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20070123 自転車の最高速度

 高速道路を走る時、時間に余裕がある場合は燃費を節約する$${^{*1}}$$ためにできるだけ大型トラックの後ろを走行するようにする。いわゆる「スリップストリーム$${^{*2}}$$を利用した走行」である。前方の自動車が空気の抵抗を受けてくれるので後ろにいると楽に走れる。空気を押しのけた結果、前車の後方では周りの空気を巻き込むため自車は前車に引き寄せられる。この引き寄せられる状態を路面を滑っている状態$${^{*3}}$$になぞらえて「スリップストリーム$${^{*4}}$$」と言うのだろう。

 燃費が良くなるのは気のせい$${^{*5}}$$ではなく、実際に効果がある。どのくらい良くなるかは、しょっちゅう同じ経路で高速道路を利用するわけではないので比較が難しいが、良くなっているのははっきりしている$${^{*6}}$$。

 このスリップストリームを利用して自転車の最高速度記録に挑戦すると言うのをふと思い出した。自分の前に自動車を走らせて自転車を漕ぐのである$${^{*7}}$$。最近の記録では時速269kmも出たらしい。無茶苦茶速い。こう言った方式での挑戦は昔から行われている。七十年前でも自動車を使って挑戦$${^{*8}}$$したり、百年前には機関車の後ろを走る$${^{*9}}$$というのがあったようだ。線路に板を敷いて走った$${^{*10}}$$らしい。百年前は機関車が最も速かった乗り物で、その後で自転車を漕いで時速100km(1マイルを走るのに1分間)$${^{*11}}$$の速度を出した。

 こうやって見てみると先行車の最高速度が自転車の最高速度の鍵を握っているように思えてきた。スリップストリームを利用した自転車の最高速度の記録は真の自転車の記録と言えるのだろうか。高速度で二輪車を走らせること自体に高度な技術を要するだろうから記録と言えば記録だろうが、どうも釈然としない。

 例えば先行車と自転車を鎖か何かで繋げて走ったらどうだろう。誰が見ても自転車の記録と認めないだろう。それでは強力な磁力で自転車を牽引したらどうだろう。当然、自転車と磁石は接触していない。この場合も磁力が存在していると分かったら誰も自転車の記録とは認めない。

 それでは自転車の後ろから扇風機で風を送ったらどうか。これも駄目だろう。では、自転車の前で大きな壁を持った自動車が風を遮りながら走ったらどうだろう。単独で自転車を漕ぐよりも「鎖で繋げている」方にかなり近い感じがする。

*1 20060531 燃費道(2)
*2 光る!スポーツ研究所
*3 雪道のドライブはスリップ事故にご注意!~自動車保険の三井ダイレクト損保~
*4 JET STREAM
*5 20031011 金属原子結合の歪みとダランベールのパラドックス
*6 燃料消費効率化改善に関する調査報告書(平成5年度)/3.1 燃料消費の要因と情報化・知能化の目的
*7 The formidable record of Fred Rompelberg and its development.
*8 Frank Bartell
*9 MILE A MINUTE MURPHY
*10 qqcbrmmm6.jpg
*11 Mile-A-Minute-Murphy

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