誰も教えてくれない「司法書士」のしごとの話
こんにちは!税務を中心に、企業経営などをワンストップでサポートしている税経センターです。
「税経センター」という社名から、税務関係を担当する会社であることは伝わるかと思います。実は税理士以外にも、司法書士、社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナーなど各分野の専門家が在籍しているのが特徴です。
連載中の「誰も教えてくれない! 〇〇のしごとの話」シリーズでは、そんな税経センターの業務をひとつずつ取り上げます。
4回目の今回は、「司法書士」の業務をピックアップ。インタビューしたのは久保田さん。商業登記を中心に、総合事務所ならではの幅広い司法書士業務を担当しています。
「士業のお仕事が気になる!」
「司法書士って、どんな仕事をしているの?」
そんな方にも分かりやすいよう、司法書士の仕事内容や資格取得の方法、実際の業務の様子をお伝えしていきます。
司法書士ってどんな仕事?
ーー久保田さん本日はよろしくお願いします。まず、司法書士の仕事内容を教えてください。
はい、司法書士は裁判所や法務局へ提出する書類の作成を行う法律家です。
業務は、土地や建物に関わる不動産登記や会社などの法人に関わる商業登記の割合が大きいです。その他にも成年後見・信託・相続などに関わる幅広い業務を担当します。
ーー本当に多岐に渡る内容ですね。法律の専門家には弁護士もいますよね。弁護士とはどのように違うのでしょうか。
大きな違いは、扱う業務範囲とお客様にとっての立場です。
弁護士は法律業務すべてを扱うことができ、代理人となって相手方と交渉を行うなど、法律で依頼者が有利になるよう努めます。
一方司法書士は、トラブル時でもどなたに対しても中立でいなければいけない立場です。これは業務範囲に制限があり、交渉などを行ってはいけないのが理由です。
法律で悩みを抱えている方に、身近な法律家としてより近い距離で関わるのが司法書士だと言えます。
司法書士になるには?
ーー続いて、司法書士になる方法を教えてください。
司法書士になるには、司法書士試験に合格しなければなりません。その後司法書士会に登録すると、仕事ができるようになります。
試験は年一回。試験は業務に関わる11科目で、合格基準点を満たす必要があります。
ちなみに、試験を受ける以外に法務大臣から公的な認可を得て司法書士になる道があります。しかしこちらは指定官職に5年以上、あるいは10年以上従事することが条件ですので、司法書士試験を受ける方がほとんどです。
ーー11科目もの内容を一発勝負で受験するのはかなり大変そうです。合格するのに勉強期間はどのくらい必要なのでしょうか。
試験勉強に専念している方でも3年から4年かけて合格しているように思います。
もちろんもっと時間がかかる方もいます。私自身、司法書士を目指して勉強を始めたのは大学生の頃でしたが、途中で就職・結婚・出産などで勉強しなかった時期もあり、トータルでは20年ほどかかっています。うち、集中的に学習したのは最後の5年でした。
ーーその期間、モチベーションを保つのが大変そうです。何かコツはありますか?
合格までは長期戦なので、モチベーション維持は大切です。学習範囲も広いので、テストを目標にしてペース配分するのもおすすめです。何より大切なのは、諦めない気持ちです。
私自身が学校に通い出したのは、子どもが中学受験のために塾に通い出したのと同じタイミングだったんです。子どもも頑張っているので、諦めるなんて言えなくて。(笑)
受験生同士、ノートを交換して丸付けし合うなど励まし合って勉強しました。子どもが中学合格したのと同じ年に、無事司法書士試験に合格できたんです。
ーーお子さんが受験勉強のパートナーになっていたんですね!
司法書士の仕事に繫忙期はあるの?
ーーでは、仕事のスケジュールや働き方について教えてください。司法書士には、繁忙期などはあるのでしょうか?
一般的な司法書士事務所と税経センターとでは、違っていると思います。
司法書士事務所は、決済専門、相続専門というように、受ける業務を絞っていることが多いです。そのため、決済業務が多い事務所では大安や月末など、決まった日が忙しくなります。
税経センターは業務が多様なので、特別どの日が忙しいということはありません。年間通じて同じくらいの業務量ですね。
ーー毎日の勤務についても教えていただけますか?
9時15分から17時15分が基本です。残った事務作業や、担当業務の勉強のために残業することもありますが、子どもを病院に連れていく日は定時で帰ることも。急ぎの仕事でなければスケジュールの調整ができるので働きやすいです。
個人情報を扱うので仕事の持ち帰りはしませんが、家や図書館で調べものをすることはあります。多様な業務を扱う分、案件ごとに必要な手続きが違いますし、法律の改正もありますから。
受験時には法律を覚えればよかったのが、今は規則まで理解しなければならないことも多くて。受験のとき以上に勉強していますね。
ーー資格取得後も勉強を続けているなんて大変です。久保田さんは、どのような人が司法書士に向いていると思いますか?
几帳面で、コツコツ努力を続けられる人は向いているかと思います。
登記簿謄本に載るものを作るので、間違いがあってはいけません。また、私も働き出してから知ったことですが、ずっと学び続けなければならない職業です。お客様のために勉強を続けられる人にはおすすめしたいです。
税経センターの司法書士だから経験できること
ーー久保田さんはなぜ、多様な業務を担当する税経センターに勤務することにしたのですか?
税経センターでは商業登記の業務が多かったのが一番の理由です。
司法書士業務の花形は不動産登記といわれていますが。現在司法書士2年目の私が、ライバルが多く、銀行や不動産会社との連携が取れている方の中に入って不動産担当をするのは難しいと考えました。
今は商業登記を中心に様々な業務を担当して、経験を積みたいと思っています。
ーー久保田さんご自身は今後のキャリアをどのように考えていらっしゃいますか?
いずれは専門分野を持ちたいですが、ここでは法に関わる案件を総合的に判断できる力を身に付けられます。税理士の方とも連携して仕事する中で学べることも多いです。
例えば、会社の所有者を変更する際には株の譲渡など商業登記だけでなく、相続や不動産の問題も絡んできます。司法書士の担当業務以外にも必要な手続きなどがあることを知っていれば、お客様にお伝えすることもできますし、関連の士業の方に確認していただくこともできます。
ご相談を受けた方に「安心した」などと言っていただけるとやはり嬉しいですから。
ーー多様な業務を担当できる税経センターでの勤務は、目指す司法書士像と合っていたんですね。
これから司法書士を目指す方へ
ーー久保田さん、本日は司法書士のこと、ご自身のこと、詳しく教えていただきありがとうございます。最後に、これから司法書士を目指す方へのメッセージをお願いします。
コミュニケーションを取りながら人の権利を守りたい方には、ぜひ司法書士をおすすめします。
人生100年時代に伴い、今後は認知症対策が必要だと感じています。認知症になる前にご自身の意思で手続きがされていれば、と思うのです。お客様と関係を築き、コミュニケーションの中で必要なご提案をしていくことは、ご自身やご家族を未来の争いから救うことにつながります。
法律が好きで勉強を続けられる方、何か一つを極めたい方なら、男女問わず活躍できる職業です。まずは資格取得に向けて頑張ってください!
【編集後記】
今回は、司法書士のお仕事について紹介しました。
業務内容を知らなかった方も、どんな業務を担当しているのかイメージがもてたのではないでしょうか。
noteでは引き続き、税経センターに在籍している専門家たちのお仕事を紹介していきます。質問などあれば、コメント欄でお送りください。次回もお楽しみに~!
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