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20050609 地球温暖化(5)

 地球温暖化の本当の原因は何か$${^{*1}}$$。二酸化炭素の増加が本当に地球の温暖化の主な原因になっているのか。主な原因というよりも原因に全くなっていない可能性もある。そもそも温暖化していることの検証ができない。二酸化炭素濃度の増加に伴う平均気温上昇の予測が正しければ、温暖化の考え方が正しいと言えるが、それが実証されるのはまだまだ先の話である $${^{*2}}$$。

 ここ数年の平均気温の上昇$${^{*3}}$$が大気中の二酸化炭素濃度の急激な上昇によるものかどうかがはっきりしないのに「二酸化炭素を減らしましょう$${^{*4}}$$」といった活動は意味があるのか。「いや、因果関係がはっきりしなくても予防は重要である。因果関係が判ってからでは手遅れになる可能性がある」という考え方もある。

 例えば、ある病気に関して何かを毎日飲めば不思議とその病気にかからない、ということがあれば病気と予防との因果関係がはっきりしていなくても、予防行為には意味があることになる。効果が見えるからである。ところが地球温暖化に関しては「予防」とは言っても、その効果は一回も現れていない。何も手掛かりがない状態で「予防」と叫んでいる状態である。

 その拠り所は誰かがそう言った$${^{*5}}$$からだけだ。実際の地球の状態が正しく把握されているかは別として温暖化の機構は科学的$${^{*6}}$$に記述されているだろう。しかしそれに基づく行動が科学的ではない。政府や学者などが言ったことを鵜呑みにして、行動すること自体が問題である。「因果関係がなくとも云々」といかにも科学的な態度をとっていても、これでは誰かに踊らされているだけになってしまう。科学的とはとても言えない。

 科学的ではないが、「二酸化炭素の削減を通して環境保全を行う」というのは非常に優れた考え方である。それは何故か。人為的な二酸化炭素の主な放出は化石資源の消費によるものである。人類が使い切るかどうか解らないが、石油や石炭の埋蔵量は有限だろう$${^{*7}}$$。二酸化炭素の放出を抑えるということは、それを節約しながら使うことになる。先の世代のことを考えながら行動することは非常に有意義なことである。年金$${^{*8}}$$や原子力政策$${^{*9}}$$のように問題を次世代次々世代に先送りする行動とは対極をなす。

 優れているのは「二酸化炭素の量」という一つの指標で節約の度合いが測れる点にある。自動車を運転する時にガソリンを1リットル節約するのと電気を1000wh節約する事とを二酸化炭素の量で比較する$${^{*10}}$$ことができる。単なる目安だが前者は二酸化炭素を2.8kg、後者は0.4kgとなる。比較できると何が良いか、どれだけ節約すると何世代まで安泰かはさっぱり判らないが、行動の優先度を考えたり資源節約行動が効率的かどうかが判断しやすくなる。「買い物に自動車で出掛けてビニール袋$${^{*11}}$$を貰わない」といった行動があまり効率的でないということが理解できる。

 物事の見方の共通化という点で貨幣$${^{*12}}$$に似ている。ただし、貨幣の逆である。貨幣は増えれば増えるほど嬉しいが、「二酸化炭素」は減れば減るほど嬉しい。たしかドラえもん$${^{*13}}$$で「お金のいらない世界 $${^{*14}}$$」という話があった。物を買うのにお金を支払うのではなく受け取らなければならない世界の話である。裕福なのは「お金無し」ということになる。「二酸化炭素」とそっくりだ。

 もしかしたら二酸化炭素の放出量が「逆貨幣」「逆さ金」「お屑$${^{*15}}$$」と呼ばれる日が来るかも知れない。

*1 20050608 地球温暖化(4)
*2 JCCCA / 温暖化問題解説
*3 JCCCA / 地球の平均気温の変化(過去140年/1000年)
*4 チーム・マイナス6% - みんなで止めよう温暖化
*5 Intergovernmental Panel on Climate Change
*6 20030316 一神教と多神教
*7 石油情報センター[石油の埋蔵量と生産]
*8 社会保険庁:年金保険制度
*9 TEPCO : 環境エネルギー学習 | 原子力発電所で発生する放射性廃棄物
*10 LCAに使える原単位
*11 東京大学生協 生協ニュース
*12 20050227 石の貨幣
*13 20040516 ワグネリアン
*14 もしもボックス 「お金のいらない世界」
*15 20021106 goods & bads

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