親子セットの支援
前回の記事の続きです。
先日、こんな公開講座を受講してきました。
ふたりめの講演者、明和政子先生のお話です。
明和先生は、比較認知発達科学という新しい学問分野を世界に先駆けて切り拓いてきた先生です。脳科学者である明和先生が、食物栄養学科の講座でどんなお話をされるのか?興味深く聞いてきました。
先生がおっしゃるに、脳の健やかな発達には食べるものが極めて重要。
確かに確かに。
だって身体は食べたもので出来てるし、脳だって身体の一部だし。
思春期、キレやすい子どもの育ちをたどると、幼児期に偏食傾向にある子どもが多い、特に緑黄色野菜嫌いが多いそうだ。
また、脳の発達過程には、感受性期と呼ばれる環境の影響を受けて顕著に変容しやすい期間があるが、腸にも感受性期が存在する。腸の感受性期をいかに過ごすかが、生涯にわたるその人の心身の健康を左右する。
明和先生のお話、更に続きます。
こうした子ども期の腸と脳の健やかな発達を、親任せにせず、国の施策として予算を取って対策することが重要だと。
そしてそれは、子どもだけでもなく、親だけでもない、
必ず親子セットで支援されなければならない。
あ、時代が変わったんだ、と思いました。
30数年前、私の子育て期のような、お母さん頑張って、栄養バランスの取れた食事作り頑張って、母乳頑張って、しつけ頑張って。
ひとりで頑張れと誰かに言われたわけではないけど、そう思わされる空気はあったように思う。
でも。もうそんな社会ではないのだ。
社会全体が、ということはつまり、社会の一員である私たち一人ひとりが、
子どもの育ちを支援する、親子セットで支援する。
それが当たり前の社会に、今、もう、なっている。
講演後、会場のシニア男性がこんな質問をしました。
「ところで先生、我々男は何をすれば良いんでしょうか?」
はい、出た、というか、引っ掛かった笑。
返す刀で明和先生、
「私たちはもう、母性とか父性という言葉は使いません。親性(おやせい)と呼んでいます。性差は関係ありませんし、女性が育児に向いていることを示す明白なエビデンスはありません。」
ぴしゃり。
音が鳴ったかと思いました笑。
ほんそれ。そういうとこやぞ、お父さん(ちょっと気の毒でしたけど)。
最後に。講演の中で1番印象的だった言葉です。
「脳の神経細胞が成熟するのは何歳だと思いますか?25歳なんです。
だから私は京大の、うちの学生をものすごく子ども扱いします。
だって子どもですもん笑。」
あぁ、私、ちょっと早すぎたのかも、うちの子たちの手を離したの。
大学に入った頃、もういいかなって。
だって男の子はどんどん母親から離れていくし、
追いかけてしがみつくのもなんかしみったれているような気がして。
何をカッコつけていたんだろうか笑。
学び、気付き、苦笑まじりの反省の念。
面白い講演会でした。
#明和政子 先生
#脳科学
#脳腸相関
#親子セット
#親性
#食育
#食育科学
#講演会
#京都女子大学
#子離れ
#感想文
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?