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誰も教えてくれない「行政書士」のしごとの話

こんにちは!税務を中心に、企業経営などをサポートしている税経センターです。

「税経センター」と聞くと、税務関係のサポートだけをしてくれるのかな?とイメージできるけれど、実際にどのような業務があるかわからない、という方も多いかも。

そこで「誰も教えてくれない! 〇〇のしごとの話」では、総合事務所である税経センターの業務をひとつずつわかりやすくお伝えしています!

第2弾では『行政書士』についてご紹介!
今回は税経センターの花井行政書士に詳しく教えていただきました!

第一弾の記事はこちらから↓

「行政書士」ってどんな仕事?

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ーー花井行政書士、本日はよろしくお願いします!税経センターでのお仕事や行政書士という職業に興味を持っている方に、わかりやすく伝えていければ思います。

こちらこそ本日はよろしくお願いします!

ーーさっそくですが、行政書士という職業の仕事内容について教えてください。

はい、行政書士の仕事は大きく分けて3つあります。

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1つ目が、都道府県庁や市・区役所などの官公署に提出する書類の作成や手続きの代理です。私たち行政書士が作る書類は、建設業の許可申請や外国人のビザなど、許認可に関するものが中心です。

2つ目の「権利義務に関する書類の作成」は、遺言書などの法的な権利に関する文書の作成ですね。

そして3つ目の「事実証明に関する書類の作成」は、図面や議事録などの書類が該当します。

この3つに該当するそれぞれの書類の作成、申請の代行、そしてお客様からの相談を承るのが行政書士の仕事です。

ーー業務内容の幅がとても広いですね。お客様はどのような方が多いのでしょうか?

業務内容の幅が広いので、お客様も個人の方から企業までそれぞれです。業界的には、建設業・運送業・相続関係が多いですね。

税経センターではビザの取得サポートも行っているので、外国人のお客様もいるんです。これから来日される方のサポートの場合には、まだ日本に入国していないのでオンライン会議システムで打ち合わせをしています。

行政書士になる方法とおすすめの勉強方法

ーー 次に、行政書士になる方法について教えてください。行政書士になるためにはどのような手順が必要となるのでしょうか?

日本行政書士会連合会が管轄している『行政書士名簿』への登録が必要です。行政書士名簿に登録するには、行政書士試験に合格するか、指定の資格を所有している必要があります。

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私自身は、行政書士試験に合格して、いま行政書士としてお仕事させていただいています。

行政書士試験では、法律や民法などの問題が出題される法令科目、時事問題などが出題される一般知識の2科目を受験します。

見出し②:税理士試験科目

各科目の合格ライン以上の点を取り、そのうえで合計点の合格ラインをクリアすると合格となります。

ーーなかなか厳しい試験ですよね。行政書士試験は、合格率約10%の難関試験とも言われています。花井さんはどのように勉強されたのですか?

私は主に行政書士試験対策のアプリで勉強しましたね。毎日過去問を中心に解いて、時事問題などが出る一般知識対策として毎日ニュースをチェックしていました。

でも、もし今から行政書士試験対策をはじめるなら、私は予備校に通うことをおすすめします。

ーーえ?!そうなんですか?でも花井さん自身は、予備校には通わず合格されたんですよね?

たしかに私自身は予備校に通っていませんでした。でも予備校に通った方が、独学で学ぶより確実に正しい知識を身につけられます。それに行政書士を目指す仲間ができるので、モチベーションも上がると思いますよ。

何より予備校へ受講代金を支払うので「絶対に合格するぞ!」と、自分の中に覚悟が生まれるかなと。

ーー行政書士になってからのことも考えて、予備校に通うのは自分のため、そしてこれから関わるお客様のためにもなりますね。

行政書士の仕事スケジュール

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ーーここからは、行政書士の仕事のスケジュールについて教えてください。1年の中で特に忙しい時期などはありますか?

行政書士の場合、基本的にクライアントの案件の期日に合わせて対応するので、年間での繁忙期はありません。同じ士業である税理士は、確定申告の時期などがとても忙しいので、そこは対照的かなと思います。

行政書士の場合は、特にクライアントの案件の期日内に業務が終わるようにとても気を使います。

ーー具体的にどのような部分に気をつかうのでしょうか?

