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20001225 アポロの足

 20世紀における人類の科学史上で最も華々しいイベントはアポロ11号による月面着陸$${^{*1}}$$だと思う。今から30年以上昔の出来事であるが、30年も前に地球以外の天体に人類が初めて行って、帰ってきたのである。

 何故アポロ$${^{*2}}$$と思ったか。年賀状のデザインを考えていて$${^{*3}}$$、アポロ計画の写真を使って作ろうと思った。インターネットで集めた写真を眺めていたらそう思えてきた。月に行って帰ってくる技術は我々の実生活にはまだ殆ど関係がないが、凄いことだと思う。飛行機で空を飛ぶことの延長と考えることが出来るかもしれない。しかし空を飛ぶことは既に太古の昔に鳥が達成していることだが、月へ行くことはおそらく地球上の生物では初めてであろう$${^{*4}}$$。そういった意味で凄いと思う。

 アポロ計画$${^{*5}}$$で使われたロケットはサターン5型$${^{*6}}$$と呼ばれる多段式のロケット$${^{*7}}$$だった。イーグルと呼ばれた月着陸船$${^{*8}}$$を地球から月に運ぶためにはこのような巨大なロケットが必要だった。多分今でも必要なのだろう。

 人類が初めて月面に立つために使用された宇宙船$${^{*9}}$$は虫のような形をしていた。二人の宇宙飛行士が乗り込む部屋とロケットエンジン付きの台で構成される。宇宙飛行士が乗り組む部屋$${^{*10}}$$には月面から飛び立つ為のロケットエンジンを搭載されていた。これは月面に着陸するときに使用したロケットエンジン付きの台は月面に残して、身軽な状態にして帰還するためである。
 ロケットエンジン付きの台には足が4本付いている。四本足の先には月の表面の砂に宇宙船の足が潜り込んで宇宙船が傾いて着陸しないように皿みたいなものが付いていた。

 その皿の下に更に棒状のものが付いている。これはランディング・プローブと呼ばれるもの$${^{*11}}$$で、月面着陸の際、月着陸船の足が月面に近づいてくると、まず、このプローブが月面に接触する。接触すると自動的に着陸船のロケットエンジンが停止するようになっていたらしい。
 このプローブは写真で見るとかなり長い。1mぐらいはありそうである。月の砂は地球の海岸の砂浜$${^{*12}}$$のようになっているだろうか。このプローブが月の砂浜にずぶずぶと入っていったのか。どうして今まで誰も行ったことがないのに月の砂の深さが判ったのだろう。このプローブの存在を知ってからの疑問であった。

 宇宙船が月面に着陸した様子の写真をよく見るとプローブは月面に刺さっていなかった$${^{*13}}$$。折れ曲がっていた$${^{*14}}$$。もう一つ気付いた。足は4本だがプローブは3本であった$${^{*15}}$$。

*1 Apollo 11 - 30th Anniversary
*2 JSC Digital Image Collection - AS11
*3 20001119 年賀状
*4 竹取物語
*5 Project Apollo Drawings and Technical Diagrams
*6 Apollo Expeditions to the Moon: Chapter 6
*7 多段式ロケット
*8 ad011.gif
*9 NSSDC Master Catalog: Spacecraft
*10 ad002.gif
*11 as11_44_6574.jpg
*12 静かの海方面
*13 AS11-40-5917
*14 AS11-40-5917_600.jpg
*15 Surface Sensing Probe

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