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真面目に生きるほど損する

私は不真面目に生きられない。

真面目にしか生きられない。

ただ、真面目に生きている分、優秀という訳でもない。

不真面目に生きたら底辺に堕ちるだけでは済まされないため、真面目に生きてなんとか平凡を保っているのだ。


そして、この世には二種類の人間がいる。

要領が良い人間要領が悪い人間だ。


お察しの通り、私は後者だ。

要領が悪いバカ真面目だ。

最悪のコンボである。


ただでさえ、「真面目なのに要領が悪い」というダブルパンチを食らっているのに、そこに更に天敵が加わる。

不真面目で要領が良い人間だ。

所謂、授業を一切受けていないが先輩から過去問を貰ってテストをやり過ごしたり、自分では調べずに他人から情報を貰うだけで生き延びていける類の人間だ。

私はこの人種が一番苦手である。


不真面目で要領が悪い人は、不真面目なのが明らかであるから良い。

また、真面目で要領が良い人も素晴らしいと思う。

ただ、不真面目で要領が良い人は、自分があたかも真面目であるかのように取り繕った上で、楽をしているから苦手なのだ。

例を挙げよう。

オンライン授業が殆どである今現在、出席を取る方法で主流なのは、授業内で学んだことの小テスト、小レポート課題、リアクションペーパーという名の感想文である。

対面であれば出席時に名前を呼ばれて挙手をすれば済むはずが、出席確認だけにどえらい時間を費やすようになってしまったのだ。

特に、小レポート等の課題となると、授業時間の倍以上の時間がかかる。
その上、その課題分の時間を考慮して授業時間を調整してくれない先生もいる。(調整してくれたとしても、それでも時間がかかりすぎる)

時間がかかれば当然、手を抜く者やサボる者が現れる。そして、課題がより重くなる。

このような恐怖の悪循環の中で、バカ真面目は生きているのだ。

そもそも、バカ真面目なので対面だろうとオンラインだろうと、勉学に向けての姿勢は変わらない。
手を抜くという概念がない。

だからこそ、オンライン上で授業を受けるだけで出席扱いにしてもらえなければ、パンクしてしまうのだ。
要領が悪いため、人一倍容量を使う羽目になり、結果パンクする。


しかし、この状況を得意とする人種もいる。

要領の良い不真面目だ。

長いので、宇宙人と呼ぶ。


宇宙人共は、そもそも授業を受けない。

授業動画を2倍速で垂れ流しにし、小テストの内容を友達に聞いている。
もしくは、期末テストを過去問で乗り切る。

恐怖の悪循環が起きてしまう元凶である。

このような人種がいるからこそ、我らバカ真面目はより苦労させられるのだ。


宇宙人は元から要領が良いので、どれだけ課題が重くなっても、小テストが難しくなっても、人に頼って要領良くこなす。
また、元々の課題の時と変わらない時間、労力でこなせる。

しかし、我らバカ真面目は要領が悪いので、重くなったら重くなった分だけ労力も大きくなる。

つまり、恐怖の悪循環によって課題が重くなっても、苦労するのはバカ真面目側なのだ。


「だったら人に答えを聞いて課題をこなせばよいではないか」という意見が出てくるのもわかる。

しかし、そこはバカ真面目。

ズルは良心が許さない。

あくまでも、自分に課された課題なので、自分自身でこなし、力をつけていくべきだと考えている。

偽善、プライドが高いと言われるかもしれないが、バカ真面目は本心から良心・道徳を貫き通さなければ気が済まない。

だからこそ、悪気なくズルできる人間が苦手なのだ。



先日、とある男子生徒に
「同じ学科だったよね?わからないことあったら聞きたいからLINE教えて」
と言われた。

以前、「一般受験?」といきなり聞かれ、「はい」と答えたら、
「俺内部進学だからさー。勉強得意ならいろいろ聞くわー。」と言われていたため、とうとうこの時が来たのだと思った。

その男子は、履修登録もろくにしておらず、出席や勉強状況から見て不真面目。

利用されてしまう!と私はバカ真面目の本能で悟った。

聞かれる内容が、ちゃんと授業内容に関連していれば話は別である。

しかし、「小テストの答え教えて」等であれば、言語道断。
教えたら最後、バカ真面目として要領悪く勉学に費やしてきた時間が、全て水の泡になってしまう。

私はバカ真面目に誇りを持ちながら、これまでの人生を生きてきた…訳ではないが、少なくとも自分の中での道徳は貫き通している。

高校時代、テスト追試組に、正規のテストの時の答え見せてと言われたが、「ごめん。捨てちゃった」と言って見せなかった。
(自慢じゃないが、バカ真面目の意地で、テストオール100点を取った時である。もちろん、他人(追試組も含む)には言っていない。親には言った。)

あの時からずっと私の意志は続いている。

勉強は自分でしなければ意味がない。


だからこそ、私はこれからもバカ真面目として生き、宇宙人には手を貸さない。



バカ真面目が評価されるのは難しい。

結果が全てなこの世界、楽に結果を出す宇宙人がたくさんいる。

もちろん、真面目かつ要領の良い人もいる。

しかし、バカ真面目ほど要領悪く時間をかけて物事を取り組む人はいないのではないか。

時間をかければ、それだけ多くの物事に気づけ、回り道もするが、誰も辿り着くことのできない結果も見えてくる。

他人からは評価されなくとも、自分で自分を評価できる結果が見出だせれば、それは何事にも変えられない財産である。

自分を評価するのも、バカ真面目にとって難しい。

しかし、それを目指しながら流されず、楽な道を選ばずに生きていけば、自分にしか見えない道が開けるのだ。

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