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第七話:サードウェーブとか、フォースウェーブとか(小春日和の京都街歩き)

前回記事はこちらから。

街歩きコースはこちら(今回は⑨から⑩まで進みます。)

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前回は祇園の街を通り抜け、東大路を渡り、八坂神社・高台寺のある当たりのエリアまで来た。お昼を食べてから1時間以上歩きっぱなしだったので、そろそろ休憩がしたいところ。前日に妹からオススメのカフェを教えてもらったカフェに向かうことにする。

昨年シリーズで書いた通り、私はカフェの空間やコーヒーが好きで、京都に住んでいた頃はしょっちゅうカフェ巡りをしていたのだが、妹は私以上にカフェ巡りをしており、グーグルマップにはすごい数のピンが立っているほどで、京都に帰省するたびに実家にいる妹にオススメカフェを教えてもらうのが恒例になっている。

カフェに向かうまでの道は、高台寺の西側に位置し、豊臣秀吉の正室である北政所ねねが余生を過ごしたことにちなんで「ねねの道」と呼ばれる道にあたる。お土産屋さんが並ぶ観光客の散策スポットになっており、緊急事態宣言下でも地元の人を中心だろうが、散歩している人はそこそこいた。それにしても、改めて写真を見ると、ビルがなく電柱のない風景は空が広い。

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「ねねの道」の行き止まりには日本画家の巨匠、竹内栖鳳が1929年に構えたアトリエ兼邸宅をリノベーションしたSODOHというレストラン、結婚式場を兼ね備えた施設となっている。

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余談だが、京都の友人は何組もここで結婚披露宴を挙げていて、私も一度お呼ばれしたことがあり、また今年の11月に友人の結婚式で行く予定だ。

このSODOHの脇の小路を少し進むと(⑩)、お目当てのカフェが見えてくる。店名はThe Unir。長岡京市に本店があるUnirという高品質のスペシャルティコーヒーを追求するコーヒーロースターの旗艦店として、つい先日オープンした。

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京町家を改修した店舗の中には、1階手前のショップスペース、2階のカフェスペースに加えて、1階の中庭奥にはコーヒーを使ったカクテルが楽しめるバーまで併設されている。以下に店内写真をまとめてあげるので、雰囲気だけでも味わってもらいたい。

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2階の小屋裏現しの感じや白塗りの壁天井、置かれたスワンチェアなどの家具、球状の和紙の照明など雰囲気作りはとても優しい感じを受ける。オーソドックスながらオシャレにまとまっていて、居心地が良い。

ゲイシャブレンドのマキアート(450円)を注文。普段はドリップコーヒーばかりを飲んでいるのだが、エスプレッソに力を入れているカフェではエスプレッソベースのものを注文するようにしている。

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こういう豆の種類について記載されたカードがついてくるようなお店は初心者的には嬉しいところ。砂糖が入ってるわけではないのに、説明の「フルーツ」の起債の通り甘みを感じで衝撃を受けた。

私はドリップなら王田珈琲専門店、水出しなら蔵珈琲と、お気に入りの店が決まっているのだが、このマキアートは今まで飲んだどのエスプレッソベースのドリンクより美味しく、エスプレッソならここだと確信した。

こういう時期なので、私以外にもお客さんは3、4組とかなりゆったりしていたが、観光客が戻ってきて春や秋などは常に満席になりそうな予感がする。

しばらくマキアートをすすりながら、次の目的地を確認していたのだが、そんなさなか少し離れた席にいた男性2人組の会話が聞こえてきた。

「これまではブルーボトルみたいな豆や淹れ方にこだわる流れがサードウェーブであったけど、これからは『誰が淹れた珈琲か』と人や体験価値に視点を当てたフォースウェーブがくるはずなんだよね」

カフェ好きな先輩がそんなに興味なさそうな後輩に講釈を垂れていて共感性羞恥を感じて、お店を出て次に進もうと思った。

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