数学はこう教え…いや、教えない！！

塾講師のイメージって、よくCMが流れる某予備校講師のようにおしゃべりが得意なイメージありませんか？

私も浪人時代、予備校講師の惹きつけられるといいますか、魔法のような授業に魅力を感じ、

自分も塾講師になろう！と決意しました。

イメージは「魔法のような説明」で華麗に数学を理解させる！

でしたから、集団塾の講師なりたて当時はとにかく喋り倒してました笑

先輩講師達にも「授業上手いねー」とか、生徒にも「先生わかりやすーい」って褒められたもんだからもう天狗です👺

どや！こうだからこうや！どや！わかりやすいだろ！次は…

みたいに、自信満々で息切らして授業してました。

その勢いで定期テストもみんな数学100点やで〜とか調子に乗り、特に考えなしに授業しまくった結果…

えっ、これ教えたやん、絶対テスト出るって念押ししたやん…なんでみんなミスっとんのや…？？

なんで、トップレベルのお前が数学だけ80点台…

大失敗でした…

理想の無理強い、道連れ。独りよがり。

めちゃくちゃ悩みました。

うまくいかない原因なんて、こと教育においては挙げればキリがありませんが、私は授業にこだわるあまり、とにかく自分の授業を改善しようと必死でした。

いや、変えるのはそこメインじゃないだろ。

と頭でわかっていましたが…

諦めたくなかったです。

最近いるじゃないですか？

大切なのは授業じゃなくて、生徒や保護者とのコミュニケーションだ！とか、やる気にさせる環境作りだ！とかバーンと掲げるタイプ…

もちろん、大事だと思います。

きっと塾業界のトレンドですね、これは。

けど、自分の授業研究を放棄して他でカバーすればいいんだ！って考えは、いかにも損得主義で人間らしさがないというか、その考えで塾講師やってて幸せ？

って思っちゃいます。

塾に通う生徒の目的は成績を上げて行きたい学校に行くこと。

塾に通わせる保護者の目的は子どもの成績を上げること。志望校に合格させるため。

その対価としてお金を払う。

そのお金、「授業料」って書いてあるんですよ。

だったら授業の質がどうでもいいわけなんてないでしょう？

お金を払ってまで受けたい授業で、成績も上がる。志望校にも合格できる。

これが生徒と保護者の求めるシンプルな目的ですよね。

そこで自分の塾講師としての在り方や授業スタイルを考えうる限り見直して出した結論はこちらです↓

「教えなければいい」

※あくまで数学に特化した考え方です。

教えるから生徒は考えなくなる。

人間、すぐ答えを欲しがる。

だから、すぐ答えをくれる人が大好きになって、まるでYouTubeでも見るかのようにいつの間にか思考が停止する。

自分が喋るんじゃなくて、生徒が答えを喋りたくなるくらい、考えることに夢中にさせる仕掛けを作るべき。

そこで、私は馬鹿になることを決めました。

自分は馬鹿だからこの問題分からないんだ。みんな、教えて？って感じで、なぜなぜ人間になって生徒に問いかける。

みんなから得た予想を集めて、まとめる。

つまりこれって…

と切り出すと不思議！

絶対誰かが「先生！わかりました！！」って名乗りをあげるんです。

当たったら、

「おおおお！そういうことだったのかーー！ありがとう！これで解決だね！すげえ！神ってる！！」

みたいなことを言ってその子をみんなの前で尊敬します。

これだけです。

言葉じゃ実際の授業の雰囲気は伝えるのに限界がありますが、私からはなるべく教えず、答えてくれた子に思いっきり感謝します。

授業がとっても楽しくなりました。

成績も爆上げでした。

なんか、保護者から感謝のお手紙とかメールとかもらうようになりました。

なんか、校長を任されました。

なんか、数学の教科長に推されました。

決して楽したいがための授業ではないです。

事前に生徒がどんな場面でつまづくのか、あらかじめ考えて、何がわかればいいのか、徹底的に考え尽くして授業を組み立てました。

授業準備にかけていた時間は、喋り倒してた頃よりはるかに長いです。

たしかに、浪人時代に理想としていた、「魔法の授業」じゃないかもしれません。

しかし、どんなレベルの子でも絶対に成績を上げる自信がありますし、自分の授業はまだまだだといつも考えていました。

もし、今塾講師の方で、授業をするのが好きだけど、なんか上手くいかない。

という人のために少しでもお役に立てたらと思い、ダラダラと長い記事を書かせていただきました。

今、私は塾講師を辞めてしまいましたが、最高に楽しい仕事だと思います( ^ω^ )

損得勘定の考え方に染まらず、純粋に授業の質を高められる塾講師が増えたらいいなって思います。