#小説
来たれ同朋、約束の地へ:SideA
私の記憶にある あの場所は
灰色に霞んで薄暗く沈殿している
父の仕事の関係で2年だけ住んだ街
とりたてて楽しい思い出も無く
通った小学校でも友達らしい友達はいなかった
ただ 一人
夕方の 学校近くの公園で
必ず遊んでいた男の子
その子の事は たびたび思い出す
一緒に遊んだわけでもない
むしろその逆
一度だけ『遊ぼう』と声をかけた時
その子は怯えと怒りの混じったよう
私の記憶にある あの場所は
灰色に霞んで薄暗く沈殿している
父の仕事の関係で2年だけ住んだ街
とりたてて楽しい思い出も無く
通った小学校でも友達らしい友達はいなかった
ただ 一人
夕方の 学校近くの公園で
必ず遊んでいた男の子
その子の事は たびたび思い出す
一緒に遊んだわけでもない
むしろその逆
一度だけ『遊ぼう』と声をかけた時
その子は怯えと怒りの混じったよう