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『売り込みのプレゼン②』

◆白紙の状態からやり直す
 売り込みを続けていれば、会社や商品について一通りの質問が出尽くすはずです。1度目の売り込みが済んだら修正、2度目の後にも修正したくなるものです。そうすれば質問の答えは盛り込まれていきますが、プレゼンは長く、文字サイズは小さくなります。1度のプレゼンで全ての質問に答えようとしないで下さい。どこかの時点で立ち止まり、売り込みがどう変化してきたのか見直すのです。白紙の状態からやり直すことをお勧めします。重要な質問や問題点を頭の片隅に置きながら考え直しましょう。全ての質問がクリアになるまで修正を続けるというやり方では、最高の売り込みにはなりません。どこかの時点で全部投げ捨て、重要な問題にだけ集中して一からやり直す方が良い結果になります。

 フィリピンに行けばジープニーという車をよく見かけます。ジープニーはマニラ周辺を走っている乗合自動車の一種で、基になっているのは戦後アメリカ軍が残した大量のジープです。今ではメルセデス・ベンツのプロントグリルを付けた10人以上乗れるように改造されたものもあります。色々な部品が取り付けられ改造されているので、もはやジープの面影はありません。延々と修正を続けたプレゼンは正しくジープニーと同じです。簡潔で美しく洗練されたプレゼンを目指すために、ある時点で最初から考え直しましょう。

◆思想的なプレゼン
 発表者が部屋に入ってきて30秒で本題がスタートし何をする人なのかが説明します。特許や急成長や大変革と言った綺麗ごとの言葉は一切なし。「僕たちはこれをもっと良くしようと思って、この商品を作りました」。最初の60秒で事業内容が分かれば最高です。そこからは何が特別なのかを話して下さい。技術や他の商品との違いなどです。

 その次は実演です。試作製品でもウェブサイトでもアプリでもいいので、実物を見せて下さい。それ以上は必要ないかもしれません。簡単な自己紹介と3~4枚のスライドと試作品での実演があれば十分です。実演で見たものがとても魅力的ならそれ以上のスライドは不要です。

 更に素晴らしい売り込みとは次のようなものです。「僕たちはずっと二人で食事も惜しんでやってきました。住んでいるのは間借りした部屋で、インターネットの環境も満足に整っていません。でも、このウェブサイトを作って公開したら何千人もの利用者が集まったのです。」事業を説明し、実物を見せて、しかも既に利用者がいる。そこまでくれば、もう売り込みは終わりです。次の段階へ進めるでしょう。

③へ続く

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