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20070119 ペンローズの三角形(2)

 「ペンローズの三角形$${^{*1}}$$」の最初は、Roger Penrose$${^{*2}}$$でも中世の修道僧$${^{*3}}$$でもなく、Oscar Reutersvard$${^{*4}}$$という人だった。Penroseはこの図形を1954年に発表$${^{*5}}$$しているが、Oscar Reutersvard$${^{*6}}$$は1934年である。

 それではエッシャーはいつペンローズの三角形を絵に取り入れたのだろう。Oscar Reutersvardよりも先なのか。Penroseよりも後なのか、それとも先なのか。このページ$${^{*7}}$$によるとPenroseよりも後らしい。ここ$${^{*8}}$$にもそう書いてある。

 「物見の塔$${^{*9}}$$」は1958年、「上りと下り$${^{*10}}$$」は1960年、そして「$${^{*11}}$$」は1961年に発表されている。確かにこれらはPenroseの発表の1954年よりも後である。

 ところが1953年に発表された「相対性$${^{*12}}$$」という作品にペンローズの三角形のような物が登場する。三角形を形づくる階段$${^{*13}}$$がそうだ、と一瞬思ったがそうではなかった。重力の関係が無茶苦茶になっているので現実にはない風景だが、構造物自体には何ら矛盾ない。エッシャーはPenroseの後だった。

*1 20070118 ペンローズの三角形
*2 Penrose's Philosophical Error
*3 monk-at-workwl.jpg
*4 Art of Reutersvard
*5 Penrose Triangle -- from Wolfram MathWorld
*6 Impossible world: Oscar Reutersvard: Page 1
*7 :::Impossible Objects:History
*8 立体感の錯視
*9 Escher: Belvedere
*10 Escher: Ascending and Descending
*11 Escher: Waterfall
*12 Escher: Relativity
*13 escher_relativity.jpg

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