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シーン20:おうちカフェのススメ(カフェ、コーヒーが好きな理由)

ようやく最終回です。これまでの記事はこちら。

このシリーズの記事を書き始める少し前、私は外出自粛の家での生活に完全に嫌気がさしてきていた。なぜ天気も気候も良いこんな日に一人で家にいないといけないのか、、、何も用事がなくても、カフェや喫茶店を求めて休みの日は外に出るタチなので、1日中家に引きこもるのは苦痛だったのだ。

そんななかで、ふとしたLINEのやりとりから、大学の研究室の同期とSkypeで喋ろうということになった。メンバーの1人がペルーにいるため、時差を考慮して飲み会ではなく昼過ぎに、飲み会というよりはお茶会みたいな感じでやろう、ということになったので、私はHARIOのミルで豆を挽きコーヒーを淹れた。

そして何気なく、iPadにうつる自分の姿をみると、手元と背景がやたらおおしゃれなことに気づいた。(本人はおしゃれじゃないです)

ウチの壁は何でもない白いクロスの壁紙で、置いているローテーブルも白い。カーペットは少し毛足の長いイオンで買った何でもない茶色のカーペット。あとは、ニトリの座椅子と無印のデニムのクッション。レースのカーテン越しに陽の光が入ってくるといい感じで明るく見える。窓際だけみるとミニマリストのオシャレ部屋のような様相を呈しているではないか。

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このことに気づいた私は「この場所をスタジオにして、自分が普段コーヒーを飲むために使っているいろんな道具を写真撮影してみると映えるのでは?」と思い立って、次の日に早速、独りで「おうちカフェごっこ」をやってみたので、しばしお付き合い願いたい。


コーヒー豆は友人の結婚式の引き出物カタログから選んだ白いホーローに入れて保管している。日本の職人さんが作ったという機密性抜群の逸品だ。

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タリーズで買ってきた豆を開けてホーローに移す。この日はエスプレッソクラシコ。フレンチローストよりは飲みやすいが、しっかりフルボディの豆。

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そして、昨日紹介したHARIOのコーヒーミルで豆を挽く。目の粗さは中挽きくらいだろうか。良い感じのサイズで挽けた。

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コーヒーのドリッパーは台形型のものではなく、円錐形のものを使っている。円錐形の方が味のブレが少ない、と紹介されているがさすがにその違いがわかるほど舌は肥えていない。ちなみに、コーヒーフィルターもHARIO。

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そして、誕生日プレゼントでもらったデロンギの電気ケトルで95℃でお湯を沸かして、コーヒーを淹れる。この注ぎ口の細さがコーヒーを淹れるためのフォルムという感じでおしゃれだ。(今まではティファールでじょぼじょぼ注いでいた、、、)

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最初は少しお湯を注いで、30秒蒸らす。そして2,3回に分けてお湯を注ぐといういわゆる教科書的なコーヒーの淹れ方をやってみる。豆が新鮮だからちゃんとふくれて(それが必ずしも良いわけではないらしいが、、、)そして、部屋に良い香りが広がる。

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マグカップはつい最近、保温性のあるものを買ったが、1か月前は何でもないコップで飲んでいたのでこんな感じ。漆黒のコーヒーの色がテーブルやコップの白さに映える。

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こんな感じで、普段まじまじ眺めることのない器具をテーブルに置いて、教科書通りにコーヒーを淹れてみて、それを一つ一つ写真に収めていく作業は結構楽しいし、「丁寧な生活」の実践という感じがするのだが、同時に「何やってんだ」というバカらしい気持ちにもなってくる。

当然、普段はこんなことするはずもなく、キッチンでトーストにバターを塗り、ヨーグルトの蓋を開けている横で気まぐれなタイミングでお湯を注いだり、YouTube動画に目をやってる隙に蒸らしの時間が長くなりすぎたり、そんな雑な感じでコーヒーを淹れているのだが、そちらのほうがよほど、生活に馴染んだコーヒーのあるシーンだと思うからだ。

ただ、このコロナ渦での「おうちカフェごっこ」は、逆説的にそれまでのそんな些細な日常生活を振り返るきっかけになったような気もする、とこの記事を書いていて思った。


自分がカフェやコーヒーが好きになった理由を探っていくと、自分の興味やものごとの見方なんかがわかってくるだろうという「自分探し」的な動機から、このシリーズの記事を書いてきたが、特に「理由」めいたものを書けてきたつもりもなくて、タイトル詐欺なところではあると思っている。

それでも、コーヒーやカフェを通じて、自分の人となりや考え方を振り返ってみると、自分の幼い時の記憶、学生時代からの建築や空間への興味、大事にしたいのはものごとのストーリーやそれを支える哲学であること、そしてそれらは、些細な日常生活に支えられてできていることだということに改めて気づくことができた。

丁寧に振り返る作業は、なかなか普段の生活では難しいが、これからもnote記事でいろんな思考をドライブさせていきたい。

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