デビルエッグに潜む何か

どうやら今日はイースターらしい。

卵に模様やイラストを描いて飾ったり、家中に隠して探し当てた数を競ったり……などということは残念ながらせず、このまま一日が終わりそうだ。

しかし、粋な母が、イースターの定番料理らしいデビルエッグなるものを晩御飯に出してくれた。

パッと見は半分に切られたゆで卵だが、黄身がもさもさと盛り上がっている。どうやら、黄身にマヨネーズなどを混ぜ、再び穴に詰めるという料理らしい。黄身をただほぐしただけかと思った……それだと「もさもさ」にならないよ、と母に笑われたが、しばらくピンとこなかったのはここだけの話……。

黄身にはマヨネーズの他に、ハーブか何かが入った塩を入れ、黄身を白身にセッティングした後にパプリカ（パウダー）と胡椒をかけるというオシャレな一品になっていた。パプリカの赤が白と黄色に良く映えるのだ。

ゆで卵とマヨネーズの組み合わせが大好きなので、問答無用で美味しかったのだが、さらにそのどれでもない何かの味が良かった。さあ、それは何でしょう……私もわからないので誰か教えてくれませんか（え）。

名前と対象が一致していないと覚えられないし、共有できない、ということを、まさかデビルエッグで再認識するとは思わなかった。確かに知っている味で、以前にも好きだと思ったはずなのだ。なのに、それが何かわからない。この何とも言えない気持ち悪さをどうしてくれよう。

とはいえ、これじゃないか、というのは一応ある。黄身の中に入っている塩に含まれた何かという説だ。先ほど「ハーブか何かが入った」と申し上げたように、だいぶあやふやな情報しか持ち合わせていない。

よくわからないものの答えは、よくわからないものの中にある……なんかちょっと格好良い言い回しになったが（そうか？）、これはかなり有力な候補なのではなかろうか。

まあ、この説も私ではなく、母が唱えたものなのだけど。私は「そっかぁ」とか言いながら、やっぱりピンときていなかったのだった。