子であったり、3年前の”壺や絵画を鑑定する番組”や10数年前のトレンディドラマの再放送だったりである。
5階以上のいわゆる商業ビルは、歩いて2時間のところにある。その商業ビルのテナントも、半分は空きであった。
路面店は閑散としており、唯一流行の商品を売っていたのは、駅前のローソンと駅中のニューデイズと、山の中のミニストップだけである。

娯楽が無いから、仕方なく本を読んでいた。幸い、コンビニには小説や漫画が沢山置いてあった。
そんなわけで、大学進学を機に都会に出るまで、おおよそエンタテイメントに触れる機会はなかった。

都会に出て、一通りエンタテイメントに触れ、一回り大人になった今、書籍を読むという娯楽に帰結した。最近実感しているのは、漫画を読むより小説などの文字を読むほうが、楽だということだ。人は己の幼少期の経験で、エンタテイメントも選ばれるということだ。

そこで、少ない休日の時間を有意義に過ごすため、最高の読書環境を探そうと思い立った。

場所


読書をする場所として挙げられるのは、以下の5つだろう。実際にその場で読書をした私の評価を添えて、紹介する。


①カフェ

…コーヒー300円程度の支出でだいたい1・2時間程度居座れる。まれに店内に階段があり、複数階要している店舗では、もう少し長居ができる。
しかし、”隣の人ガチャ”がある。先週、2時間ほど居座ったが、隣に頭ばかりをしきりに掻いて、スマホゲームをしている学生が座った。どうしても気になって、やむなく退席した。あくまで飲食店である。自己の清潔感に気を配りたいものだ。

このタイプの蓋だが、私が飲むと、絶対に横からこぼれてしまう

②電車

…3時間ほど電車に乗る機会があった。田舎であるため、いつでも座れる。隣の乗客に迷惑が掛からなければ、文庫本程度の大きさの本を広げられる。しかし、目的地近くになると、降り忘れまいかと心配になったり、乗客の中で非常に気になる容貌をしている人がいると、読書どころではない。

騒音はあるが、乗る電車によって大きく当たり外れが出るだろう。また、読書中に思わず噴き出したり、爆笑をしてしまうと恥ずかしい。また、付箋をしようするなら、あらかじめ栞か裏表紙に何枚か貼り付けることをお勧めする。私の小さな付箋は電車の揺れで、転がってなくしてしまった。

電車内ではマナーを守ってね


また、背筋を伸ばして本を開いている姿が異物に見えるのか、隣に座っていた足を大きく開いたやんちゃな男性が、すこし遠慮して足を閉じてくれた。2週間前の、京成線での出来事である。

③自室

…言わずもがな、タダで何時間でも居座れる究極のプライベート空間。付箋を用いることもできるし、書籍の内容に文句を言うこともできる。しかし、すぐそばに布団やスマートフォンがあるため、読書から離脱しやすい。なにより、所持している本がほぼすべてあるため、あれもこれもと乱読状態に陥る危険がある。

③-1 デスク…とくに集中できるのが机である。机の上には何もないのが望ましい。スマホを置いて、読書時間を計測したが、30分で気が散った。計測には、アナログ時計がおすすめである。
③-2 ベッド…姿勢が悪くなるし、寝てしまう。うつぶせの状態から両肘をついて状態を起こす体勢が楽なのだが、長くは続かない。

枕の隣に5冊本を積んでた時は、さすがに片付けようと思った

③-3 風呂…のぼせるし、本がふにゃふにゃになる。天井からの雨粒で、紙が悲惨なことになる。おすすめはしない。
③-4 ベランダ…天気が良ければ最高に良い。特に秋から冬にかけて、ベランダにキャンピング用のチェアとひざ掛け、温かい飲み物でリラックス度が高まる。しかし、春先は花粉や黄砂で服や本が汚れるし、夏は熱中症に注意しなければならない。
③-5 トイレ…長時間には向かない。脱腸の危険性があるため、絶対にお勧めしない。もしどうしても読みたいのであれば、数ページで一区切りがつくエッセイが望ましい。

④ネットカフェ

…アイスやドリンクに注意が向いてしまい、集中できない。店舗にもよるが、デスクがだいたいアイスでべたべたしている。

だがしかし、こういうアイスを作るのが楽しいのだ

⑤散歩しながら

…いわゆる耳の読書だが、私の場合耳から入ってくる情報と違うテーマを考え始めるため、おすすめしない。とにかく話が飛ぶし、音声を戻って読み直すことが難しい。

⑥ホテル(ビジネスホテル)

…おすすめ度が非常に高い。持ち込むアイテムも制限され、支払う金額も高いため、元を取ろうと、より読書に集中できる。

もし宝くじが当たったら、星のやリゾートで読書合宿したい

⑦図書館

…平日は高齢者が多く、座れない。夕方や休日は学生が勉強しているため、座れない。とにかく座れないし、飲食もできない。しかし、図書館の建物が素敵だと、何時間でも立ち読みできてしまう。いつのまにか脱水症状になったり、疲労で足が腫れたりする。やはりお勧めしない。

以上より、私のお勧めは②電車・③-1デスク・③-4ベランダ・⑥ホテル(ビジネスホテル)となる。

追記として、本当に興味を引く内容であれば、私はフローリングに直座りしていた。その結果、足の皮膚にフローリングの溝の跡がくっきり残った。フローリングの上は、おすすめしない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?