ゴーフルは重ねて食べる
お土産屋さんや何かしらのコラボスイーツの1つとして目にするもの。
それが「ゴーフル」のイメージである。
薄く焼かれた薄茶色の丸い生地が2枚。その間にはクリームが薄く塗られている。基本は白いバニラクリームで、チョコやストロベリーなんかもあるだろうか。
正直、私はゴーフルに対してそこまで魅力を感じていなかった。
嫌いな要素は何ひとつない。それなのに何故だろうと改めて考えたとき、洋菓子にしてはだいぶシンプルな見た目、そして何よりもその薄さが弊害となっているのではないかと思った。
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頬張ることが三度の飯よりも好きな私は、食事もスイーツも大きめの塊で食べたいという欲求がある。
小さくカットしてしまうと口の中がおちょぼ口のようになった感じがするし、対象を味わうよりも探す作業に気をとられてしまうのだ。
だから本当はケーキも手で掴んで半分くらい一気にいってみたい。しかし好きなものが一瞬で胃に消えてしまうのも寂しいため、フォークでお上品にカットし、最後の一口を二口サイズくらいの状態でガバッと食べるくらいにとどめているのだった(外ではやってないですよ……たぶん)。
一方、ゴーフルは非常に薄い。ビスケットやウエハースだって分厚くはないのだが、ゴーフルの薄さはその比ではない。そのため、食べる前からなんとなくもの足りない気持ちになってしまうのだ。
とはいえあの軽快なサクサク感が生み出せるのは繊細な薄さあってこそだし、せんべいを焼く技術から派生したという歴史も込みで素晴らしいことである。「口の中がおちょぼ口」という意味不明なことを言っているいやしん坊がおかしいだけだということをご承知願いたい。
しかし最近、自分にぴったりなゴーフルの食べかたを発見してしまった。そしてその結果、巷のゴーフルを探しに行きたくなるほど好きになったのだ。
その方法は至極簡単。ただ重ねて食べるだけである。
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先日珍しくゴーフルをお土産でいただいた。丸い缶に入ったそれは3枚ワンセットの2袋入りだった。
数年ぶりということもあり、どのようなものか再確認するためにも1枚目は厳かな気持ちで咀嚼していく。記憶よりも軽快な食感と香ばしさ、そしてほのかな甘み。美味しい。思っていたよりもだいぶ美味しい。
1枚目を食べ終えた私は、試しに重なったままの2枚をそのまま掴んで食べてみた。
先程味わった食感が倍になり、口の中はサクサク感でいっぱい。対して甘みはそこまで増幅されず、バニラとストロベリーがゆるやかに交わっていた(1袋に2種類入っていたらしい)。
1枚から2枚になっただけで、こんなにも雰囲気が変わるとは。
1枚あたりの生地やクリームが分厚くなったわけではないため、繊細さは残ったまま。そこに豪快さが加わるという水と油みたいなコラボレーションが奇跡の大成功を収めたのである。
あの日1袋でとどめた私のファインプレーにより、あと1袋残っている。最後だし、せっかくだから思い切って3枚同時に食べてみようかな。
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