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美少女、現る。3ー推しとLINE交換編ー

LINE交換の作戦はこうだ。

「いつも、推しは私が座っている列の前か後ろの列に座っている。
そのため、推しや他の生徒が来るよりも先に教室に行き、いつもの席を確保し、推しが来たタイミングで思いきって話しかける。」

という作戦だ。

推しがどこの席に座るのかは、完全に運任せである。
そんなんでいいのか!?ぶすじま!!

しかし、ビビリが攻めるには、これしか方法がなかった。


大学に入ってから一度も自らLINE交換を頼んだことはなく、むしろ「友達が増えて面倒臭いな~」と思う最低な性格をしていた。
(中学・高校も自ら交換したことはなかったが、友達が増えて面倒臭いとは思っていなかった。一年弱で私の性格は腐ったのか…。)

しかし、今回初めて自ら交換を頼もうと思い立ったのだ!
これを逃す訳にはいかない!

また、只でさえ大学で推しを見つけるのが困難なため、ここで交換しなければ一生後悔する!

そう思い、作戦を決行するのであった。


作戦決行日当日。

私は、推しが前か後ろに座ってくれそうな席について、緊張しながら待っていた。

しかし、推しが一向に現れない。

気づけば、前後の席だけでなく、私の列の席全てが埋まってしまった。

心の中で他の生徒に「どうしてそこに座るのかっ!?」と文句を言いながら、最後の希望に懸けた。

その希望とは、推しが隣の席に座ってくれることだ。

「前後が座れなければ、隣に座ればいいじゃない」
と、かの有名なマリー・アントワネットが言うように、長机の3人がけの席のうち真ん中の席を開けて隣に座ってくれる可能性だってあるのだ。

特に、今回のように全ての席が埋まっている上に、他の席が全員男子であった場合は、自然と紅一点の私の隣の席を選んでくれる確率は上がる。

これは勝利が近すぎる…。


勝利を半分ほど確信し待っていると、ついに推しが現れた。

そして、なんと私の隣の席に座ってくれた。

こんなの、もう神様が味方してくれたとしか思えない!

勇気を出して、話しかけることにした。


わい「今日って12章ですよね?」

推し「12章です」

わい「ありがとうございます」


まぁ、初めは無難にこれくらいが良かろう。次はもう少し攻める。

わい「あの、2回ディスカッションで一緒になったことあるんですけど…ありがとうございました。(略)よろしくお願いします」

推し、相槌のみ。


正直、何を話したのか正確には覚えていなかったが、ディスカッションの件で攻めたのは覚えている。
ついに、LINEを攻めていく。


わい「すみません。もし迷惑でなければ、この後LINE交換して下さいませんか?」

推し「はい、是非。今しますか?」

わい「良いんですか!?」


なんと、交換に成功した。

私自身、相手が嫌な人でも断れないため、交換までは上手くいくだろうとは思っていたが、それでも割とスムーズに交換できたので驚いた。

また、同性であることも功を奏した点だろう。
女に生まれて…良かった!(ブルゾンちえみボイス)


その後、初めてLINEを送った。


わい「○○学科1年の○○○です。LINE交換してくださり、ありがとうございました!」

推し「○○専修3年の○○○です。こちらこそ!これからもよろしくお願いします~」


自己紹介することによって、相手の情報を引き出した。
ここまでは上手くいったのだが…


わい「○○さんって、こういう漢字なんですね!綺麗な名前です…!」

推し「えっありがとうございます!○○(私)さんも素敵な名前ですね~冬休みでだいぶ空いてしまいますが良いお年を~」


かましてしまった…。
言わなければ良かった…。


どう考えても、「面倒臭い奴だな。もうLINE送ってくんな」という文面だとしか思えない。

文の最後が「~」な上、「良いお年を」で締めくくるなんて、明らかに鬱陶しがられているではないか。


これ以上そう思われないように、「良いお年をスタンプ」のみで返事し、締めくくった。
それ以来一切やりとりしていない。


ただ、私がかまさなければ良かっただけなのだ…。

普段ビビリなのだから、いつものように慎重にいけば良かったのに、何故今回に限ってかましたのか。

そのせいで、推しから嫌われたではないか。

ショックすぎる…。


あまりのショックで、Twitterにラップを投稿してしまった。

本垢だが、フォロワー0人で鍵垢だ。

ラップが下手なのは置いておいて、当時の私がそれほどショックだったということは分かってもらいたい。


推しに嫌われてラップまで作ったのだから、二度と自分からLINEはしないし、今後も遠くから愛でるだけでやめておこうと肝に銘じた。

しかし、今期の授業が終われば、もう二度と会えなくなってしまうだろう。
それはつらい。

だからこそ、最後の最後で悔いの無いように終わらせたいのだ。


私にとって「悔いの無いように」というのは、「推せる時に推すこと」、「心から見守ること」である。

これらを貫き通した暁にはきっと、悲しくとも後悔のない結末が待っているであろう。


我は、推しの幸せを心から願っている。


同時に、また新たな推しが現れてくれればいいなとも思っている。


大学で天使を見つけよう。

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