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一年後のカタツムリさん🐌

一年後のある日、私は去年のカタツムリさんに会いました。

 

 

まだ保育園に通っているくらいの頃、私は何故か虫が好きでした。

家のお庭で土を掘り、ミミズを何匹も見つけ、触って愛でるという、今の自分からは考えられない趣味を定期的に楽しんでいました。

小学校に上がった頃、道端でよくミミズが干からびて死んでいたのですが、その時にみんなが気持ち悪がっているのを見て初めて、ミミズが気持ち悪いものとして認識されていることを知りました。

それからはミミズを愛でることは無くなりました。

可愛いとも思わなくなりました。

 

それからだんだんと私の虫好きは収まっていったのですが、カタツムリだけは嫌いになれませんでした。

保育園の頃は、家のお庭で見つけたカタツムリを結構大きめの虫かごに入れて育て、キャベツなどをあげて、雨の日に自然に帰していました。

雨の日にカッパを着て、傘を差しながらカタツムリを愛でていました。

…はぁ、

…やっぱり、私は虫を愛でがちだったようですね。(笑)

あの頃の純粋な自分に戻りたい!(笑)

素直に虫を好きだと思いたいのに!

今では、妹と
「アースジェットとフマキラーだったら、どっちの殺虫剤が好き?」
 なんて話をしています。

 

話を戻しますが、とにかくカタツムリだけは小学校に上がっても嫌いになれなかったのです!

 
そんなある雨の日、お母さんと妹と、庭にやって来たカタツムリをたくさん捕まえて愛でていました。

ただ鑑賞しているだけでは飽き足らず、ネームペンを手に取り、カタツムリの殻にお絵描きをしました。(←サイテー)

星マークや、ハートマーク、自分の名前を記入しました。(笑)

 
カタツムリ達と遊び終わった後、一匹一匹お礼を言って逃がしました。

「楽しかったよ。ありがとう。また来てね」

「…」

もちろん、お返事なんてして貰えません。

 
しかし!!!

 
カタツムリは元来、移動する際に頭を上下に動かしながら動きます

それをお辞儀と捉えた当時のポジティブ過ぎる私は、「またカタツムリ達が来てくれる」と本気で信じていたのです!

 

そして約一年後のある日、いつも通りカタツムリを愛でていると、何匹かのカタツムリの殻に星マークと自分の名前が描いてあるのに気がつきました。

 
「あの時のカタツムリさんだ!」


当時の純粋過ぎる私は、庭が過ごしやすい場所だったからではなく、自分との約束を守ってくれたからなのだと本気で思い、何割か増しでその子達を愛でました。

 

 
あれからもう早9年程経ちました。

もう今では、雨の日もカタツムリは一切現れてくれません。

どうしてでしょう。

気温の問題?
環境の問題?

 
どんな理由にしろ、あの時だけの有限なる楽しみだったことに気づきました。

今できる楽しみを今するという大切さをカタツムリ達に教えられました。

 

 

 

 

さて、そんな私は現在、フマキラーを片手に虫共と格闘しております。

 
蚊よ、去れ。

 

 

 

 

Q,この文には何回「愛でる」という言葉が出てきたでしょうか?

 

 

 

 

 

A,7回です!

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