マロングラッセの功績
かぼちゃスイーツ選抜記事を投稿し、2024年は食べ納め……なわけがないでしょうが!(開始1秒でキレないで)
ハロウィンは随分前に終わったが、今月21日は冬至がある。
ハロウィンを吸収した結果、年に2回かぼちゃをフィーチャーしてくれる日本。スバラシイッ!
和菓子屋で冬至商品が出ないか目を光らせている今日この頃だが、そういった行事でなくともかぼちゃを置いてくれるお店はそれだけで大好き。それが美味しかったら大大大大好き。景気よく2乗していくよ。
そんな大²好きになった「一福」のかぼちゃは、スイートポテトを彷彿とさせる、しっとりみっちりな濃厚スイーツだった。
スイートパンプキン。
スイートポテトを彷彿とさせる、も何も、最初からそれをイメージして作られたであろう名前である。
とはいえ、巷には名ばかりの商品だってある。その点、スイートパンプキンはちゃんとスイートポテトの系譜を継いでいるのだ。
パンプキン餡をパウンド生地で包んだような和洋菓子。原材料を上から見ていくと、パンプキンあん、マロングラッセ、バター……と続く。
かぼちゃが1番目なのも期待が持てるが、想定外のマロングラッセに動揺してしまった。そんな高級なやつが2番目に多く入ってるんですか? つまり、「トップとそれを支える腹心」というご関係ってことですね?(??)
そんな名コンビと、彼らを支える精鋭たちによるスイートパンプキン。
これはもう、スタンディングオベーションである。拍手喝采。ブラーボ、ブラーバの声が鳴り止まない。観客が私ひとりだったのがもったいないくらいだ。
前述のように外側が生地&内側に餡という構造だが、それらはすぐに混然一体となる。バター香る生地と餡が口の中で混ざり合い、濃密な旨味がなめからに広がっていく。そしてかぼちゃの風味も生きている。
正直、かぼちゃ味がものすごく強いわけではない。なので、前回記事での選出条件が「12月以降に食べたもの」だったとしても、スイートパンプキン
は泣く泣く見送っていただろう。
しかしかぼちゃが圧倒的かどうかなんてこの際どうでもいい。
ちょっと存在感薄いか……?という不満を一瞬にして無にする美味しさが、そこにはあった。
ちなみにマロングラッセについては、それ単体の味を検知することが叶わなかった。しかしこの大団円に影響を及ぼさなかったはずがない。むしろ彼がいたからこそ、みたいなところも多分にあったに違いない。
自らを消し、主役を立てる……そんな陰の立役者に、大きな拍手を。