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2020年2月の記事一覧
刑事たちも踊らされた。警察を手駒にする離婚業者の手口!
■3
車六台、二十人という陣容で、刑事たちは団地を取り囲んでいた。有無をいわさず子供たちを車に乗せた。
子供たちだけを警察の車に乗せるわけにはいかない。私も刑事たちの車に乗り、昨日走った関越自動車道を、今日は新潟に向かって北上することになった。
娘は何も事情を説明されていないのに、状況を見て「またお父さんに会えなくなる」と泣いている。まだ赤ん坊の息子も泣きやまない。
おびえる子供た
午前5時、警察が突入してきた。私の弁護士は、電話に出なくなった。
■2
「なんですか、あなたたち! 本当に警察ですか」
時計を見ると午前5時。団地の玄関で、いとこのKちゃんが来訪者と押し問答をしている。子供を奪い返した私たちは昨夜、Kちゃんの家に逃げ込んだのだ。
私は飛び起きて玄関に向かった。気丈に振る舞ってはいるが、Kちゃんの小さな背中と声は震えていた。
「ありがとう。あとは僕が対応します」
心配そうにしていたが、従姉妹はすぐ私と入れ替わりに奥
連れ去られた娘を連れ戻したら、警察が「民事介入」してきた。
■1
「子供を連れ戻すことは、犯罪になりますか?」
「私の立場から、連れ戻しをお勧めはできませんが、親権も戸籍もあるから、犯罪にはなりませんよ」と弁護士。
「では、警察は動かないんでしょうか」
「警察は民事不介入だからね、動きません」
子供を連れ戻せば、元妻も考えをあらためるだろう。そこから平和な家庭を再構築できるのではないか。そんなシナリオを描こうとしていた。
その二週間後――緻密に計
プロローグ 父親が絶望から立ち上がる時
ベッドの下に隠れ、泣きながら父親に電話をかける少女。彼女の身体は突如、乱暴にベッドの外へ引きずり出される。泣き叫ぶ彼女を、暴漢たちは手荒に車に押し込めて連れ去った・・・・・・。
――暗い部屋をほのかに照らすテレビ画面の中で、屈強な男が痛快なガンアクションを展開している。度重なるピンチにもくじけず、連れ去られた娘を奪還するために、タフな状況をクールに切り開いていく。
私はなぜ、彼のように
ある日、最愛の子供たちを妻に連れ去られるまでを走馬灯のごとく語る著者紹介
山泊リョウ 昭和五十三年、大阪府枚方市出身。
大学卒業後、円谷プロでウルトラマンの中身、東京FMで使いっ走りなど職を転々とするが、一念発起し完全歩合制の訪問販売で起業。
平均睡眠三時間で日に三〇〇軒のドアを叩く(アポ無し飛び込み即決即払い)生活を二年半つづける。しかも極貧で風呂無しトイレ共同4畳半で家賃一万三千円のアパートに住む。
起業といえば聞こえは良いが、その実、ネズミ講をギリギリ合