大きく分けて2パターンあります。

1つ目は許認可関係などの「更新期日」が決まっている案件です。

再申請するのも大変ですし、期日を過ぎてしまうと仕事ができなくなるのでお客様の事業や生活にも大きく関わります。だからこそ、期限切れを起こさないように管理を徹底しています。

また2つ目は、開業関係やビザの申請など、活動開始したい時期までに手続きを完了させる案件です。

例えば、外国人の方が4月から日本で働く場合は、事前に許可が降りるように進めないといけません。そのため、お客様に「その期日に間に合わせるためには11月から準備しましょう」など、スケジューリングのアドバイスや管理を行っています。

ーーお客様の要望に合わせて、書類作成や申請が間に合うようにサポートしていくんですね。

そうですね。ただひとつだけ、行政書士のお仕事で寂しいなと感じることが、基本的に案件ごとのスポット契約であること。

税理士や社労士のように顧問契約は多くないので、案件が終わるとお客様とのお付き合いも一旦終了になってしまうのは寂しいなと感じています。

ーーたしかにそれは寂しさを感じてしまいますね。スポット契約である分、営業活動も定期的に行っているのですか?

はい、定期的に行っています。次の案件がなくならないか?という不安がつきまといやすいのは、一般企業と同じなのかもしれません。

その分さまざまな工夫を凝らして、営業活動をしています。ビザの取得サポートについては、中国人スタッフにより中国人向けのSNSで情報発信をしていますね。

一般の方からの質問にお答えします

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ーーここからは一般の方から寄せられた行政書士に関する質問にお答えいただければと思います。1つ目は「今後さらにAIが発達すると、行政書士の仕事は生き残りが厳しいのでは?」という質問が寄せられましたが、いかがでしょうか?

その通りだと思います。少し極端なお話になりますが、行政書士の仕事はなくてもいいんです。手間はかかるけれど、やろうと思えば自分で書類の作成や申請ができるので。

でもやっぱり、行政書士が扱う書類や申請は内容が複雑であったり、日頃からよく行ったりする手続きではない分、お客様からすれば手間だし、きちんとできているか不安を感じやすいです。

だからこそ、お客様の不安や疑問にわかりやすく答えられる、負担が少なくなるような提案ができる、そんなお客様に寄り添える行政書士が今後生き残っていくのではないかと私は考えています。

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ーー不慣れな手続きをサポートする分、AIには難しい優しく寄り添う姿勢が大切になるんですね。
続いて、「行政書士はどんな人が向いている?」という質問をいただきましたが、花井さんはどのようにお考えですか?

業務内容が多岐に渡るので、一概にこういう人が向いています!と言うのはなかなか難しいです(笑)

行政書士の仕事のなかでも、正確性や効率性を求められる場面もあれば、お客様の要望を聞いたりする場面もあるので、自分の長所を見つけて伸ばすことが大切ですね。

ーー自分の長所を活かせるほうがより成長していくスピードも早いですし、お客様の期待に答える付加価値を乗せていきやすいと思います。

そうですね。

自分がお客様の代理人として書類作成や提出を行っている分、期待されている以上のことを返さなければいけません。そのためにも、お客様が何を求められているか考えて、求めていることを引き出せるようにするという責任感や使命感が大切だと考えています。

「行政書士」という仕事に興味がある方へ

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ーー最後に、行政書士や税経センターでの仕事に興味を持っている学生さんへメッセージをいただければと思います。

まずは、ここまで読んでいただきありがとうございます。

もしかしたら、行政書士は書類作成だけの固くてつまらない仕事と思われている方もいるかもしれません。でも実は、想像力や対応力が求められる仕事でもあるんです。

どのように書類をわかりやすく作るか?どのように説明したらお客様にもわかりやすいか?など考えることはたくさんあります。

特にビザ関係では自由様式の書類が多いので、他の士業に比べて柔軟性や個人の個性が発揮できる仕事だと思います。

ーー税経センターの場合、行政書士だけでなく税理士や社労士など他の職種の方と「協力」して、お仕事を進めていくことは多いですか?

もちろんです。総合事務所なので、分野の専門家たちと協力しながらお客様をサポートしていきます。

だからこそ、お客様にとってはトータルサポートを依頼できる安心できる環境であり、従業員にとってはスキルアップしやすい環境です。

もし少しでも興味を持ったら、ぜひ行政書士として、また税経センターのスタッフとして一緒にお仕事ができたら嬉しいです。

ーー花井行政書士、本日はありがとうございました!

【編集後記】

私たちの生活に身近ではないけれど、生活や企業経営に関わる重要な書類の作成から申請の代行を行うのが行政書士のお仕事。期日に間に合うようにスケジューリングしたり、お客様負担を減らすためにはどうすればいいかを考えたりするなどの「想像力」が求められることがよくわかりました!

次回も税経センターにまつわる仕事を深堀していきます。お楽しみに!

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